「こんにちわッ、テディちゃでス!
てけてんッ!てけてんッ!」
「がるる!ぐるるるるる!」(←訳:虎です!テケテケテン!)
こんにちは、ネーさです。
♪テケテケ♫テンテン……と、
お囃子のリズムを脳内で再生させたら、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの御本を、どうぞ~!
―― 江戸の暮らしと落語ことはじめ ――
著者は三遊亭兼好(さんゆうてい・けんこう)さん、
歴史監修は安藤優一郎(あんどう・ゆういちろう)さん、
2022年12月に発行されました。
「ぎりとォ、にんじょうゥ!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:笑い話も怪談も!)
江戸時代に誕生した話芸――落語。
その“取扱いジャンル”は、
ライトな笑いあれば、
シュールなグルメ譚あり、
ロードムービー調も、
ヘヴィなホラーもございます。
この御本では、
古典落語55話と、
噺の中に登場する言葉、
風俗・文化など江戸当時の時代背景や、
落語にまつわる雑学などが
紹介されていますが、
まずは、“定番”にして”入門編”の、
『寿限無』
などいかがでしょう?
「くまごろうゥさんッ!」
「がるるぐるるる!」(←訳:サボりましたね!)
そもそもは、
熊五郎さんが名前を思いつけなかったのが、
お噺のきっかけ、でした。
可愛い男の子が生まれたってぇのに、
ああ、名前が……名前が……
助けて、和尚さ~ん!
で、和尚さんが付けてくれた
縁起のいい名前こそ、
寿限無寿限無五劫のすり切れ……であったと。
本文250~51ページに記載されている
『寿限無』の粗筋は、
短いものではありますけれど、
これを実際に演ずる場合はタイヘンですよね。
皆がよく知っている、オチまでバレてる、
そこをどう、面白おかしくしてゆくか……
語り手の腕の見せ所です。
「ほかにはァ、めぐろのォさんまッ!」
「ぐるがるる!」(←訳:三方一両損!)
ポピュラーなお噺や、
なんとなく聞いたことあるお噺の数々は、
第一章『江戸のしごと』
第二章『江戸のまち・すまい』
第三章『江戸の食』
第四章『江戸のおしゃれ・よそおい』
第五章『江戸の趣味・娯楽』
第六章『江戸の行事』
と、テーマごとに分けられていますが、
歴史好きな方々の好奇心を刺激するのは、
用語解説、でしょうか。
「あれもォこれもォ!」
「がるぐる!」(←訳:初耳だよ!)
『柳影(やなぎかげ)』は、
みりんと焼酎を半々に混ぜたもので、
冷酒として好まれていた――
『薩摩うずら杢目(もくめ)』は
屋久杉の代表的な杢目柄――
って、うう~む、勉強になりました。
江戸と落語の宇宙は、底なしのようです。
「はッつァんッ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:おうよ熊さん!)
八さんと熊さんが
いまも元気に語り合う、江戸の世へ。
落語ビギナーの方々に、
雑学好きな活字マニアさんに、
おすすめの一冊ですよ。
なつかしくも新しい落語の世界を、
ぜひ、覗いてみてくださいな~♪