「こんにちわッ、テディちゃでス!
うむむゥ~…もんだいさくゥ、なのでス!」
「がるる!ぐるるるる~??」(←訳:虎です!どうしよう~??)
こんにちは、ネーさです。
ええ、今回の読書タイムは悩みました……
これ、御紹介しちゃっていいのかしら? 過激すぎないかな?
と迷いに迷ったものの、
ここはえいやっ!と肚を括ることにして、
さあ、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 映画になった恐怖の実話 ――
編者は鉄人ノンフィクション編集部の皆さん、
2022年12月に発行されました。
『真相はそうだったのか!』と副題が付されています。
先ず申し上げておきたいのですが、
本文中に掲載されている写真には
“グロテスク“と言わざるを得ないものもありますので、
そういうのは駄目だわ、という方々は
遠慮なくこの御本をパスしちゃってくださいね。
けれども……そういったマイナス点があったとしても、
読後、考えずにはいられなくなるんです。
はたして《悪》とは、何なのか?
「かたちがァ、ないィ……!」
「ぐるるるがるぐる!」(←訳:見えないから怖い!)
収録されている『恐怖の実話』は、
いずれも有名な、ウィキペディアなどで知ることができる
犯罪事件の記録です。
そして、世を騒がせ、
人々の耳目を集めたために、
映画化もされ、興行的にヒットしたりもしたんですけれども。
映画の内容と、実際の事件は、
似ても似つかないものだった?
「ぼうぜんッじしつゥ、でス!」
「がるぐるる!」(←訳:啞然でした!)
分かりやすい例を挙げれば、
映画『悪魔の棲む家』でしょうか。
1979年制作、続編も多数製作されて、
2005年にはリメイク版も公開されているほど
人気が高いホラー映画作品です。
しかし。
実際にあった怪奇事件!という映画公開時の宣伝文句は、
真っ赤なウソ、だった?
怪現象の被害者が家を逃げ出したのは、
恐怖に耐えられなかった、
のではなく、
住宅ローンの支払いが困難になったから。
そもそも、映画の原作本を企画発案したのも、
事件に係わりのある人物。
さらには、
映画のヒットで、多額の印税が被害者ファミリーの口座に。
「めちゃくちゃッ、でスゥ!」
「ぐるるがるるるる~!」(←訳:映画と違いすぎる~!)
メチャクチャぶりはまだまだ続きます。
続編が次々と制作されて、
被害者ファミリーはいっそうの大金を手にしました。
ところが、その大金が家族を崩壊させます。
彼らにとって悪夢とは、
家がもたらしたものではなく、
自分たちが生み出したものだったのか――
思い出されるのは、
アガサ・クリスティーさんが作品の中で述べている
《悪に心をひらいてはなりません》
という言葉です。
悪を心に迎えいれてはならない。
悪は貴方を見逃さず、
貴方はきっと、悪に呑み込まれる。
結局、怪奇な事件の裏側にあるのは、
人間の、罪と悪であると。
「ゆだんッ、すまじィ……!」
「がるぐるる!」(←訳:悪は手強い!)
映画の持つ功罪にガッカリされられながらも、
ちょっとだけ、救いもあります。
『戦場のピアニスト』(2002年)で描かれた、
廃墟の中でピアニストのシュピルマンさんに出会い、
食料を与えてシュピルマンさんを助けたドイツ将校は、
実在した人物でした。
ドイツ陸軍のヴィルム・ホーゼンフェルト大尉は、
シュピルマンさんだけではなく、
多くのポーランド人、ユダヤ人を救った、といいます。
「うんうんッ、それッ!」
「ぐるるるるるがる~!」(←訳:そういうのがいい~!)
映画とは何か、
事実とは何か。
前述しましたように、
万人向けとは言えぬ御本ではありますが、
映画好きな方々は、
気が向いたら、手に取ってみてくださいね。