「こんにちわッ、テディちゃでス!
おみまいィもうしあげまス……!」
「がるる!ぐるがる……!」(←訳:虎です!ああ辛い……!)
こんにちは、ネーさです。
昨日からトルコで大きな地震が次々と発生していて、
胸が痛いなるニュース画像の前でただ嘆息しています……
どうか一人でも多くの人が助かりますようにと、
心から祈りながらの本日の読書タイムは、
さあ、こちらの御本を、どうぞ~!
―― 小説 すずめの戸締まり ――
著者は新海誠(しんかい・まこと)さん、
2022年8月に発行されました。
『Suzume』と英語題名が付されています。
2202年公開の映画『すずめの戸締まり』の原作小説、ですね。
「げんざいィもォ、こうかいィちゅうゥ!」
「ぐるるるるるる!」(←訳:愛されてるんだ!)
物語の始まりは、
爽快な青空が広がる九州の南部の、
静かな港町から。
17歳の高校生、
岩戸鈴芽(いわと・すずめ)さんは、
爽快というよりも
暑っち~い!と言いたくなる早朝、
ちょっぴりこころ寂しいような思いで
目を覚ましました。
また、あの夢を見た。
繰り返し見る夢、
見ている最中は夢だと気付かない夢、
“子供の私“の夢……
「すずめさんッ、おきてッ!」
「がるるる!ぐるがるるる!」(←訳:朝だよう!遅刻するよう!)
夢の余韻に浸っていたかったけれど、
ああ、そうです、学校に行かなくちゃ。
叔母さんと二人暮らしをしている鈴芽さん、
お弁当を持って、
自転車に乗って、
学校を目指します、が。
あれは、誰?
「みかけないィひとォがァ、あるいてきまスよッ?」
「ぐるるる?」(←訳:誰だろう?)
地元の人ではない、
美しいひと。
初対面のその美しい人が、
鈴芽さんにいきなり訊ねてきたものですから、
心臓はバクバク?
《ねえ、君。
このあたりに、廃墟はない?》
「はいきょッ?」
「がるぐるるがっるるる?」(←訳:廃墟なんてあったかな?)
廃墟、と問われて、
鈴芽さんは答えます。
……人の住まなくなった集落だったら、
あっちの山にありますけどぉ……と。
思い返せば、
この答えこそ、岐路だったのでしょうか。
「おそろしいィ~わざわいィ……!」
「ぐるがるるる……!」(←訳:世に放たれる……!)
鈴芽さんは見つけてしまいました。
廃墟に、ぽつんと立つ扉を。
扉を開ければ、その向こうには――
映画を既にご覧になった方々は、
もうお分かりのことでしょう。
災厄を封ずべく
全身全霊で“戸締り“に挑む鈴芽さんには、
或る記憶を背負っています。
巨大な記憶の重みと、
のしかかる現実の苦難と、
どう闘うか、
どう躱(かわ)すか。
「いまだッ、すずめちゃんッ!」
「がるぐるるる!」(←訳:さあ戸締りを!)
『小説 すずめの戸締り』は、
↑上の画像の通常文庫版と、
『角川つばさ文庫』版の、
2つの版が刊行されています。
『つばさ文庫』版では
ルビ付き、イラストも収録されていますので、
お好みの版を手に取ってみてくださいね。
どうか災害や戦争で苦しむ人が、子どもたちが、
これ以上増えぬことを願いつつ――