テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ なみだのおもいで ~

2023-02-07 21:45:25 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 おみまいィもうしあげまス……!」

「がるる!ぐるがる……!」(←訳:虎です!ああ辛い……!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 昨日からトルコで大きな地震が次々と発生していて、

 胸が痛いなるニュース画像の前でただ嘆息しています……

 どうか一人でも多くの人が助かりますようにと、

 心から祈りながらの本日の読書タイムは、

 さあ、こちらの御本を、どうぞ~!

  

 

 

     ―― 小説 すずめの戸締まり ――

 

 

 著者は新海誠(しんかい・まこと)さん、

 2022年8月に発行されました。

 『Suzume』と英語題名が付されています。

 2202年公開の映画『すずめの戸締まり』の原作小説、ですね。

 

「げんざいィもォ、こうかいィちゅうゥ!」

「ぐるるるるるる!」(←訳:愛されてるんだ!)

 

 物語の始まりは、

 爽快な青空が広がる九州の南部の、

 静かな港町から。

 

 17歳の高校生、

 岩戸鈴芽(いわと・すずめ)さんは、

 爽快というよりも

 暑っち~い!と言いたくなる早朝、

 ちょっぴりこころ寂しいような思いで

 目を覚ましました。

 

   また、あの夢を見た。

   繰り返し見る夢、

   見ている最中は夢だと気付かない夢、

   “子供の私“の夢……

 

「すずめさんッ、おきてッ!」

「がるるる!ぐるがるるる!」(←訳:朝だよう!遅刻するよう!)

 

 夢の余韻に浸っていたかったけれど、

 ああ、そうです、学校に行かなくちゃ。

 叔母さんと二人暮らしをしている鈴芽さん、

 お弁当を持って、

 自転車に乗って、

 学校を目指します、が。

 

 あれは、誰?

 

「みかけないィひとォがァ、あるいてきまスよッ?」

「ぐるるる?」(←訳:誰だろう?)

 

 地元の人ではない、

 美しいひと。

 

 初対面のその美しい人が、

 鈴芽さんにいきなり訊ねてきたものですから、

 心臓はバクバク?

 

  《ねえ、君。

   このあたりに、廃墟はない?》

 

「はいきょッ?」

「がるぐるるがっるるる?」(←訳:廃墟なんてあったかな?)

 

 廃墟、と問われて、

 鈴芽さんは答えます。

 ……人の住まなくなった集落だったら、

 あっちの山にありますけどぉ……と。

 

 思い返せば、

 この答えこそ、岐路だったのでしょうか。

 

「おそろしいィ~わざわいィ……!」

「ぐるがるるる……!」(←訳:世に放たれる……!)

 

 鈴芽さんは見つけてしまいました。

 廃墟に、ぽつんと立つ扉を。

 扉を開ければ、その向こうには――

 

 映画を既にご覧になった方々は、

 もうお分かりのことでしょう。

 災厄を封ずべく

 全身全霊で“戸締り“に挑む鈴芽さんには、

 或る記憶を背負っています。

 

 巨大な記憶の重みと、

 のしかかる現実の苦難と、

 どう闘うか、

 どう躱(かわ)すか。

 

「いまだッ、すずめちゃんッ!」

「がるぐるるる!」(←訳:さあ戸締りを!)

 

 『小説 すずめの戸締り』は、

 ↑上の画像の通常文庫版と、

 『角川つばさ文庫』版の、

 2つの版が刊行されています。

 

 『つばさ文庫』版では

 ルビ付き、イラストも収録されていますので、

 お好みの版を手に取ってみてくださいね。

 どうか災害や戦争で苦しむ人が、子どもたちが、

 これ以上増えぬことを願いつつ――

 

 

 

コメント
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