「こんにちわッ、テディちゃでス!
いまからでもォ~ふくはァうちィ~ッ!」
「がるる!ぐるる~!」(←訳:虎です!厄払い~!)
こんにちは、ネーさです。
節分は過ぎてしまいましたが、
もうすぐ卒業式!のシーズンでもありますね。
そこで本日の読書タイムは、
すっきりした心持ちで新生活を始めたい方々のために、
↓こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪
―― 千 宗屋の和菓子十二か月 ――
著者は千 宗屋(せん・そうおく)さん、
2022年12月に発行されました。
武者小路千家第十五代家元後嗣・千宗屋さんによる
《お菓子の本》ですよ。
「おちゃとォ、いッしょにィ~」
「ぐるるるる!」(←訳:召し上がれ!)
茶の湯とは切っても切り離せない、お菓子。
御本冒頭の『和菓子の履歴書』で、
著者・宗屋さんはこう述べています。
私の人生は和菓子とともにある、
といって過言ではない。
お正月の初釜、節句や、
季節ごとの行事、日々のお稽古に、
人生の節目となるような茶事、
とにかく欠かせぬのが和菓子、なのだそうです。
「もはやァ、まえすとろッ!」
「がるるるる!」(←訳:和菓子の匠!)
この御本では、
まだ寒~いお正月、
春めいてゆく節分、
そして桃の節句……と、
冬、春、夏、秋、年の瀬の冬、の順番で
宗屋さんお見立ての和菓子が取り上げられ、
そのお菓子が生まれた経緯、歴史、思い出、
といったエピソードも語られてゆきます。
登場する和菓子を製作販売しているのは、
京都のお菓子屋さんがあれば、
東京のお菓子屋さんもあり、
名店の銘菓も、
カジュアルな餅菓子もあって、
”和菓子とともにある“とはこういうものかと
宗屋さんの博識ぶりに驚かされます。
「どれもォ、おいしそうゥでスゥ!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:見た目も可愛い!)
愛らしい和菓子たちの中で、
私ネーさが気になってしようがないのは、
本文22ページの、
『厄払い』(京都鶴屋 鶴壽庵)。
節分にいただくというこのお菓子を紹介しながら、
宗屋さんは武者小路千家に伝わる
しきたりを綴っています。
節分になると、
毎年長男か年男が枡を持って豆をまく。
家の東西南北、玄関や鬼門に豆をまき、
枡に残った豆を年の数だけいただく。
その後、
年の数だけ豆を紙で包み、
その包みで自分の身体の悪いところをなでてから、
恵方の反対の方角を向いて包みを後ろに投げる。
こうして豆に自分の厄をはらってもらった後、
豆は神棚の神様にお預けする――
「わわわッ! しらなかッたでス!」
「がるるるぐるがるる!」(←訳:豆まきは神事なんだ!)
厳かな中にも、
どことなくユーモラスで、あたたかな空気が漂う行事と、
厄を落とした後の、清々しさ。
来年の豆まきは本気で臨まないと!
と決意させられる快作は、
お茶好きな方々に、
歴史好きな活字マニアさんにもおすすめですよ。
招福&厄払いに活躍しそうな
和菓子ガイド帖としても、ぜひ、御活用を~♪