テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

遠~い異国の。

2009-10-11 23:10:16 | ブックス
 金木犀が咲き誇る東京・多摩地方から、こんにちは、ネーさです。
 良い香りに、一年中咲いてくれないかな~と思ってしまいました。

「こんにちわゥ、テディちゃでスゥ!
 ぴんくいろのォ、きんもくせいッ、ほしいィでス!」

 ピンク色は無理だと……いえ、ちょっと待って?
 この世界では無理なことも、別の世界では可能かもしれませんね?
 たとえば、それは……この御本の中の世界なら?


 
             ―― イオニアの風 ――



 著者は光原百合さん、’09年8月に発行されました。
 イオニア、という題名からもお分かりでしょうか、
 物語のモチーフになっているのはギリシャ神話です。
 
「ふァ~、ぎりしァ~?
 とおいィでスねェ~」

 場所的にも、時間的にも、物語の舞台はとてもとても遠方です。
 だってほら、トロイア戦争が始まっちゃったところですもの!
 王妃ヘレネをパリスがさらい、
 スパルタとトロイアの間で戦争が!

「ひィッ! こわいィ!
 ……あれッ? そのおはなしィ、
 テディちゃ、えいがでェみたようなァ……??」

 ええ、そうですね。
 トロイア戦争のお話は、数多くの文芸作品、
 戯曲や映画に描かれてきた有名な神話です。

 著者の光原さんは、新たな角度から神話世界を語ります。
 ヘクトルやパリス、
 アガメムノンやメネラオスは……ささっとスルー。
 
「えッ? ゆうめいじんッなのにィ~」

 主役を張るのは、
 テレマコスという青年です。

 神話世界では有名……とは言えないテレマコスくんですが、
 彼の御父上はスーパースター級の有名人、なんですね。
 オデュッセウスさんて、テディちゃ、ご存知?

「むゥ!
 しッてまスよゥ!
 え~とォ、すんごォくゥ、あたまのォいいひとォでスゥ!」

 知恵者、軍師、策士、黄金の舌の持ち主、として
 テディちゃにさえ知られる大スター、オデュッセウスさん。
 そんな御方をパパに持ったテレマコスくんの心情は……
 複雑です。

 偉大なるパパ、いえ、偉大すぎる父王を超えたい!
 テレマコスくん的立場にある青年さんには
 心当たりもおありでしょう。
 父を超えたい――テレマコスくんの密かな願いは、
 或る少女の形を取って現実のものとなりました。

 パイアキアの王女、ナウシカア。
 彼女を守り、世界を破滅から救わなければ!

「なうしかあァ?
 わおおおッ!」

 神話をモチーフとした冒険ファンタジーには
 どこか『神々の黄昏』を思わせる色彩も……?
 奥深さとともにまた、元気なハリウッド映画調の展開も……?

 ギリシャ神話の有名人さん&神さまがたが全編に登場し、
 歴史小説の風格も感じられます。
 歴史ものが好きな御方に、
 ファンタジー好きな御方に、
 おすすめの一冊です!
 
「あにめすきなァおかたもォ、ぜひィ~♪でスッ」
 
 
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大漁クマ?

2009-10-10 22:45:37 | くま
「たいりょうゥでスッ! れんきゅゥでスゥ!
 こんにちわッ、テディちゃでスゥ~♪」

 こんにちは、ネーさです。
 う~ん、どうしましょう、このクマの山……。

「むひぴッ♪
 りらくまちゃんがァ、いッぱいィでスよッ♪」

 ローソンでリラックマフェアが開催中であることは以前にお報せしましたが
 ……第2弾開始!
 と全国にノロシが上がったもようです。
 対象商品のお菓子2個購入ごとに
 《リラックマミニBOX》を1個プレゼント!……ですって。

「それがァ、これでスッ!」

 画像に納まりきれませんでしたが、
 ミニBOXはブルー・アイヴォリー・ピンクの全3種です。
 ハロウィンの絵柄がかわゆいですね。
 画像右上部分にありますのは
 対象商品である数量限定の
 『ブルボン』さんの《リラックマ ミニビットカスタードプリン》と
 《リラックマ ちょこづつみキャラメルプリン》、
 カスタード味のお菓子大好き~♪という御方には
 とっても嬉しいチョコレートお菓子です。

「ぷりんあじィ、だいかんげいィでス!
 いただきまァ~スッ!
 もぐぐッ! ぱくくッ! うむッ!
 あまいィけどォ、おいしィッ♪」

 ミニBOXについては、
 早くも品切れになっているお店が多いようですけれど、
 根気よく探せば、まだある……かもしれません。
 クマファンは奮起されたし!

「えいえいおォ~ッ!
 もぐもぐッ♪」

 でもぉ、せっかくの連休なんですもの、
 お店をハシゴしてのクマ探しよりも、
 もっと楽しいレジャーが他にありそうな……

「むッ?
 おいしィくまさがしィがァ、いッちばんでスよゥ!」
  
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~ 和甘味グルメ旅 ~

2009-10-09 23:11:55 | ブックス
 (……『次は~京都~京都~京都に停車いたします~』……)

 んっ?
 はっ、いけない!眠り込んで、危うく乗り過ごすところだったわ!
 テディちゃ、降りる支度をしてちょうだい!
 次は、私たちの目的地、京都ですよ!

「ふァ? ネーさ、なにィをォ、ねぼけてるのでスかァ?
 ここはァ、とうきょうとないィでスよゥ!」

 えーと、バッグに、新幹線のチケットに……おお、ガイドブックも
 忘れちゃいけませんね!
 特に注目したいのが、はい、こちらです! どうぞ~!



           ―― 京都とっておき和菓子散歩 ――


 
 写真と文は泉美咲月さん、監修は宮澤やすみさん、
 ’09年5月に発行されました。
 京都の名所と名和菓子の写真たっぷり、
 食いしん坊さんのための旅ガイド本です。
 さあ、到着したらどのお店へ行きましょうか、
 今から予習しておかなくちゃ♪

「ネーさッてばァ、もうゥ~!
 ここはァ、とうきょうのォ、はちおうじィなのでスよゥ~」

 あのね、テディちゃ、
 京都観光のハイシーズンといえば、
 なんとっても桜!の3月&4月か、
 錦秋比類なき10月&11月、
 つまり春と秋なんですよ。
 いまは10月、トップシーズン!
 ホテル代は高騰するし、人気のお店は混雑するし、
 ですから下調べは入念にしておきましょうね。
 
 この御本で紹介されている和菓子屋さんは
 京の町とともに長い歴史を刻んできた
 寺社門前の甘味屋さん、
 町中にお店を持って茶人さんに引き立てられてきた上菓子屋さん、
 庶民さんに愛されるお餅屋さん、とバラエティ豊かです。

「うわァ~♪
 おいしそゥ♪……ッてェ、だからァ!
 ねぼけてちゃだめェでスよゥ!」

 神馬堂さんの『やきもち』、
 北野天満宮に近い粟餅所澤屋さんの『粟餅』、
 京菓子司柏屋光貞さんの『おゝきに』、
 京菓子司富英堂さんの『酒まんじゅう』、
 出町ふたばさんの『名代豆餅』……

「あッ! まめのォおもちィはァ、テディちゃもしッてるゥでス!
 ……むッ?」(←つい乗ってしまいました……)

 お土産に適した和のお菓子、雑貨、
 町屋を改造した長期ステイ向けのホテルも掲載されています。
 すばらしい京都滞在を約束してくれるこの御本を
 列車の座席に忘れたりしないようにね!
 
 おお、御覧なさい、テディちゃ!
 台風の強風が空気中の塵を追い払ってくれたのかしら、
 比叡のお山の、
 稜線にそびえる木々の形もはっきりと見えますよ!
 
「ネーさッ、あれはァ、たかおざんでスよゥッ!」

 あちらに見ゆるは愛宕のお山ね!

「あれはァ、たんざわのォ、おやまァでスッ!」

 今秋、京都甘味グルメツアーを予定しておられる方々に、
 いっちばんおすすめ!の一冊です。
 旅のおともに、ぜひ!

「ぷふァ~~ッ……」(←疲労困憊、です……) 
  
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こころより。

2009-10-08 22:49:17 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。

「こんにちわゥ、テディちゃでスゥ」

 既にご存知の御方もおられるでしょうが、
 10月1日、
 富士丸くんが亡くなりました。

  日本一のブログ犬、富士丸くん。
  一目見たら忘れられない風貌の、
  こころ優しいワンコ、富士丸くん。

 拙ブログでは、富士丸くんと『とうちゃん』こと穴澤賢さんの御作を
 御紹介したことがあります。
 8月に発行された『富士丸 お出かけ日和』も
 いずれ御紹介したい、
 穴澤さんの手描きPOPを本屋さんで拝見したことを
 お喋りしたい、と考えておりました。
 そして、いつか富士丸くんに会えたら、とも。

 あまりにも悲しい、急な別れに、言葉をなくします。

 時間が経つにつれ、喪失感が増すばかりです。

 
 富士丸くんには、こうせねばならぬ理由があったんだ、

 こうするより他になかったのだ、


 そう思おうとしても、
 涙が溢れます。

 穴澤さんの文章を何度も読み、その度、
 信じられない、信じたくない、嘘であってほしい、と願います。
 いまにも、
 富士丸くんが『富士丸な日々』に帰ってくるような気がして。

 ありがとう、富士丸くん。
 ありがとうございます、とうちゃんさん。

 
 心より、富士丸くんのご冥福をお祈りいたします。


「ふじまるくんッ、ほんとうにィありがとゥ!」


 
 ―― 富士丸くんと穴澤賢さんの著作リスト ――
 『富士丸 お出かけ日和』’09年8月刊
 『富士丸な日々 ~明日は天気か?~』’08年3月刊
 『富士丸のモフモフ健康相談室 犬とボクらのしあわせ探し』’08年3月刊
 『ひとりと一匹 富士丸と俺のしあわせの距離』’07年2月刊
 『ひとりと一匹 文庫版』’07年11月刊
 『富士丸な日々 DVD版』’07年刊
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お江戸小公女(小公子?)ストーリー!

2009-10-07 23:01:47 | ブックス
「むんッ! むむむんッ!
 たいふゥよッ、あッちいけェ! こッちくるなァ!」

 えー、おてんとさまに念を送り中のテディちゃと、
 ビビリを隠せないネーさです、こんにちは。
 皆さま、お気をつけてくださいね!

「むむゥ~んッ! あッちにいッちゃえェ!」

 では、台風払い&厄払いの気持ちもこめて、
 本日もめげずに読書タイム!と参りましょう。こちらを、どうぞ~!



             ―― はむ・はたる ――


 
 著者は西條奈加さん、’09年8月に発行されました。
 前回の記事で御紹介しました『烏金』の、続編にあたる作品です。

「ふむふむッ!
 おえどのォ、おはなしィでスねッ」

 『烏金』の主人公は、浅吉さん――
 金貸しのお吟さんを手伝う青年でしたが、
 この御本で主人公の座を担うのは、
 勝平(かっぺい)くん、テンくん、三治くん、登美ちゃん、
 ハチくんに花ちゃん……といった子どもたちです。

「えッ? こどもたちィ?
 おとうさんやァ、おかあさんじゃなくてェ?」

 彼らに、両親はないのです。
 ものごころつかない頃にかどわかされ、
 或いは人買いに売られ、
 ひどい目に遭ってきました……
 人買いの手から逃れはしても、帰る家もなく、
 勝平くんを中心に、かっぱらいをしたり、
 スリをしたりでどうにか食べつないできた彼らを説得し、
 まともな生活に引き戻そうとしたのが、浅吉さん、だったのです。

 浅吉さん、金貸しのお吟さん、
 お吟さんを通じて知り合った武家の長谷部(はせべ)さまの助けを得、
 勝平くんたちは長屋を借りました!
 稲荷鮨を売り歩く、という真っ当な職を見つけました!
 長谷部の家のおばあさまは怖いけれど、
 帰る家がある、
 家には食べるものもあって、
 仲間=家族も待っていてくれるのだということは、
 なんと幸せなことでしょう……

「ふァいッ!
 よかッたでスねッ♪」

 しかし、そんな彼らに災難が降りかかります。
 同じ長屋に住む男の子が、いなくなった……?
 日頃からその子と口喧嘩が絶えなかった勝平くんと玄太(げんた)くん、
 疑いをかけられ、番屋にしょっぴかれてしまいました。

「ええェッ!ひどいィ!
 ぬれぎぬゥでスよゥ!」

 長谷部のおばあさまの尽力もあり、放免された勝平くんたち、
 いなくなった男の子の捜索を始めます。
 癪にさわるけど、
 このまんまじゃ俺たちにかけられた疑いは晴れないし、
 ……俺たちみたいに人買いにさらわれたんだとしたら、
 あいつが可哀相だもんなぁ。

「ははァ!
 たんていィでスねッ!
 べいかー・すとりーと・いれぎゅらーずゥみたいィでスよッ!」

 ディケンズさんが描いた大都市ロンドンをさまよう少年たちのように、
 お江戸の町で勝平くんたちは手掛かりを探し、
 やっとヒントをつかみます、が……。

「くもゆきィ、あやしッ!」

 『烏金』はミステリアスな御話、と言えましたが、
 この御本では、物語ははっきりとミステリの要素が強まりました。
 さあさ、右や左の旦那さまがた奥さまがた、
 お江戸版イレギュラーズたちの首尾をごろうじろ!
 みなしごたちの、意気や天晴れ!

「よッ、せんりょうやくしゃ~ッ!」
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お江戸のプチマネーウォーズ?

2009-10-06 23:01:16 | ブックス
 秋晴れはどこに行っちゃったの~!と叫びたくなる東京・多摩地方から、
 こんにちは、ネーさです。

「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 あめにはァ、あきちゃッたでスよッ」

 台風の被害がどこにも出ませんように……と祈りつつ、
 本日も読書タイムの始まり始まり~です!
 さあ、こちらを、どうぞ~!


 
               ―― 烏金 ――


 
 著者は西條奈加さん、’07年7月に発行されました。
 フジモトマサルさんによる表紙装画には、中央に小判がどーん!と。

「きんぴかッ!
 こばんがァ、ざッくざくゥなおはなしィ、でスねッ♪」

 いえ、それが……
 思うがままに大判小判を遣い倒す、なんて大金持ちさんは、
 題名の『烏金(からすがね)』とは縁がありません。

 『烏金』とは、失礼ながら本文を引用させていただきますと、

  《明烏のカァで借り、夕方のカァで返す》

 そんな超短期のお金の貸し借りのことなのです。
 朝方に借りたお金で品物を仕入れ、
 夕方に、一日の売り上げの中からお金と、
 一日分の利息をつけて返済する、といったシステムですね。

「ふわァ~、いそがしィでス!」

 忙しい、つまりは切羽詰まった状況下で
 お金を借りねばならないのは大商人ではなく、
 庶民さんたち。
 苦しい一日をなんとかしのぐために
 『烏金』を貸し出す『金貸しのお吟』さんを訪ねます。

 おや、しかし……あれは誰でしょう?
 見慣れぬお若い方が、お吟さんを手伝っているようですよ?

「むむッ?
 しんじんさんッ、かなァ?」

 彼の名は、浅吉さん。
 お吟さんの新しい使用人さんと見えますが……
 どうにもヘンテコ、ですねえ?
 
 金を返せ!と、声を荒げるでもなく、
 脅しをかけるのでもなく、
 むしろ、借金の整理や清算、返済するための知恵を授けたり、と
 まったく金貸しの手先らしくありません。

 浅吉さんには、何か心に秘めたものがあるのでしょうか……?

「みすてりあすゥ、でスねッ」

 ミステリアスだけれど、
 舞台はお江戸の時代なんですけど、
 岡っ引さん、同心さんや与力さんたち町役人さんが活躍する
 捕物帖とは一味違う、
 地に足がついた、
 でもどこかファンタジックな時代小説です。

 浅吉さんの目的は?
 『烏金』を命綱とするお江戸の庶民さんの明日は?

 時代もの好きな御方、
 ミステリ好きな御方に、
 おすすめしたい一冊です。
 ぜひ~!

「おえどのォしたまちにィ、
 ぴゅぴゅ~ッとォ、しょーととりッぷゥ!」
  
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映画なら、この御方に。

2009-10-05 21:59:12 | ブックス
 某TV番組に影響され、マグネット同好会八王子支部を作ろうかしらっ?
 と考えているネーさです、こんにちは~。

「こんにちわッ、テディちゃもォ、まぐねッとォ、ほしィかもッ♪
 むひひッ♪」

 さあ、本日ご紹介いたしますのは……ジャンルとしては、
 エッセイ、でしょうか。
 映画好きさん&映像好きさんは必読!のこちらを、どうぞ~!


 
        ―― 映画×東京 とっておき雑学ノート ――



 著者は小林信彦さん、08年4月に発行されました。
 副題に『本音を申せば』とあります。

 『本音を申せば』とは、『週刊文春』の読者の方々にはお分かりですね?
 実はネーさ、毎週『文春』さんをチェックしておりますが、
 真っ先に読むのは……はい、そうです!
 小林さんのコラム『本音を申せば』のページなのです!

 巻頭のグラビア、
 政治経済界のスキャンダルもすっ飛ばし、
 『本音を申せば』の頁へたったかた~と走るのが
 木曜日の恒例行事!

「えェ~? 
 テディちゃ、ぐらびあァ、とばしたくゥないィでスゥ~」

 旬の女優さんやタレントさんのお写真よりも
 小林さんの文章は貴重なんですよ、テディちゃ。
 よく《このひとにしか書けない》と言い表しますけれど、
 『本音を申せば』は、まさにそれ!
 
 この、ものの見方、斬り取り方、感じ方は、
 他の作家さんには出来ないなあ……と常に感服させられます。

 「むむゥ~、はくしきのォ、おひとッ、なのでスねッ」

 小林さんの博識ぶりは、
 特に映画&映像の分野に於いて、縦横に発揮されます。
 
 現在は古典とされている映画作品が、
 公開当時はどのような評価をされていたか?
 あの若いアイドルさんの主演作はもっとヒットしてもいい、
 この作品をメディアが評価しないのはおかしい、
 いま話題のあの作品の元ネタは全然有名でないこの旧作だ――
 そしてまた、
 監督さんの事情、役者さんの事情、
 映画会社の、配給や広報をする会社の事情――
 一般の観客さんにはうかがい知れぬ裏側も、
 小林さんにはお見通し、なんです。

「おやぶんさんッ、とォよばせてェくださいィ!」

 ご家族のこと、
 江戸川乱歩さんのこと、
 記録/記憶から薄れつつある戦後のできごと、
 東京の町の遷り変わりも、
 率直に、想いのままに描かれるエッセイ集、
 私も毎週『文春』を読んでるわよ!という御方も、
 一冊にまとまった『本音』をぜひ!

「とうきょうをォかかかせたらァ、
 こばやしさんがァ、ちゃんぴおんッ!でスねッ♪」

 小林さんの最新刊は……『黒澤明という時代』!
 こちらも、読まねば!な一冊です。
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季節のかぼちゃチロル。

2009-10-04 22:51:53 | ショコラ
 おお! 夜空にきれいなお月さまが!
 一日遅れでも、お月見って良いですね♪ こんにちは、ネーさです。

「こんにちわゥ、テディちゃでスゥ!
 つきよりィ、だんごッ! れッつごォ~!」

 はいはい、分かりました、休日恒例のおやつタイム、
 本日はハロウィン企画もののチビショコラ、
 『チロルチョコ』さんの《スウィートハロウィ-ン》を
 いただきましょう。

「いただきまァ……わッ? できゃッ?!?
 これがァちょこッ??」

 チロルチョコを巨大化したようなパッケージの中に、
 スウィートハロウィーン仕様のチョコレートが入っているんですよ。
 お味は『ミルク』『コーヒーヌガー』『アーモンド』
 そして、季節モノの『パンプキンタルト しょうゆ風味』の、
 4種類のチョコレートが計18個♪
 
「むぷぱッ! かぼちゃッ、すきィ~!
 いただきまァ~スゥ! ぱくッ!」

 ネーさもパンプキンタルトのチョコを、いただきまーす!
 もぐっ! ……んー、と?

「もぐぐゥ……むゥッ?」

 これは……微妙なお味ですねえ?
 パンプキンパイ風のチョコレートは美味しい!のですけれど、
 しょうゆ風味のトロリとしたソースとの相性は……
 どうかしら、好みが分かれるところ、かもしれません。
 キャラメルソースの方が、かぼちゃショコラには合うのかも……?

「むずかしィところでスねッ、もぐぐッ、ぱくッ
 でもォ、ネーさ、
 これはァ、えんぎものォ、なのでスよゥ!」

 縁起物……?
 なるほど、そう言えばそうですね。
 可愛いパッケージや包み紙をネタにすれば、
 ハロウィンのパーティタイムは盛り上がることでしょう。

「でスねッ♪ もぐぐぐッ、ぱくくくッ♪」

 ……えー、テディちゃの辞書に『満腹』という項目はないようです。

「ふァいッ!」 
 
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プチホラーな『相談所』?

2009-10-03 23:11:32 | ブックス
 お月見だというのに、お月さまは……お月さまは……
 うう~む、雲の彼方をお散歩中らしゅうございますね。
 ちょっと残念なネーさです、こんにちは。

「こんにちわッ、テディちゃでスッ」

 お月さまは見えないけれど、
 カンのいい人には、ほ~ら、見えますか?
 暗がりから忍び寄る妖しきものの影が……?

「ひィッ! な、なんでスかッ、あれはッ!」

 さあ、御紹介いたしましょう!
 妖しき影の主さんの物語は、こちらで~す!


 
             ―― 花の道は嵐の道 ――



 著者は天野頌子さん、’09年4月に発行されました。
 副題に『タマの猫又相談所』とあります。

「むむうむむッ! ねこまたァ!」

 物語の語り手『タマ』さん、
 生年月日ははっきりいたしませんが、とても長生きの猫さんです。
 そう、猫又という妖怪になってしまうほどに。

 タマさんいわく。
 猫が20年生きると、尻尾が2本になり、
 言葉を話す妖怪になる、んだとか。

「ようかいとはァ、ゆだんならじィ!
 どんなァわるいことをォ、するのでスかッ?」

 いえ、特に何も。

「ふァ?? だッてェ、ようかいィ……」

 猫又のタマさん、目下の関心は
 現在住み着いている或るお家の、当主の孫息子さんにあります。
 高校一年生の、草薙理生(くさなぎ・みちお)くんは
 イマドキ珍しい気弱っ子ちゃん。
 高校では花道部に入ってね!
 と祖父の知人さんから説得され、
 溜め息しつつ花道部の部室を訪ねてみれば――

 茶道部にいらっしゃいな。
 美味しい高級和菓子を食べさせてあげるわよ♪

「えッ♪ おかしィ~♪」

 いきなりのルール違反な勧誘の犯人は、茶道部の部長さん。
 花道部と茶道部は、共同で和室を使っているんですね。
 でも、茶道部の部長の鈴木さんは、
 和室を独占すべく、花道部追い出しを画策しているのでした。

 花道部の新人部員となった3人組――
 理生くん、
 同じクラスの瀬川くん、
 もうひとりの一年生・工藤さんは、
 ふたつの部の争いの狭間で苦労が絶えません。
 特に、打たれ弱いのが理生くん。
 
 聞いて、タマ!
 どうしようタマ! 

 と泣きついてくる理生くんに、
 タマさんは、妖怪、いえ、年長者ならではのアドヴァイスを
 授けるのですが……。

「ははァ~、それでェ『そうだんじょ』なのでスねェ~」

 著者の天野さんは『警視庁幽霊係』シリーズで知られる
 ミステリ作家さんです。
 この御本は、ミステリとはちょっと違う、
 ゆる~いコミカルホラー、といったジャンルの御話でしょうか。
 
 理生くんの話を聞くたび、
 タマの猫ひげレーダーは近づく危険を察知し、
 ピクピクと揺れます。
 和室の覇権と、タマが予感する危険、
 ふたつはどこでどう交差するのでしょう……?

 猫又さんといえど、猫は猫。
 なので、猫大好きっ!な御方におすすめの楽しい一冊です。
 犬派さん、鳥派さん、爬虫類派さんも、ぜひ~!

「むぎょッ!
 はちゅうるいィそうだんじょはァ、こわいィでスよゥ~!」
 
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ちび鉄道に、旗をふれ!

2009-10-02 22:53:35 | ブックス
「みぎよォしッ! ひだりィよォしッ!
 しゅッぱつゥ、しんこうゥでスよッ!」

 いつになく張り切っているのは運転士・テディちゃ、
 そして車掌は、私ネーさでございます。こんにちは~!
 本日御紹介、いえ、ご案内いたしまするは、

「ぴぴィ~ッ! どあァ、しまりまスゥ!」

 はい、こちらを、いえいえ、こちらへ、どうぞ~!


 
             ―― 東京箱庭鉄道 ――



 著者は原宏一さん、’09年5月に発行されました。
 箱庭鉄道……鉄道好きさんには、もうググッと来てしまう題名ですね。

「おこりまス!
 てつどうがァ、でてこなかッたらァ、おこりィまスよゥ!」

 その点は大丈夫!
 題名と内容が一致しない御本もありますが、
 こちらは正真正銘、或る《鉄道》の物語、なのですから。

  《あなたの手腕で、鉄道を作っていただけませんか?》

 そう言われたら、さあ、どうしましょう?
 妹尾順平(せのお・じゅんぺい)さんは、大いに呆れ、怪しみ、
 しかし……心のどこかから声がするのを感じるのです。
 面白そうじゃないか!と。

 しかも!
 用意された資金は400億円ですって?!?
 
「よよよッ、よんひゃッ? あぷッ」(←舌を噛んでしまいました)

 嘘か?と思ったら、そうではない……?
 出資者さんは、さっそく妹尾さんに準備資金として
 1億円を提供しました。
 もとは広告代理店に勤めていた妹尾さん、決意を固めます。

 よし! やってやろうじゃないか!
 鉄道を、つくろう!
 この東京に!

「うむうむッ!
 よんひゃくおくえんあればァ、しんぱいィむようッ!」

 いえ、テディちゃ、それがそうも行かないのよ。
 妹尾さんが調べてみたところによるとね、
 東京の郊外に鉄道を敷設した場合、
 1キロあたりに要する費用は80億~100億円。
 リニア新幹線の場合は、1キロあたり172億円。
 東京都心部の地下鉄になると、もっとすごくて、
 都営大江戸線の場合は1キロあたり300億円もかかったそうです。

「い、いちきろさんびゃッあわわわわッ」(←失神寸前?)

 となると……400億円という巨額のお金があっても、
 いえ、400億円しかない、のですから、
 長大な鉄道は作れっこありません……
 出資者へのプレゼンテーションを控えて、
 妹尾さんは案を練ります。

 400億円の資金で可能なのは、全長4、5キロの、ミニ鉄道。
 それを、東京のどこに造るか?
 華やかでにぎやかな、新宿?
 多摩川に近い世田谷の田園?

「ふむゥ~、どッちもォ、よさそうゥでス!
 ちびでんしゃはァ、きゃわゆいィでスよゥ~♪」

 ところが。
 出資者さんは、GOサインを出してくれませんでした。

「えええェッ?
 なにがァ、たりないィのでスかッ???」

 妹尾さんも、同じように悩みます。
 何が足りないんだろう?
 出資者さんは、どんな鉄道を望んでいるんだ?
 
 悩みに悩んだ妹尾さんとスタッフさんたちが、
 ようやく答えをつかみ、大きな山を越えたと思ったとき、
 そこにはさらなる難題が――

「ううゥッ、てつどうはァ、やまありィ、たにありィ~……」

 マニア度の差はあれ、
 鉄道好きな御方なら一度は夢見る《自作》鉄道プロジェクト。
 こんな車両を、
 こんな路線で、
 作ってみたら、走らせてみたら――?
 
 妹尾さんたちのミステリアスな箱庭鉄道、
 行きつく先はどこなのでしょう。
 鉄道好きさん、必読!
 ミステリ好きさんにも、おすすめの一冊です!

「ちびてつどうゥッ、
 しゅッぱつゥいたしまスゥ~!」
 
コメント
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