テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 日々の和菓子、季節の和菓子 ~

2023-02-16 22:10:40 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 いまからでもォ~ふくはァうちィ~ッ!」

「がるる!ぐるる~!」(←訳:虎です!厄払い~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 節分は過ぎてしまいましたが、

 もうすぐ卒業式!のシーズンでもありますね。

 そこで本日の読書タイムは、

 すっきりした心持ちで新生活を始めたい方々のために、

 ↓こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪

  

 

 

     ―― 千 宗屋の和菓子十二か月 ――

 

 

 著者は千 宗屋(せん・そうおく)さん、

 2022年12月に発行されました。

 武者小路千家第十五代家元後嗣・千宗屋さんによる

 《お菓子の本》ですよ。

 

「おちゃとォ、いッしょにィ~」

「ぐるるるる!」(←訳:召し上がれ!)

 

 茶の湯とは切っても切り離せない、お菓子。

 

 御本冒頭の『和菓子の履歴書』で、

 著者・宗屋さんはこう述べています。

 

   私の人生は和菓子とともにある、

   といって過言ではない。

 

 お正月の初釜、節句や、

 季節ごとの行事、日々のお稽古に、

 人生の節目となるような茶事、

 とにかく欠かせぬのが和菓子、なのだそうです。

 

「もはやァ、まえすとろッ!」

「がるるるる!」(←訳:和菓子の匠!)

 

 この御本では、

 まだ寒~いお正月、

 春めいてゆく節分、

 そして桃の節句……と、

 冬、春、夏、秋、年の瀬の冬、の順番で

 宗屋さんお見立ての和菓子が取り上げられ、

 そのお菓子が生まれた経緯、歴史、思い出、

 といったエピソードも語られてゆきます。

 

 登場する和菓子を製作販売しているのは、

 京都のお菓子屋さんがあれば、

 東京のお菓子屋さんもあり、

 名店の銘菓も、

 カジュアルな餅菓子もあって、

 ”和菓子とともにある“とはこういうものかと

 宗屋さんの博識ぶりに驚かされます。

 

「どれもォ、おいしそうゥでスゥ!」

「ぐるるるがるる!」(←訳:見た目も可愛い!)

 

 愛らしい和菓子たちの中で、

 私ネーさが気になってしようがないのは、

 本文22ページの、

 

  『厄払い』(京都鶴屋 鶴壽庵)。

 

 節分にいただくというこのお菓子を紹介しながら、

 宗屋さんは武者小路千家に伝わる

 しきたりを綴っています。

 

 節分になると、

 毎年長男か年男が枡を持って豆をまく。

 家の東西南北、玄関や鬼門に豆をまき、

 枡に残った豆を年の数だけいただく。

 その後、

 年の数だけ豆を紙で包み、

 その包みで自分の身体の悪いところをなでてから、

 恵方の反対の方角を向いて包みを後ろに投げる。

 

 こうして豆に自分の厄をはらってもらった後、

 豆は神棚の神様にお預けする――

 

「わわわッ! しらなかッたでス!」

「がるるるぐるがるる!」(←訳:豆まきは神事なんだ!)

 

 厳かな中にも、

 どことなくユーモラスで、あたたかな空気が漂う行事と、

 厄を落とした後の、清々しさ。

 

 来年の豆まきは本気で臨まないと!

 と決意させられる快作は、

 お茶好きな方々に、

 歴史好きな活字マニアさんにもおすすめですよ。

 招福&厄払いに活躍しそうな

 和菓子ガイド帖としても、ぜひ、御活用を~♪

 

 

 

コメント
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