テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ たとえ《じゃないほう》だとしても ~

2023-02-22 21:55:27 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス! 

 にゃァ~にゃァ~にゃァ~♪」

「がるる!ぐるるがるる~!」(←訳:虎です!今日は猫の日~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 日本全国のニャンコたちよ、

 今日2月22日はおやつのおかわりOKだぞ!

 猫又になっちゃうほど長生きして健やかに!

 と、ニャンズにエールを送りながら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの文庫作品を、どうぞ~♪ 

  

 

 

    ―― 義経じゃないほうの源平合戦 ――

 

 

 著者は白蔵盈太(しろくら・えいた)さん、

 2022年12月に発行されました。

 題名の通り、物語の主人公は、

 頼朝さんの弟でありながら、

 “義経じゃない方“なんて言われてしまうこと度々の、

 源範頼(みなもとののりより)さん。

 

「かばどのォ~!」

「ぐるる!」(←訳:蒲冠者!)

 

 そうですね、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では

 『蒲殿(かばどの)』と呼ばれていた範頼さん、

 確かにちょっと、目立ちにくい存在ではありました。

 

 兄が、頼朝さん。

 弟が、義経さん。

 

 源氏の嫡流であり、

 東国に武家政権を打ち立てるようとする兄と、

 日本史上に名高い軍略家の弟に挟まれ、

 ただでさえ肩身が狭いのに、

 範頼さん、ハンデを背負っていたんです。

 

 お母さんの身分が、高くない――

 

 頼朝さんのお母さんは熱田神宮のお姫さまでしたし、

 義経さんのお母さんが京の都きっての美少女で

 中宮・九条院に仕えていたのに比べると、

 一段も二段も見劣りしてしまう……。

 

「きにしないでッ、かばどのッ!」

「がるぐるる!」(←訳:精進しよう!)

 

 そうは思っても、やっぱり、ねえ……。

 挙兵した頼朝さんのもとに駆けつけたのも、

 兄弟のうちでいちばん最後……

 その言い訳をしようにも

 厳しい顔付の兄を前に緊張して、

 いい言葉が出てこない……

 ああ、こんなところに来るんじゃなかった……

 

 と冷や汗をかきまくる範頼さんですが。

 

 才能がないワケではない、んです。

 

「れいせいィでス!」

「ぐるるる!」(←訳:考えます!)

 

 《政》の天才・頼朝さんと

 《軍》の天才・義経さんの間で、

 自分にはあんなスゴイこと思いつかないよなぁと

 引け目を覚えたり感心したりしながら、

 範頼さんは探ります。

 

 凡人な自分に出来ること。

 自分だからこそ出来得ること。

 

 細く険しいその道を辿る範頼さんは、

 “義経じゃないほう“の立場に敢えて甘んじ、

 平家との闘い――

 国の未来を、

 武士たちの将来を左右する

 一大合戦へ突き進み、

 いえ、巻き込まれてゆきます。

 

 はたして、

 蒲殿こと範頼さんの運命は……?

 

「じゃないほうゥ、でもォいいんでスゥ!」

「がるぐるる~!」(←訳:生き延びて~!)

 

 鎌倉を中心に、

 いままさに始まらんとしている、

 新たな時代。

 範頼さんの、

 源家の兄弟たちそれぞれの、生きる道は。

 

 『鎌倉殿の13人』ロスに陥っている方々に、

 昔から範頼さんのファンなんです!という歴史好きさんに、

 おすすめの一冊ですよ。

 私ネーさと同じく

 ドラマで蒲殿を演じた迫田孝也さんのファン諸氏も、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 

 

 

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