テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ フィルムの功罪 ~

2023-04-07 22:09:58 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 うむむゥ~…もんだいさくゥ、なのでス!」

「がるる!ぐるるるる~??」(←訳:虎です!どうしよう~??)

 

 こんにちは、ネーさです。

 ええ、今回の読書タイムは悩みました……

 これ、御紹介しちゃっていいのかしら? 過激すぎないかな?

 と迷いに迷ったものの、

 ここはえいやっ!と肚を括ることにして、

 さあ、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

       ―― 映画になった恐怖の実話 ――

 

 

 編者は鉄人ノンフィクション編集部の皆さん、

 2022年12月に発行されました。

 『真相はそうだったのか!』と副題が付されています。

 

 先ず申し上げておきたいのですが、

 本文中に掲載されている写真には

 “グロテスク“と言わざるを得ないものもありますので、

 そういうのは駄目だわ、という方々は

 遠慮なくこの御本をパスしちゃってくださいね。

 

 けれども……そういったマイナス点があったとしても、

 読後、考えずにはいられなくなるんです。

 

 はたして《悪》とは、何なのか?

 

「かたちがァ、ないィ……!」

「ぐるるるがるぐる!」(←訳:見えないから怖い!)

 

 収録されている『恐怖の実話』は、

 いずれも有名な、ウィキペディアなどで知ることができる

 犯罪事件の記録です。

 

 そして、世を騒がせ、

 人々の耳目を集めたために、

 映画化もされ、興行的にヒットしたりもしたんですけれども。

 

 映画の内容と、実際の事件は、

 似ても似つかないものだった?

 

「ぼうぜんッじしつゥ、でス!」

「がるぐるる!」(←訳:啞然でした!)

 

 分かりやすい例を挙げれば、

 映画『悪魔の棲む家』でしょうか。

 

 1979年制作、続編も多数製作されて、

 2005年にはリメイク版も公開されているほど

 人気が高いホラー映画作品です。

 

 しかし。

 実際にあった怪奇事件!という映画公開時の宣伝文句は、

 真っ赤なウソ、だった?

 

 怪現象の被害者が家を逃げ出したのは、

 恐怖に耐えられなかった、

 のではなく、

 住宅ローンの支払いが困難になったから。

 

 そもそも、映画の原作本を企画発案したのも、

 事件に係わりのある人物。

 

 さらには、

 映画のヒットで、多額の印税が被害者ファミリーの口座に。

 

「めちゃくちゃッ、でスゥ!」

「ぐるるがるるるる~!」(←訳:映画と違いすぎる~!)

 

 メチャクチャぶりはまだまだ続きます。

 

 続編が次々と制作されて、

 被害者ファミリーはいっそうの大金を手にしました。

 ところが、その大金が家族を崩壊させます。

 彼らにとって悪夢とは、

 家がもたらしたものではなく、

 自分たちが生み出したものだったのか――

 

 思い出されるのは、

 アガサ・クリスティーさんが作品の中で述べている

 《悪に心をひらいてはなりません》

 という言葉です。

 

 悪を心に迎えいれてはならない。

 悪は貴方を見逃さず、

 貴方はきっと、悪に呑み込まれる。

 

 結局、怪奇な事件の裏側にあるのは、

 人間の、罪と悪であると。

 

「ゆだんッ、すまじィ……!」

「がるぐるる!」(←訳:悪は手強い!)

 

 映画の持つ功罪にガッカリされられながらも、

 ちょっとだけ、救いもあります。

 

 『戦場のピアニスト』(2002年)で描かれた、

 廃墟の中でピアニストのシュピルマンさんに出会い、

 食料を与えてシュピルマンさんを助けたドイツ将校は、

 実在した人物でした。

 

 ドイツ陸軍のヴィルム・ホーゼンフェルト大尉は、

 シュピルマンさんだけではなく、

 多くのポーランド人、ユダヤ人を救った、といいます。

 

「うんうんッ、それッ!」

「ぐるるるるるがる~!」(←訳:そういうのがいい~!)

 

 映画とは何か、

 事実とは何か。

 

 前述しましたように、

 万人向けとは言えぬ御本ではありますが、

 映画好きな方々は、

 気が向いたら、手に取ってみてくださいね。

 

 

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