テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

王座と、素顔。

2019-09-13 23:11:38 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ♪るるゥ~♪じゅうごやァおつきィさァ~んッ♪」
「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!今夜はお月見!)

 こんにちは、ネーさです。
 満月は明日14日、
 でも2019年の《十五夜》は今日9月13日~♪
 ということで、
 雲間のお月さまを仰ぎ見ながらの本日読書タイムは、
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  


 
        ―― 王家の遺伝子 ――



 著者は石浦章一(いしうら・しょういち)さん、
 2019年6月に発行されました。
 『DNAが解き明かした世界史の謎』と副題が付されています。

「うゥッ? それはァ、つまりィ?」
「ぐるがる~…」(←訳:理系だあ~…)

 DNAとは、核酸の一種である
 デキオシリボ核酸のこと、ですね。
 地球上の多くの生物において
 遺伝情報と継承と発現を担う高分子生体物質である、と
 Wikipediaには記載されています。
 
 正直に申しまして、
 文系の私ネーさといたしましては、
 え~? DNA? 理系ノンフィクション?
 これはもうシッポを巻いて逃げ出しちゃおうか……と
 思いかけました。

 が、ご安心ください、
 著者・石浦さんは理系要素を適度に抑え、
 文系読者さんにも分かりやすく
 《DNAが解き明かす謎》
 を描き出しておられますよ。

「むむッ! これッてェ、にゅーすにィなりましたでス!」
「がるるぐるる!」(←訳:発掘の大成果!)

 2012年、世界を駆けめぐったのは、
 英国のレスター市で行われた発掘結果の一報でした。

   シェイクスピアさんの戯曲で知られる
   英国王リチャード三世の遺骨発見!

 もちろん、掘り出された骨に
 名前が刻まれていたわけではありません。
 これは王さまの遺骨だと、
 認定される決め手となったのは
 DNA鑑定でした。

 その決定に到る複雑な経緯を、
 著者・石浦さんは解説してゆきます。

 遺骨に見られた特徴的な外傷、
 女系親族を辿り、
 直径の子孫を発見して、
 提供されたDNAからミトコンドリアDNAを分析、
 すると……

「いッちィ、したのでス!」
「ぐるるがるる!」(←訳:遺骨は王さま!)

 このニュースは、
 シェイクスピアさんという偉人さんも関係しているだけに
 たいそうな話題となりましたが、
 実は、この一件だけではないんです。

 古代エジプトの、ツタンカーメン王。

 18世紀の英国王、ジョージ3世。

 米国の第3代大統領トーマス・ジェファーソンの一族。

 彼らのDNAも研究の対象となりました。
 
「ほわわッ! いがいィでス!」
「がるるぐるがるるる!」(←訳:こんなことあるんだ!)

 古代エジプトの王さまたち、
 米国大統領の血筋の問題は
 さておいて。

 私ネーさが驚愕したのは、
 ジョージ3世の章でした。

 ジージ3世(1738~1820)は
 “Mad King”と呼ばれ、
 精神疾患を患い、
 たびたび発作を起こしていたことは
 記録に残されており、
 それをもとに小説や映画まで
 制作されていますが。

 毛髪の分析を行ったところ、
 予想外の物質が見つかったというのです。

 それはすなわち……
 精神疾患説の否定?

「そんなァことまでッ!」
「ぐるがるるる!」(←訳:判明するんだ!)

 ネタバレ回避のため、
 これ以上はお話しできませんが、
 先入観や概念を覆す分析結果の数々は、
 文系の活字マニアさんの頭脳も
 きっと活性化させることでしょう。

 王さまたちの、
 偉人さんたちの、
 本当の姿を、
 ぜひ、この御本を通じて
 覗き見してみてくださいね。
 
 
 
コメント
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