テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 金銀の、熟成の音色 ~

2023-02-14 22:03:29 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 はぴィ~ばれんたいんッ!」

「がるる!ぐるがるるるるる!」(←訳:虎です!皆でバレンタイン!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今日は聖なるバレンタインデー……

 世界中のあっちにもこっちにも

 平和な時間が贈られますように~!と願いつつ、

 さあ、読書タイムですよ。

 チョコレート片手に、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

   ―― ヴィンテージ・ピアニストの魅力 ――

 

 

 著者は青柳いづみこ(あおやぎ・いづみこ)さん、

 2022年9月に発行されました。

 《ヴィンテージ・ピアニスト》――

 意訳するなら《銀齢の演奏家》さん、でしょうか。

 

「ねんれいィ~なんてッ!」

「ぐるがるるるぐるるる!」(←訳:気にしなくていいのさ!)

 

 御本冒頭の文章

 『ひびのはいっていない骨董品』の中で、

 著者・青柳さんは↓こう記しています。

 

   亡き吉田秀和氏が

   ホロヴィッツを

   『ひびのはいった骨董品』

   と評したのは有名な話だが、

   ひびがはいるどころか

   バリバリの新品の完成度に

   『骨董品』の味わいを加えた弾き手が

   たくさんいることに驚かされる。

 

 そう、つまりは。

 年を重ねたから引退しなくちゃ、

 なんてことは、ない!

 還暦? まだ序の口!

 八十代後半、いや、九十代にさしかかっても

 かくしゃくたる演奏を続けるピアニストさんは、

 大勢いる、んです。

 

「たいりょくゥ、よりもォ~」

「がるる!」(←訳:表現力!)

 

 青柳さんはこの御本で

 《ヴィンテージ・ピアニスト》さんたちを称賛し、

 また一方で、

 なぜ彼らは演奏をつづけるのか?

 なぜ至高であり続けられるのか?

 と問いかけます。

 

 リストさんは

 36歳で演奏活動から引退していて、

 それはちょうど

 スポーツ選手が引退を考える年齢に近い訳で、

 ということは、

 筋肉や瞬発力が衰えてくるから?

 暗譜ができなくなるから?

 

「それがァ、ぜェ~んぜんッ!」

「ぐるがるるるる~!」(←訳:当て嵌まらない~!)

 

 《ヴィンテージ・ピアニスト》さんたちは答えます。

 現在がもっとも調子が良いと感じている、と。

 そして、

 若くしてデビューしたピアニストが

 60年、70年を超えて活動していけるかどうか、

 その決め手は何かというなら。

 

 音――

 単に美音というのではなく、

 その人の信条、美学、思想、人間性などが

 自ずから滲み出てくるような音。

 

 たったひとつの音でも

 人を泣かせることが出来る。

 そこまでの背景を持った音。

 

「うむむゥ~むゥ!」

「音かあ~…」

 

 各々唯一無二の《音》を持つ、

 海外の、

 日本国内の、

 《ヴィンテージ・ピアニスト》40人。

 

 著者・青柳さん御自身も登場する、

 隅々までピアノの音色に満ちた一冊は

 音楽好きな活字マニアさんにおすすめですよ。

 ピアニストさんによっては

 You Tubeに公式チャンネルをお持ちの方もいますから、

 演奏の動画を観賞しながら

 この御本を読んでみるのも楽しそうです。

 皆さま、お好みの方法で

 ぜひ、一読&一聴を♪

 

 

コメント
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