テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 探し歩く《世界》 ~

2019-09-05 22:33:12 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 もふふッ♪ かッちゃッたのでスゥ!」
「がるる!ぐるるがるるるー!」(←訳:虎です!来年のカレンダー!)

 こんにちは、ネーさです。
 すでに雑貨屋さんにはハロウイングッズと、
 2020年のカレンダーが出揃っていて、
 可愛い小さめのカレンダーを買ってしまいました。
 次は手帳だ!どれにしよう?と楽しく悩みながらも、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
 
  


 
       ―― 世界文学アンソロジー ――



 編者は秋草俊一郎さん、戸塚学さん、奥彩子さん、
 福田美雪さん、山辺弦さん、2019年7月に発行されました。
 『いまからはじめる』と日本語副題が付されています。

「せかいじゅうゥ、あッちこッちィからァ~」
「ぐるるがるるる!」(←訳:集めてみました!)

 収録されているのは、
 27人の著者さんによる、27の作品。

 27作品の原著は、
 フランス語あり、イタリア語あり、中国語あり、
 スペイン語も英語もあって、日本語も、と
 とてもワールドワイドなわけですが、
 御本の『まえがき』で
 編者のひとり、秋草俊一郎さんは
 次のように述べています。

   『世界文学』というと、
   あまりに大仰で、力が入り過ぎてしまう。

   《世界のいろいろな場所で、
    いろいろなことばで書かれた話》

   ぐらいに思ってもらったほうがよさそうです。

「なァ~るほどッ!」
「がぅるぐるるがるる~!」(←訳:じゃあ気楽に行こう~!)

 そうですね。
 お言葉に甘えさせてもらって、
 どーんと気楽に読んでみましょう!
 ということで。

 第1章《言葉――すべてのはじまり》のエミリ・ディキンソンさん、
 第2章《自己――まるで檻のような》のアンデルセンさんも、
 第3章《孤独――記憶はさいなむ》のジェイムズ・ジョイスさん、
 第4章《家族――かけがえのない重荷》の石垣りんさん、
 第5章《戦争――崩れゆく日常》のフリオ・コルタサルさん、
 第6章《環境――わたしたちを取り巻く世界》の石牟礼道子さん、
 第7章《愛――いつだってつなわたり》のコレットさん、
 第8章《悪――絶対やってはいけません》のカフカさんも、
 きれいにスッ飛ばして、
 私ネーさが目指したのは、

 第9章《生死――この世のむこう側》の、

 ジュール・シュペルヴィエルさん著
 『沖合の少女』。

「すッとばしィすぎィでス!」
「ぐるがるぐぅる!」(←訳:ほぼ巻末じゃん!)

 御本の本文中、最終章となる第9章には、
 3つの作品が収められています。

  ディラン・トマスさんの詩
  『あのおだやかな夜におとなしく入ってはいけない』

  ジュール・シュペルヴィエルさんの
  『沖合の少女』

  ガブリエル・ガルシア=マルケスさんの
  『世界でいちばん美しい溺れびと』

 いずれも、章題の通り、
 《この世のむこう》にふと踏み込んでしまったような、
 黄泉の国からの風に頬を撫でられたかのような、
 幻想的な空気を湛える美しい作品ですが。

 私ネーさのイチ推しは、
 なんといっても『沖合の少女』!

「ふらんすゥのォ、さッかさんッ!」
「がるぐるるる!」(←訳:でも南米育ち!)

 『沖合の少女』、
 或いは『波の上の少女』の題名で知られるこの短編小説は、
 地上に住む私たちが
 “決して出会えない”
 ひとりの少女のものがたりです。

   どこか遠く、
   大西洋の沖合の水面に、
   赤レンガの家々が立ち並び、
   鐘楼がそびえる村がある……

   そこにはひとりの少女が暮らしているけれど、
   彼女の声は、姿は、
   誰の耳にも届かず、
   誰の眼にも映らない……

 自動人形師ムットーニさんこと武藤政彦さんの上演会で、
 この『沖合の少女』をテーマにした作品を拝見して以来、
 ずっと原作の小説を探していたのですが、
 やっと、ああやっと、巡り会えましたよ!
 なので、大満足です!

「なんどもォ、よみかえしてェまス!」
「ぐるるるがる!」(←訳:その度に感激!)

 27人の作家さんの、
 魂がこめられた27の作品たち。

 私ネーさにとってのベストは
 『沖合の少女』でしたけれども、
 読み手さんそれぞれにとっての
 ここころ震わせる作品は、
 やはり、それぞれ異なることでしょう。

 自分だけのベストを探しに、
 皆さまも、はるかな《世界》へ、ぜひ♪
 

 
 
コメント
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