「こんにちわッ、テディちゃでス!
もしかしてェ~そろそろッ?」
「がるる!ぐるるるる~!」(←訳:虎です!黄金週間だ~!)
こんにちは、ネーさです。
来週後半からはゴールデンウィーク、ですね。
休日は、旅行にショッピング、キャンプ、コンサート……
いやいや、GWはやっぱり読書だ!という方々のために、
さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 女王陛下の影法師 ――
著者は君塚直隆(きみづか・なおたか)さん、
単行本は2007年に、画像の文庫版は2023年2月に発行されました。
『秘書官から見た英国政治史』と副題が付されています。
そう、この御本の主役は、
王さまに非(あら)ず。
王さまの傍らに、
影法師のように控え、補佐をする
《秘書官》さんたちです。
「めだたないィけどォ~」
「ぐるるがるるる!」(←訳:重要な役どころ!)
王さまもしく女王さまが
“何をしても許される権力者“であっても許される時代は、
近代の到来とともに終わりを告げました。
立憲君主制に於ける王/女王の権力は
だいぶセーブされていて、
政府が王さまの言いなりになることはなくなり、
王さま×政府の二人三脚で
国家は健全に運営されて……
ゆくのが理想的なんですけど。
「むずかしィ~のでス!」
「がるるぐるるる!」(←訳:火花がバチバチ!)
そこで活躍するのが、
国王秘書官さんたち。
ときに意見を異にする、
王/女王さまと政府の間をつなぎ、
双方納得する落としどころを見つけたり、
説得したり、アレンジしたり、と
メッセンジャーであり潤滑油であって、
”国家”という船を円満に運航させる航海士のようなもの、
でしょうか。
この御本に登場するのは、
ジョージ三世(在位1760~1820)の時代から
現在のチャールズ三世までの、
英国王室に忠勤した秘書官さんたち。
彼らの”仕事ぶり“たるや、
ふう、なんというか、もう……!
「おつかれさまァ、なのでスゥ!」
「ぐるがるる!」(←訳:激務だよね!)
“その気”になれば、
権力は振るいたい放題!
私財だって貯め込み放題!
なんてことも出来ましょうに、
そうはならないのが、真の国王秘書官。
謹厳実直な君主のもとで国家の危機と闘い、
ナポレオンやヒトラーと闘い、
金融危機やテロ対策にも知恵を絞る彼らは、
一種の超エリートだとも言えましょう。
ただ、そんなエリートさんたちにも、
悲しいかな、
手に負えないものがあるんです。
それは――
バカな王さま。
「うむむむゥ~…なッとくゥ!」
「がるぐるぅるる……」(←訳:同情しちゃうよ……)
例を挙げれば、
エドワード八世。
あの、ウォリス・シンプソン夫人との
『王冠を賭けた恋』で知られる
エドワード八世に仕えた秘書官さんたちの、
苦労と受難の日々は、
本当に同情するしかありません。
《魅惑の王子(プリンス・チャーミング》
でいる間はいい、いや、よしとしよう、
とはいえ、この人物が王冠を戴いたら……
ちょっとマズい。
いやいや、猛烈にまずい!
そう悲観したのは、
秘書官さんたち、政治家さんたち、
それに、
王子の実の父である王さま・ジョージ五世自身も。
「ふわわァ~…」
「ぐるがるる~」(←訳:暗黒だよう~)
風雲急を告げる欧州情勢の中、
『王冠を賭けた恋』騒動と、
秘書官さんたちはどう対峙したか。
その後の未曾有の危機=世界大戦を、
どう乗り越えていったか。
王と国家を護るため、
次代へ、未来へと、
羅針盤を読み、舵輪を回してゆく
英国の国王秘書官さんたちの列伝を、
歴史好きな活字マニアさんは
ぜひ、一読してみてくださいね~♪