「こんにちわッ、テディちゃでス!
まつもとォせんせェいィ~ッ!」
「がるる!ぐるがるるぐる……」(←訳:虎です!ああ出発のベルが……)
こんにちは、ネーさです。
松本零士さんが旅立たれたというニュースに、涙……涙……
今頃は銀河鉄道の座席で
メーテルさんと朗らかに語り合っておられることを祈りしつつ、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの御本を、どうぞ~!
―― 文豪と怪奇 ――
著者は東雅夫(ひがし・まさお)さん、
2022年11月に発行されました。
雑誌『幽と怪』に連載された
《文豪たちの幽と怪》を書籍化した評論エッセイ集……
いえ、オバケ好き文豪さんへのラブコールと申しましょうか。
「みィ~んなァ、だいすきィ!」
「ぐるがるる!」(←訳:怖いお話が!)
この御本に登場する文豪さんは、
泉鏡花さん、
芥川龍之介さん、
夏目漱石さん、
小泉八雲さん、
小川未明さん、
岡本綺堂さん、
佐藤春夫さん、
林芙美子さん、
太宰治さん、
澁澤龍彦さん、
という、 近代・現代の日本文学に多大な影響を与えた
まさに文豪と呼ぶべき方々なのですが、
著者・東さんは作家さんたちの《怖い話嗜好》とともに
意外な事実やつながりをも明らかにしてくれます。
芥川龍之介さんは、大の泉鏡花さんファン!
定期試験中でも、
鏡花さんの新作が出たとあれば、
手に入れる!
徹夜で読んじゃう!
……試験の結果は散々なものだってけれど。
鏡花さんが『遠野物語』という書物を誉めている、
と聞き知ったなら、
発行部数がたった350部!な自費出版だろうと、
なんとかして手に入れる&読む!
「じょうねつゥてきィ!」
「がるるるぐるる!」(←訳:ほとんど推し活!)
芥川さんの弟子筋というべき
夏目漱石さんも、同好の士、ですねえ。
英国留学中に神経衰弱に陥った漱石さん、
帰国後、東京帝国大学の雑誌
『帝国文学』(1904年1月号)に発表したのは、
『マクベスの幽霊に就(つい)て』。
「ふわわァ~…またもォ、ゆうれいィ!」
「ぐるるがるるぐる!」(←訳:みんなオバケ好き!)
東京帝国大学で英文学の教師となった
ギリシア生まれのアイルランド人
ラフカディオ・ハーンさんこと
小泉八雲さんは、なんと、
少年時代に幽霊……いえ、生霊を目撃しています。
そして、
八雲さんを“ハーン先生“と呼んで慕ったのが、
童話作家として知られている
小川未明さん。
その未明さん、実は……
怪談作家である!と、
東さんは喝破しています。
そう! そうよね!
『赤い蝋燭と人魚』って、
童話というより怪談よね!
「むむむゥ~むッ!」
「がるるっる~!」(←訳:つながった~!)
あの作家さんとこの作家さんをつなぐ、
《怪奇》という糸。
次代へ、未来へ、と手渡されてゆく
糸の文様。
本文の最後に取り上げられている
澁澤龍彦さんと著者・東さんの出会いまでをつなぐ
近現代日本文学の《怖いモノ志向》秘話は、
怪談好き&文学史好きな方々に
ぜひのおすすめですよ。
北村紗希さんによる文豪さんたちを描いた挿絵も
本当に素晴らしいので、
どうか、お見逃しなく~!