テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 王座を支える黒子たち ~

2023-04-21 22:02:27 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 もしかしてェ~そろそろッ?」

「がるる!ぐるるるる~!」(←訳:虎です!黄金週間だ~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 来週後半からはゴールデンウィーク、ですね。

 休日は、旅行にショッピング、キャンプ、コンサート……

 いやいや、GWはやっぱり読書だ!という方々のために、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

       ―― 女王陛下の影法師 ――

 

 

 著者は君塚直隆(きみづか・なおたか)さん、

 単行本は2007年に、画像の文庫版は2023年2月に発行されました。

 『秘書官から見た英国政治史』と副題が付されています。

 

 そう、この御本の主役は、

 王さまに非(あら)ず。

 

 王さまの傍らに、

 影法師のように控え、補佐をする

 《秘書官》さんたちです。

 

「めだたないィけどォ~」

「ぐるるがるるる!」(←訳:重要な役どころ!)

 

 王さまもしく女王さまが

 “何をしても許される権力者“であっても許される時代は、

 近代の到来とともに終わりを告げました。

 

 立憲君主制に於ける王/女王の権力は

 だいぶセーブされていて、

 政府が王さまの言いなりになることはなくなり、

 王さま×政府の二人三脚で

 国家は健全に運営されて……

 ゆくのが理想的なんですけど。

 

「むずかしィ~のでス!」

「がるるぐるるる!」(←訳:火花がバチバチ!)

 

 そこで活躍するのが、

 国王秘書官さんたち。

 

 ときに意見を異にする、

 王/女王さまと政府の間をつなぎ、

 双方納得する落としどころを見つけたり、

 説得したり、アレンジしたり、と

 メッセンジャーであり潤滑油であって、

 ”国家”という船を円満に運航させる航海士のようなもの、

 でしょうか。

 

 この御本に登場するのは、

 ジョージ三世(在位1760~1820)の時代から

 現在のチャールズ三世までの、

 英国王室に忠勤した秘書官さんたち。

 

 彼らの”仕事ぶり“たるや、

 ふう、なんというか、もう……!

 

「おつかれさまァ、なのでスゥ!」

「ぐるがるる!」(←訳:激務だよね!)

 

 “その気”になれば、

 権力は振るいたい放題!

 私財だって貯め込み放題!

 なんてことも出来ましょうに、

 そうはならないのが、真の国王秘書官。

 

 謹厳実直な君主のもとで国家の危機と闘い、

 ナポレオンやヒトラーと闘い、

 金融危機やテロ対策にも知恵を絞る彼らは、

 一種の超エリートだとも言えましょう。

 

 ただ、そんなエリートさんたちにも、

 悲しいかな、

 手に負えないものがあるんです。

 それは――

 

 バカな王さま。

 

「うむむむゥ~…なッとくゥ!」

「がるぐるぅるる……」(←訳:同情しちゃうよ……)

 

 例を挙げれば、

 エドワード八世。

 

 あの、ウォリス・シンプソン夫人との

 『王冠を賭けた恋』で知られる

 エドワード八世に仕えた秘書官さんたちの、

 苦労と受難の日々は、

 本当に同情するしかありません。

 

 《魅惑の王子(プリンス・チャーミング》

 でいる間はいい、いや、よしとしよう、

 とはいえ、この人物が王冠を戴いたら……

 ちょっとマズい。

 いやいや、猛烈にまずい!

 

 そう悲観したのは、

 秘書官さんたち、政治家さんたち、

 それに、

 王子の実の父である王さま・ジョージ五世自身も。

 

「ふわわァ~…」

「ぐるがるる~」(←訳:暗黒だよう~)

 

 風雲急を告げる欧州情勢の中、

 『王冠を賭けた恋』騒動と、

 秘書官さんたちはどう対峙したか。

 その後の未曾有の危機=世界大戦を、

 どう乗り越えていったか。

 

 王と国家を護るため、

 次代へ、未来へと、

 羅針盤を読み、舵輪を回してゆく

 英国の国王秘書官さんたちの列伝を、

 歴史好きな活字マニアさんは

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

 

 

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