テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 恐竜クロニクル ―

2019-09-12 23:23:43 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 しゅうばんせんッ、なのでスゥ~!」
「がるる!ぐるるがーる!」(←訳:虎です!疲労もピーク!)

 こんにちは、ネーさです。
 《ブエルタ・ア・エスパーニャ2019》も
 そろそろゴール地マドリッドに近付いてきました。
 が、総合首位と2位の選手さんのタイム差は2分24秒……
 決して逆転不可能な数字ではありません。
 ドラマチックな展開を期待しながら、
 本日の読書タイムは
 ドラマな要素を全部盛り付けたようなこちらの御本を、
 さあ、どうぞ~♪

  


 
         ―― 恐竜の世界史 ――



 著者はスティーブ・ブルサッテさん、
 原著は2018年に、日本語版は2019年8月に発行されました。
 英語原題は『THE RISE AND FALL OF THE DINOSAURS』、
 『負け犬が覇者となり、絶滅するまで』
 と日本語副題が付されています。

「あたらしくゥ、にんていィ!」
「ぐるるがる~!」(←訳:カムイくん~!)
 
 《恐竜博2019》で注目の『むかわ竜』が
 新属新種と認定!
 学名は『カムイサウルス・ジャポニクス』!
 というニュースが先日話題になりましたね。

 カッコいいお名前だわぁとウットリさせられますが、
 本日ご紹介するこの御本は
 いわば、
 “カムイくんたち恐竜の生きた時代”
 を探る歴史ノンフィクション作品です。

「ふしぎィ、でスよねェ~…」
「がるぐるるるるるる?」(←訳:なぜ滅びたんだろう?)

 著者・ブルサッテさんは
 世界各地で化石の発掘調査を行い、
 15種もの新種を記載してきた恐竜学者さんです。

 古脊椎動物の解剖学・系統学・進化を専門とし、
 コロンビア大学で博士号を取得、
 現在はエジンバラ大学で教鞭を執っているブルサッテさん、
 もちっろん、恐竜大好き♪な少年でした。

 大好きな恐竜が、
 いつごろ地球の歴史に登場したのか、
 どのようにしてのし上がっていったのか、
 さまざまな種が生まれ、
 栄華を極め、
 進化を遂げ、
 いくつもの謎を残しながら
 絶滅していったのか――

 この御本では、
 まさに少年そのものの好奇心と熱意で
 新生代・中生代・古生代の生命の歴史が語られます。

「きょうりゅうゥだけじゃァないのでス!」
「ぐるがる!」(←訳:人間もね!)

 恐竜の歴史を俯瞰しつつ、
 ブルサッテさんは
 “恐竜を発掘してきた人びと”についても
 大いに筆を振るいます。

 現役の学者さん、
 化石発掘史上のレジェンドさんなど、
 偉人さんから変人さんまで、
 東西の恐竜マニアさんが登場する中で、
 別格といえるのは、

 フランツ・ノプシャ・フォン・フェルシェーシルヴァーシュ男爵
 (1877~1933)。

「ふァ? だんしゃくゥ??」
「がるるるぐる?」(←訳:貴族さんなの?)

 トランシルバニア地方の貴族の家に生まれたノプシャさんは、
 旅行家であり、
 実はオーストリア=ハンガリー帝国に雇われて
 オスマン帝国の内情を収集するスパイであり、
 そして恐竜研究家でした。

 古生物学を専門的に学んだ経験はないものの、
 自分の領地で古い粉々の頭骨を見つけたことを機に、
 独自に研究と考察を重ね、
 古代の生命の姿、在り方に肉迫してゆくノプシャさん。

 しかし、時代が、戦争が、
 ノプシャさんから機会を奪いました。
 
 第一次大戦後、
 彼は爵位と領地を失います。
 数奇としか言い表しようのない、
 その遍歴の人生の最期は……。

「……なんだかァ、もうゥ……」
「ぐるるぅるる……」(←訳:泣いちゃうよ……)

 もうひとり、
 御本の後半部分で突出した存在感を発揮するのは、
 地質学者のウォルター・アルバレス教授。

 アルバレス教授の研究をもとに
 ブルサッテさんが描き出す
 《地球史上最悪の日》は
 本当に冷や汗が流れるほど、怖い……!

 隕石、なんてもんじゃありません。

 直径10キロほどの、
 おそらくは小惑星が
 現在のメキシコ・ユカタン半島に落下。
 
 ジェット旅客機の100倍以上の速さ、
 TNT火薬に換算して100兆トン超、
 地殻を40キロほどえぐって
 その下のマントル層にまで食い込み、
 直径160キロ以上のクレーターを残した衝撃は、
 《恐竜の時代》を一瞬で終わらせてしまった……。

「……まッ、またしてもォ~」
「がるるる!」(←訳:泣きそう!)

 繁栄と絶滅から、
 恐竜後の時代へ。

 生命の長大な流れを綴るこの御本は、
 前半部分はややとっつきにくく感じるかもしれませんが、
 後半にさしかかるにつれ
 面白さが倍増してゆきます。
 6600万年前、
 地球に何が起きたのか――?

 歴史好きさん、
 科学系ノンフィクション好きな方々に激おすすめの一冊ですよ。
 ぜひ、手に取ってみてくださいね♪
 
 
 
コメント
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