テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

いざ、月の彼方へ。

2009-10-01 23:08:52 | ブックス
 10月です! ハロウィン月です! こんにちは、ネーさです。

「こんにちわゥ、テディちゃでスゥ~♪
 おつきみィもォ、ありまスよッ♪」

 そうですね、夜空を見上げてみれば……おや?
 雲間にはお月さまだけではなく、お星さまも!
 というわけで、本日は月よりも彼方の、
 《宇宙》をテーマとした御本を、どうぞ~!


 
              ―― SF英雄群像 ――


 
 著者は野田昌宏さん、1979年に発行されました。
 日本のSF愛好家さんにとってはバイブル、
 いえ、日本の近代SF文学史上の金字塔!と御紹介しても
 何処からもお叱りを受けない名著がこちら!です。

「えすえふゥ!
 くうそうがかくゥしょうせつゥでスねッ」

 SFがもっともSFらしかった時代――
 それはいつの時代でしょう?
 野田さんに言わせれば、それは20世紀前半の米国……
 《ダイム・ノベル》と呼ばれた、
 10セント貨幣1枚で買える大衆雑誌がきっかけでした。

 《ダイム・ノベル》は、やがて《パルプ・マガジン》へと形を変え、
 掲載される作品の中には、
 宇宙を舞台にした物語が続々と登場し始めます。
 
 太陽系を軽々と横断するロケット!
 最新の科学知識を武器に 
 異世界の怪物と闘い、
 宇宙征服をたくらむ悪人を退治する英雄たち!
 マガジンの表紙には、もちろん!
 きわど~い衣装の美女さんたちが!

「うきゃッ!
 みごとなァ、ぷろぽーしょんッ!」

 あまたのSF英雄さんが割拠する《パルプ》の世界で、
 最も有名な、
 そして絶大な人気を誇ったのが、
 いえ、現在でも熱烈なファンさん多数が存在している作品といえば
 『キャプテン・フューチャー』。
 
 若き天才科学者『キャプテン・フューチャー』こと、
 カーティス・ニュートンさん。
 身体はなくて脳だけ!で生きているサイモン・ライトさん。
 プラスチック製アンドロイドのオットーくんに、
 鋼鉄製ロボットのグラッグくん。
 彼ら『フューチャーメン』は
 宇宙船コメット号を操り、
 太陽系を危機に陥れる陰謀や悪漢と対決します!

「うむうむッ!
 ふゅーちゃーめんのォ、おはなしはァ、
 テディちゃもォうわさにィきいてるのでスゥ!」

 21世紀の視点からは、
 えっ?これはないんじゃない?
 このエンジンでほんとにロケット飛ぶの?
 と言いたくなってしまう、
 しかし、昴よりもまぶしい輝きを放つ
 『英雄』たちと星々の海。

 レトロ、かもしれません。
 時代遅れ、と笑う人もいるでしょうか。
 それでも、いまなお消しようのない魅力をたたえる
 SF創成期の作品を論じるこの御本、
 読んだことないわ~という御方は、ぜひ!
 野田さんの解説に接すれば、
 ほ~ら、貴方も必ず……

「えすえふをォ、よみたくなるゥ!でスよッ」
コメント
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