「こんにちわッ、テディちゃでス!
あッちもォ、こッちもォ~!」
「がるる!ぐるがるぐる!」(←訳:虎です!予約録画追加!)
こんにちは、ネーさです。
4月期の新ドラマの放送が次々と始まって、
あれもこれもと録画設定に忙しい毎日ですね。
今期のアタリはどれかなぁ?とTV番組表を眺めつつ、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 戦場のピアニスト ――
著者はロナルド・ハーウッドさん、
原著は2002年に、画像の日本語版は2003年2月に発行されました。
英語原題は『THE PIANIST』、
映画『戦場のピアニスト』の原作……というよりも、
脚本、に近い作品です。
「ネーさッ、はまッてまスゥ!」
「ぐるるがるぐるる!」(←訳:なぜかあの映画に!)
ええ、なぜか『戦場のピアニスト』にハマってしまって、
先日は、
『《戦場のピアニスト》を救ったドイツ国防軍将校:ヴィルム・ホーゼンフェルト』
をご紹介いたしました。
では原作も読んでみようかな、と手に取ったのが
この『THE PIANIST』なのですが、
前述しましたように、
“原作小説”ではありません。
表紙を開いて、
冒頭から80ページまでは、
映画に関する解説(プロダクションノート)、写真などが収録されています。
そして、
81~242ページに脚本、
巻末には
映画の脚本を手掛け、この『THE PIANIST』の著者である
ハーウッドさんへのインタビューもあって、全体に
”映画『戦場のピアニスト』を知るための一冊“
という印象です。
ところが。
おそらく、この御本の中で最もショッキングな、
読み手の心を抉るパートは、
脚本の部分でも、
ハーウッドさんへのインタビューでもありません。
39ページの、プロダクション・ノートの文章、
『ポランスキー自身の体験が生きた場面』、
これが途方もなく重い……。
「びッくりィしましたでスゥ!」
「がるるぐっるる??」(←訳:実体験だったの??)
映画の中で、
主人公シュピルマンさんが
収容所へ送られる家族からひとり引き離されるシーンは、
監督ポランスキーさんが実際に体験したものだった――
あの場面は、少年時代のポランスキーさんが、
ポーランドの古都クラクフのゲットーを脱出した際に
ドイツ兵に見つかったときの経験が
もとになっている、
というのです。
「えいがァなのにィ~」
「ぐるがぅるるぅる!」(←訳:ノンフィクション!)
監督のポランスキーさんもまた、
シュピルマンさんと同じくユダヤ人であり
戦争当時のポーランドに住んでいたのでした。
ワルシャワやクラクフ、
占領下にある他の多くの都市でも、
寸分たがわぬ悲劇が起きていたのだと、
私たちは改めて思い知らされます。
「たとえェいきのびてもォ~…」
「がるるるぐるるるるる……」苦しみは消えないんだ……
死地へ――
収容所へ連れ去られていった数万数十万数百万の人びとが、
その日、目にした現実。
戦争の狂気と、
狂気がもたらした惨たらしい傷痕の記録は、
息が苦しくなるほどです。
けれど、これが記憶のまま過ぎゆき、
決して繰り返されることのないようにと祈りながら、
どうか皆さま、
ぜひ、一読を。