テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

まじめな顔で、歴史!

2017-05-11 22:16:53 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 きょうからァはァ、じてんしゃッ?」
「がるる!ぐるがる!」(←訳:虎です!ジロだね!)

 こんにちは、ネーさです。
 ええ、ユーヴェのCL決勝進出が決まったので、
 ジロ・ディ・イタリア観戦にも本気を出さなくては。
 第100回を記念する今大会は、
 サルデーニャ→シチリア→今日11日からイタリア半島へ!
 初夏のイタリアの美しさに期待する一方で
 読書タイムも抜かりなく、
 本日はこちらの御本を、さあ、どうぞ~♪

  



        ―― 中世英国人の仕事と生活 ――



 著者はテリー・ジョーンズさん、アラン・エレイラさん、
 原著は2004年に、画像の日本語版は2017年3月に発行されました。
 英語原題は『Terry Jones' Medieval Lives』……
 と聞いて、あれ?と思った御方!
 そう、そこの貴方! わかってらっしゃいますわね!

「ふァ?? わきゃるゥ?」
「がるぐるるる?」(←訳:何を分かるの?)

 実はね、著者のテリー・ジョーンズさん、
 執筆家としてよりも、
 もっともっと有名な、“或る顔”を持っています。

 その“顔”とは……

 モンティ・パイソン!

「ええッ? ぱいそんずゥ!?!」
「ぐるがるるるるる!》(←訳:あのパイソンズの!)

 もともとね、
 英国のコメデイー・グループ《モンティ・パイソン》のメンバーさんたちは
 オックスフォードやケンブリッジ出身の頭脳優秀&明晰な方ばかりで、
 ジョーンズさんは《モンティ・パイソン》の制作においても
 歴史をパロディ化した作品で役を演じたり、
 監督したりもしていたんです。

「じゃあァ、このォごほんもォ?」
「がるるぅ?」(←訳:コメディ?)

 いーえ、コメディではありません。
 真面目で、真剣な、歴史書です。

 この御本が英国で出版されたのは、
 同名のTVシリーズがBBCで放送された2004年のことで、
 共著者のアラン・エレイラさんは
 TVやラジオの歴史番組のプロデューサーさんでもあって、
 つまり、著者のお二人ともが
 立派な“歴史の専門家”さんです。

「ふむふむゥ! ふたりィしてェ~」
「ぐるるがるるぐる!」(←訳:歴史の真実を暴く!)

 暴く、というと大袈裟なような気がしますけど、
 ジョーンズさん、それに近いことをやっています。

 私たちが持つ中世のイメージ――

 それは、本当に正しいのか?

「……そうゥいわれるゥとォ~…」
「がるぐる~…」(←訳:自信ない~…)

 まず、英国の中世を、
 イングランドがノルマン人に征服された1066年から
 ヘンリー八世がローマ教会と袂を分かち
 国内の修道院を解散させた1536年までの、
 470年間を、中世、と考える。

 その時代、
 農民は、吟遊詩人は、無法者は、修道士は、
 哲学者は、騎士は、乙女は、王は、
 何を考え、どんな生活を送っていたのか?

「ほんとのォ、くらしィはァ?」
「ぐるるるがるる!」(←訳:予想外の想像外!)

 例えば、乙女――
 中世のうら若きお姫さまたちは、
 どこかに閉じ込められていたり、
 呪いをかけられて行動を制限されていたり、
 無力で、弱い者、なイメージで
 文学や絵画に登場します、が。

 そんなのはおとぎ話だと
 ジョーンズさんは言います。

 実際の乙女たちは、
 行動力あり、決断力あり、
 恋愛にも積極的!

「もふふゥ! あんしんッしましたでス!」
「がるるぐるがるぐる!」(←訳:中世の人も人間です!)

 映画や小説で描かれてきた中世観を、
 真面目な顔をしながら
 すとん!と引っくり返す
 ジョーンズさんの“技あり!”な筆に
 モンティ・パイソン好きな方々は
 きっとニヤリ♪とさせられることでしょう。

 歴史好きさん&ノンフィクション作品好きな方々にも
 もちろんおすすめのこの御本、
 どうかぜひ、一読を~♪

 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

絵と文字を、古き書物で。

2017-05-10 22:08:59 | ミュゼ
「こんにちわァ、テディちゃでスー!
 きゃッほゥ! しょうりィ、しましたァ!!」
「がるる!ぐるるがるるー!」(←訳:虎です!決勝にGOだー!)

 こんにちはっ、ネーさですっ!
 ユヴェントスやりました!
 チャンピオンズリーグ準決勝を勝ち抜き、決勝へ!!
 選手の皆さんスタッフの皆さん、ありがとうー!
 こころ晴れ晴れな一日の締めくくりは、
 読書をスパっとサボることにして
 ↓こちらの展覧会情報を、さあ、どうぞ~♪
 
  



          ―― 挿絵本の楽しみ ――



 東京都世田谷区の静嘉堂文庫(せいかどうぶんこ)美術館にて、
 会期は2017年4月15日~5月28日(月曜休館)、
 『~響き合う文字と絵の世界~』と副題が付されています。

 読書をサボると申し上げましたけど、
 ええ、実際には、
 少なからず読書と縁がある企画展なんですね、こちらは。

「ふるゥ~いッ、ほんッ!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:アジアの本だね!)
 
  

 この展覧会では、
 中国の明・清時代(14世紀半ば~20世紀初め)、
 日本の江戸時代(17~19世紀半ば)
 に作られた本の中から、
 解説書・記録類・物語など
 多彩な挿絵本を選び、
 その時代背景とともに紹介してゆきます。

 展示は、大きく、

 Ⅰ《神仏をめぐる挿絵》
 Ⅱ《辞書・参考書をめぐる挿絵》
 Ⅲ《解説する挿絵》
 Ⅳ《記録する挿絵》
 Ⅴ《物語る挿絵》

 という五つのパートから構成されているんですが、
 今回は特別に――

「おおッ?」
「がるぅ!」

  

 渡辺崋山さんの『芸妓図』(江戸・天保9年/1838年)も
 公開されています!

 重要文化財であるこの作品が、
 いえ、渡辺崋山さんの作品が公開されるのは
 けっこう珍しいことなので、
 江戸アート好きな方々は
 チャンスを逃さないでくださいね。

「ほかにもォ、きちょうなァさくひんッ!」
「ぐるがるるる!」(←訳:多数なのです!)

 この週末の5月13日には講演会、
 5月20日と25日には列品解説も予定されています。
 美術館HPで詳細を御確認の上、
 皆さま、たのしいアート散歩へお出掛けを♪




    ではここで、オマケ画像も、どうぞ~♪
   
    『明治』さんの
    《THE Chocolate 深遠なる旨味 Matcha》は、
    カカオ58%の抹茶味タブレットチョコレートです。
    お酒がダメな私ネーさ、
    ユーヴェが勝っても祝杯をあげることは
    ちょっと無理なんですけれどもね、
    代わりに祝ショコラをパクリ!
   「あまさァ、ひかえめェ!」
   「がるるるぐるるる!」(←訳:抹茶味も奥床しく!)
    ショコラマニアさんに、おすすめです♪
    

    
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

奇跡に「NO」と。

2017-05-09 21:59:15 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでッス!
 むむむゥ! とくだいィげんきだまァ~!」
「がるる!ぐるるるがる!」(←訳:虎です!トリノへ届け!)
「えェいィやァ~ッ!!」

 こんにちは、ネーさです。
 さあ、またも来ました、決戦の日が!!
 チャンピオンズリーグ準決勝2ndレグ、
 我らがユヴェントスは、ここを勝利もしくは引分ければ
 決勝の大舞台へ進めます……
 必勝と吉報を全力で祈りつつの本日の読書タイムは、
 こちらの伝記作品を、どうぞ~♪

  



      ―― 僕は奇跡なんかじゃなかった ――



 著者はカール・レーブルさん、原著は2014年に、
 日本語版は2017年4月に発行されました。
 独語原題は『Ich war kein Wunder!』、
 『ヘルベルト・フォン・カラヤンその伝説と実像』と
 日本語副題が付されています。

「ふァいッ! テディちゃ、しッてまスゥ!
 ゆうめいィなァ、しきしゃさんッ!」
「ぐるるるるる!」(←訳:音楽史上の星!)

 そうね、20世紀に活躍した指揮者さんで
 最も有名な人物は?と問われたら、
 大勢の方が、カラヤンさんの名を挙げることでしょう。

 1908年、ザルツブルクに生まれ、1989年没……

 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、
 ウィーン国立歌劇場などの指揮者・芸術監督を務め、
 《帝王》と呼ばれた音楽家さん。

 御本の題名にある《奇跡》という言葉は、
 1938年、ベルリンの新聞に
 『奇跡のカラヤン』と題された批評が載り、
 以降、『奇跡の…』が枕詞のように
 カラヤンさんについてまわったことに由来しています。

「きせきィ、でスかァ~…」
「がるるるぅ~…」(←訳:重たいなぁ~…)

 『僕は奇跡なんかじゃなかった』――

 カラヤンさん御本人はこの表現にいつも反論していた、と
 著者・レーブルさんは御本の序文で記しています。

  奇跡に頼らず、
  奇跡を待たず、
  僕は僕の手で、素晴らしい音楽を創り上げてみせたのだから。

 そんな自負が、カラヤンさんの心にあったのでしょうか。

「じぶんのォちからをォ、しんじてェ?」
「ぐるるがるる!」(←訳:努力も信じて!)

 1962年、カラヤンさんとの2回目の会談を行ったことを機に、
 レーブルさんはカラヤンさんと親しくなりました。

  『あなたなら私の立場を粉飾せずに
   公にしてくれる』

 そうして信頼を得たレーブルさんが目にしたカラヤンさんの、
 《帝王》の生涯とは、どんなものだったのか。

「いろんなァ、でんせつゥ!」
「がる!」(←訳:噂話!)
「でもォ、ほんとうのォところはァ??」

 個人的には私ネーさ、
 歌手さんや演奏家さんとカラヤンさんの信頼関係を描いた章、
 演出家としてのカラヤンさんに言及した章を
 何度も読み返しました。

 カラヤンさんの真情が、
 オペラ歌手さんを評する言葉の節々に
 あたたかく流れている……かのようで。

「ひとがらァ、みえてくるかもッ?」
「ぐるがる!」(←訳:笑顔もね!)

 20世紀と、現代と。

 音楽の聴き方、音楽への接し方が
 あまりにも大きく変化しつつあるこの時代に敢えて、
 音楽の在り様を見較べれば、
 浮かび上がってくる模様とは。

 著者・レーブルさんの丁寧な筆が縁どる記録を、
 音楽好きな活字マニアさん、
 ぜひ、一読してみてくださいな♪

 
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

― 北の国で、握る絵筆 ―

2017-05-08 22:10:16 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 むきゅッ! はながァ、むずむずゥ?」
「がるる!ぐるぅるがる!」(←訳:虎です!クシャミ連発!)

 こんにちは、ネーさです。
 GWの疲れやら黄砂の飛来やらで、
 ボンヤリしがちな週の頭ですが、
 さあ、そんな時は読書でリフレッシュ!
 本日は、こちらのアートブックを、どうぞ~♪

  



  ―― ブリューゲルとネーデルランド絵画の変革者たち ――



 著者は幸福輝(こうふく・あきら)さん、2017年4月に発行されました。
 現在、東京都美術館にて
 『ブリューゲル《バベルの塔》展』が開催されているため、
 関連本が刊行されているのですけれど、
 この御本の“看板”も、
 はい、やっぱりブリューゲルさん!

「さいみつゥ、なのでス!」
「ぐるるがるるっる!」(←訳:描写がマニアック!)

 細かく、細かく、本当に細かく精密に描かれた、
 ブルーゲルさんの作品――

 御本の表紙になっている作品『雪の狩人』(1565)や、
 『バベルの塔』(来日中の作品は1568年頃制作したもの)他、
 描きに描き込んだ風景画は、
 ありそうでない、
 実在していそうで実在しない、
 ブリューゲルさんだけに見える《世界のはて》。

「いろんなァ、ことわざァ!」
「がるるるる!」(←訳:隠されてます!)

 御本の第Ⅰ部は、
 『ブリューゲルの世界』。

 生地不明、生年不明(1525?)な
 ピーテル・ブリューゲルさんの作品、
 作品に描かれた様々な暗喩(メタファー)、
 この御本ではボッスと表記されている
 ヒエロニムス・ボスさん(1450?~1516)との共通性などが
 図版とともに解説されています。

 そして第Ⅱ部は、
 『ブリューゲルとネーデルランド絵画』。

「わふゥ! きたかぜッ!」
「ぐるがーるっるる!」(←訳:北のヨーロッパだ!)

 そうですね、
 イタリアやフランス、スペインの絵画とは
 どうしたって光線が異なって、
 また、そこに暮らす人々の装いも
 異なるものがあります。

 ブリューゲルさん、ボッスさん、
 同時代のネーデルランドの画家さんたちの作品、
 どの画面からも、ひっそりと寒冷な
 北ヨーロッパの空気が封じ込まれているような。

「きおんがァ、ひんやりィ~…」
「がるるるぅ~…」(←訳:静かだなぁ~…)

 静謐な、北の国の絵画の中で、
 他を圧する存在感を放っている
 ブリューゲルさんとボッスさんの作品たち。

 日本でいえば、
 室町後期(戦国時代)に生きた画家さんは
 どんな生涯を送ったのか――

「まだまだァ、なぞォだらけッ?」
「ぐるるがるぐるるる!」(←訳:不明な点が多いんだ!)

 御本の巻末近くの
 『ふたりのブリューゲル』という解説では、
 ブリューゲルさんの後継者として、
 同じ名の長男ピーテルさん、
 次男のヤンさんの画業も紹介されています。

 偉大なる父の業績に
 兄ピーテルさんと弟ヤンさんは押し潰されて苦しみ……

 なぁんてことは、なくて。

 兄は父の作品を世に広めつつ名声を利用し、
 弟は静物画の傑作をものにしつつ
 大画家ルーベンスさんとの共同制作にも乗り出す!

「おおォ! たくましィ!」
「がるる!」(←訳:やるね!)

 意外に逞しい?ブリューゲル兄弟と、
 その父ピーテルさん。

 ブリューゲル一家が生きた時代のネーデルランドを、
 アート好きさん&活字マニアの皆さまも、
 ぜひ、覗いてみてくださいな♪
 
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~ 《裏》の主役を、炙り出せ ~

2017-05-07 22:08:43 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 ふゥ~…おわッちゃうゥ~のでスゥ~…」
「がるる!ぐるるがる~…」(←訳:虎です!さらば連休~…)

 こんにちは、ネーさです。
 終わってしまうのは悲しゅうございますが、
 なかなか悪くないGWでしたわ♪
 ムットーニさんの展覧会に行けたし、
 街でポニーちゃんに出逢ったし、
 ユヴェントスはCL準決勝で先勝できたし♪と
 楽しい思い出に浸りながら、
 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~!

  



       ―― 病気を描くシェイクスピア ――



 著者は堀田饒(ほった・にぎし)さん、2016年10月に発行されました。
 名古屋大学名誉教授である医学者の著者・堀田さんがチャレンジするのは、
 《病》という観点から
 劇聖シェイクスピアさんの作品分析する、という新機軸!
 これがね、めっぽう面白いんですよ~!

「びょうきィがッ??」
「ぐるるる?」(←訳:面白いの?)

 病気……というと、
 なんだか空気が暗くなりそうですけれど、
 読み始めてみると、そうでもありません。

 むしろ、章ごとに、
 そうだったのか!
 こういう意味が隠されていたのね!等々、
 発見の喜びが湧きあがってきます。

 シェイクスピアさんの戯曲や詩の、
 名場面や名台詞に、
 なにげなく、さりげなく使われている言葉に、
 これほど《時代》と《背景》が
 織り込まれていたとは!

「そんなにィ~??」
「がるるぐるる?」(←訳:驚きのタネが?)

 では、《驚き》の一例を挙げてみましょう。

 本文133ページに収録されているのは
 『古から死に神と恐れられた黒死病』――

 黒死病とは、つまりペスト。

 14世紀頃、アジアからヨーロッパに持ち込まれたという
 この恐ろしい疫病は、
 数ヶ月のうちにヨーロッパの全人口の三分の二が罹患、
 流行期は八年間にわたり、
 感染者の半分以上が亡くなったと推定されています。

 シェイクスピアさんのグローブ座が本拠としたロンドンも
 ペスト禍を逃れられず、
 ロンドンの劇場は閉鎖され、
 一座は地方巡業に出ねばなりませんでした。

「しぇいくすぴあァさんはッ?」
「ぐるがっるる?」(←訳:無事だったの?)

 シェイクスピアさんがペストに罹ったという
 記録はありません。

 しかし、ペストの災厄を目の当たりにした劇聖さんは
 ペストゆえの悲劇を書き上げます。

 その作品は、
 『ロミオとジュリエット』。

 ペストの流行を阻止しようと
 検疫官が交通を遮断したために、
 ロレンス修道士が送った
 ロミオ宛の手紙は届くのが遅れてしまった――

 ペストの流行が、もしも、無かったとしたら。
 そうしたら、ロミオは。

「むむゥ! それじゃァ、すべてはァ~」
「がるるぐる!?!」(←訳:疫病のせい!?!)

 E・A・ポーさんの『赤死病の仮面』では
 《病》は“表”の主役でした。
 対して『ロミオとジュリエット』では、
 『病』は“裏”の主役。

 幕の陰から、物語を支配してゆく――

「うむゥ! おそろしィけどォ!」
「ぐるるがる!」(←訳:尽きぬ興味!)

 著者・堀田さんは
 シェイクスピアさんの肖像や
 作品を図案化した切手も紹介してくださっていて、
 こちらは演劇好きさん垂涎の図版といえましょう♪

「こちらもォ、やぱりィ!」
「がるる~!」(←訳:面白い~!)

 エリザベス朝の、演劇から覗く《病》の歴史、
 《病》が変えたヒトの在り様。

 演劇マニアさん&戯曲好きさんに、
 全活字マニアさんにおすすめの快作です。
 皆さまぜひ、一読を♪ 
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

京都で、キラリ!

2017-05-06 21:48:57 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 こッちもォ~かいまくゥでスよゥ!」
「がるる!ぐるがる!」(←訳:虎です!ジロです!)

 こんにちは、ネーさです。
 祝!2017ジロ・ディ・イタリア開幕~!
 今年のジロはサルデーニャ島からスタートですよ。
 グランツールの季節到来にわっくわっく♪しながら、
 さあ、GWの土曜日は読書をサボり、
 展覧会情報を、どうぞ~♪

  


          ―― 技を極める ――

         ヴァン クリーフ&アーペル 
         ハイジュエリーと日本の工芸


 京都府京都市の京都国立近代美術館にて、
 会期は2017年4月29日~8月6日
 (月曜休館、6/13と7/18は休館し、7/17は開館)、
 『Mastery of an Art:Van Cleef & Arpels
  -High Jewelry and Japanese Crafts』
 と英語題名が付されています。

「ふァ? きょうとォ??」
「ぐるぅ!!」(←訳:京都ぉ!!)

 はい、京都です♪
 ここ関東圏からは地理的にちょっと離れておりますけれども、
 どうにもステキそうな展覧会なので
 御紹介いたしますよ。

 ほぉら、見てくださいな、
 このキラピカぶり!

  

「……ほんとゥでスゥ!」
「がるるるるる?」(←訳:ダイアモンド?)
「えめらるどォ!」

 この展覧会では、
 《技を極める》をテーマに、
 フランスを代表するハイジュエリーメゾン
 『ヴァン クリーフ&アーペル』の作品が伝える《技》と
 京都の長い歴史の中で生まれた
 七宝や陶芸、金工など
 日本工芸の《技》の粋を集めた作品が展示されます。 

  

「これはァ、いわゆるゥ~…」
「ぐるがる!」(←訳:超絶技巧!)

 東西の超一流職人さんの《技》が集結する特別展は
 8月初旬までの長期間開催されます。

 GWの大混雑を避けて
 これから関西方面に旅行します!というアート好きさんは、
 記念のレクチャー等のイベントも予定されていますので、
 美術館HPを御確認の上、
 ぜひ、お出掛けを♪

「きょうとはァ、いつだッてェ~♪」
「がるるぐっるるがる!」(←訳:発見がいっぱいです!) 
 



    では、ここで「暑っ!」な日のオマケ画像も。
   
    『赤城乳業』さんの新製品
    《Sof'(ソフ)》は……
   
    ソフトクリームの“上だけ”風の
    さっぱり系アイスクリームです。
    「ふァいッ!あついィひィはァ、やぱりィ!」
    「ぐるがるる!」(←訳:冷菓だよね!)
    夏さながらの気温となったGW終盤、
    熱中症対策に水分摂取を怠らず
    どうか皆さま、
    穏やかにお過ごしくださいね~♪
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

駅よ、どこまでも。

2017-05-05 21:53:55 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 またしてもォ、ちんじゅうゥ~はッけんッ!」
「がるる!ぐるるがるーる!」(←訳:虎です!今度はポニーだ!)

 こんにちは、ネーさです。
 タカ(実はハヤブサ)、野良ウズラに続いて出会った珍獣は、
 ……ポニー!
 一昨日のこと、
 周囲はビルとマンションだらけという市街地を、
 茶色いポニーくんが、ぽくぽくぽく……と歩いておりまして、
 私ネーさ、啞然といたしました。
 GWですからね、何かのイベントだったのでしょうが、
 本日の読書タイムでご紹介するのも、
 市街地でポニー!に劣らないシュールなフィクション作品です。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪

  



           ―― 横浜駅SF ――



 著者は柞刈湯葉(いすかり・ゆば)さん、2016年12月に発行されました。
 第一回カクヨムWeb小説コンテストSF部門大賞を受賞したのが
 この御本、なんですけど……

 皆さまは、聞いたことがあるでしょうか?

 横浜駅にまつわるおそろしい伝説を?

「そッ、それはァ~…!」
「ぐるるがる!」(←訳:もしやあの!)

 横浜駅――

 “いつも工事中”。
 いえ、“いつ行っても工事中”な場所。

 いつ行っても、駅のどこかしらが必ず、工事中。
 工事をしていない日、なんて無い。

 かくして、誰かが言い始めました。

 《永遠に完成しない日本のサグラダ・ファミリア》、
 それが横浜駅であると。

「うむむふゥ! わきゃりィまス!」
「がるるぐるるがるるるるぅ~」(←訳:本当に工事中なんだよねぇ~)

 何度か横浜駅を訪れた御方なら、
 実感をもって深く頷くに違いないこの《伝説》を、
 物語にしてしまえ!と
 閃いた著者・柞刈の着眼点、発想力、見事です!

 永遠に工事を続ける空間・横浜駅、
 普通では有り得ないようなその空間が、
 自己増殖を始めたら、どうなる?

 今でさえ巨大なターミナルが、
 さらにさらに、西へ東へ、北へ南へと、
 ぐんぐん膨張していったなら?

「ひえええッ! どこもォかしこもォ?」
「ぐる?!?」(←訳:駅に?!?)

 複雑に交差する階層、
 幾十幾百ものエスカレーター、
 拡大と拡張を重ね、
 ついに、本州の99%が“横浜駅化”してしまった未来――

 脳に埋め込んだSuikaによって
 人間が管理されるエキナカ社会で、
 ひとりの少年が自動改札を通過します。

 少年・ヒロトくんがかざすのは、
 箱状の端末《18きっぷ》。

 有効期限5日の《きっぷ》を手に、
 彼は出発します。
 人類の未来を決する冒険に。

 目指すは……《42番出口》?!?

「よんじゅゥにッ??」
「がるるるるぐるるるる?」(←訳:聞いたことあるような?)

 『銀河ヒッチハイクガイド』ファンの方々、
 鉄道ファンの方々、
 ターミナル駅で迷子になりかけた経験がある御方は、
 吹き出してしまったり、
 ニヤリとしたりすることでしょう。

 そうして、手に汗握る展開のはて、
 ヒロトくんが見出す“出口”とは……

「しゅーるゥでェ、こみかるゥでェ~…」
「ぐるがるるる!」(←訳:でもシリアス!)

 Webでは外伝が、
 また漫画版『横浜駅SF』も発表されているこの作品、
 活字マニアさんにはやはり、
 書籍版がおすすめです。

 御本全体の装丁と
 田中達之さんによるすばらしいイラストも味わいつつ、
 ぜひ、一読を~♪
 


  

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

古代を、読む。

2017-05-04 22:17:13 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでッス!
 てきちでェ、しょうりィ~!」
「がるる!ぐるがる!」(←訳:虎です!完封です!)

 こんにちは、ネーさです。
 いただきました、アウェーゴール!
 確実に1勝を挙げた我らがユヴェントス、
 見えてきましたよ決勝の大舞台が!
 おっと、今から浮かれてはならじと自分を戒めつつ、
 さあ、GW只中の本日も、読書タイムを、どうぞ~♪

  



        ―― ギリシア人の物語Ⅱ ――



 著者は塩野七生(しおの・ななみ)さん、2017年1月に発行されました。
 《ギリシア人の物語》シリーズの二作目となるこの御本には、
 『民主政の成熟と崩壊』と巻題名が付されています。

「ふむふむッ! だいいッかんはァ、たたかいィでしたッ!」
「ぐるる!」(←訳:300!)

 そうですね、
 『Ⅰ』の《民主政のはじまり》では、
 映画『300(スリーハンドレッド)』でも描かれた
 ギリシア連合軍がアケメネス朝ペルシアと闘うペルシア戦役が
 《物語》の根幹となっていました。

 そして、この『Ⅱ』では、
 ひとりの政治家が《物語》の柱となっています。

 御本の表紙にもなっている、
 その人の名は――ペリクレスさん(紀元前495?~紀元前429年)。

「はなすじィ、まッすぐゥ!」
「がるぐるる!」(←訳:目元キリリ!)

 著者・塩野さんによれば、
 古代で三大美男とされていたのは、
 このアテネ生まれのペリクレスさんと、
 ソクラテスさんの弟子で政治家のアルキビアデスさん、
 そしてローマ帝国初代皇帝のアウグストゥスさん。

「ほほゥ? はんさむゥ?」
「ぐぅるがるるる!」(←訳:じゃあ人気者だ!)

 現代には、
 見た目が良くて女性に人気大、という政治家さんも
 おられるようですが、
 古代ギリシャもその点では似ています。

 容姿の美しさ。
 それこそがギリシア世界のアイドルになる条件!

「ふァ? ほんとにィ??」
「がるるぐるるぅ?」(←訳:それでいいのぉ?)

 周辺には都市国家がひしめき、
 ただし、“十人よればすぐさま二派に分れて争う”
 というギリシア人たち。

 ことに、アテナイの民衆は《理》を重んじます。
 
 美男政治家ペリクレスさんは
 そんな彼らを
 どうやって動かし、
 率いてゆくか。

「うむゥ! それはァ、きッとォ~」
「ぐる!」(←訳:演説!)

 ええ、演説の名手とは、まさに
 ペリクレスさんを指すものでしょう。

 言葉の力で、人々をまとめる。
 誘導させ、賛同させる――

 御本の第一部『ペリクレス時代』では、
 ペリクレスさんの驚異的な政治手腕が
 緻密に語られます。

「みんしゅゥしゅぎィ、はつどうゥしたのでス!」
「がるぐるるぐる!」(←訳:その影響は今も!)

 2000年を超えて世界に爪痕を残す大政治家、
 ペリクレスさん。

 しかし、その演説は現代でも政治家に手本とされるほどの
 偉人さんであろうとも、
 永遠の生命は持ち得ません。

 ペリクレスさんが没した後、
 都市アテネが進むのは?
 アテネのライバル都市たちが選ぶ道は?

「ううッ! あやしィかぜがッ?」
「ぐるるる!」(←訳:風雲急だ!)

 著者・塩野さんは古代ギリシアの政治、
 都市国家を俎上に乗せ、
 また、古代ギリシアの文化のありようも追いかけます。

 女性の社会進出なんて気配すらない、
 完全に男性が仕切る社会。

 だからこそ、ペリクレスさん以後のギリシア世界は
 より苛烈な政争・戦争へと染まってゆくのか……?

「びッくりのォ、せんそうつづきィ?」
「がるぐるるる!」(←訳:背筋冷えます!)

 歴史好きな御方は必読の力作です。
 時間をかけて、
 ゆっくり、じっくり、お読みくださいね!

 

 
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ランスから、豪華に来日!

2017-05-03 22:04:43 | ミュゼ
「こんにちわァ、テディちゃでッス!
 きょうゥもォ~ぶッとばしィまスッ!」
「がるる!ぐるるるがるる!」(←訳:虎です!元気玉を南仏へ!)
「えいやァ~ッ!!」

 こんにちは、ネーさです。
 やって来ました、チャンピオンズリーグ準決勝1stレグが。
 我らがユヴェントスは日本時間の5月4日早朝、
 モナコとの対決に臨みます。
 入魂の元気玉をモナコ公国へ遠投し、あとは天命を待つのみ……!
 では、“待ち”の時間は読書をサボり、
 ↓こちらの展覧会情報を、どうぞ~♪
 
  



    ―― フランス絵画の宝庫 ランス美術館展 ――



 東京・新宿の東郷青児記念 損保ジャパン興亜美術館にて、
 会期は2017年4月22日~6月25日(月曜休館)、
 非常にレア?な、
 レオナール・フジタさん《マドンナ》(1963年)が来日しますよ~!

「むむッ? これはァ~…?」
「ぐるるがる?」(←訳:珍しいかも?)

 そして、もうひとつ、
 フジタさんらしい作品が、こちらに!
 
  

「あはァ! にゃんこォ♪」
「がるぐるる!」(←訳:ネコだらけ!)

 愛猫家として有名なフジタさんの油彩画《猫》(1963年)。
 パッと見て、
 フジタさんのニャンコね!と判る、このタッチ!

「あッ? こッちにもォ?」
「ぐるがるる?」(←訳:有名作品が?)
 
  

 世界史の教科書に載ることも多いのは、
 ↑ジャック=ルイ・ダヴィッド(および工房)さんの
 《マラーの死》ですね。

「これェ、るーぶるゥびじゅつかんッ、じゃなくてェ~」
「がるるぐるるるがるぐっるるる!」(←訳:ランス美術館の所蔵だったんだ!)

 フランス北東部シャンパーニュ地方の、
 古都ランスに在るランス美術館のコレクションは、
 初期ルネッサンスから現代まで、と多岐に渡っています。

 この展覧会では、
 17世紀から20世紀までの
 約70点の作品でフランス絵画の歴史を辿ります。
 他に出展されるのは、
 ドラクロワさん、ゴーギャンさん、カミーユ・ピサロさん、
 モーリス・ドニさん、コローさん……
 フジタ(藤田嗣治)さんの素描作品も
 特別に展示されますよ♪

「しゃんぱんッみたいにィ~」
「ぐーるぅる!」(←訳:ゴージャス!)

 油彩画好きな御方には堪らない、
 “フランスらしさ”が漂う展覧会は
 フジタさんファンの方々にもおすすめですね。
 新宿へお出掛けの際は、ぜひ~!
 
 

 
 
    さあ、今日はオマケ画像も初夏っぽく!
   
    『ハーゲンダッッツ』さんの
    《華もち きなこ黒みつ》、
    大人気の期間限定のお味を、
   「ぱくりィ~!」
   「がるるぅ!」(←訳:美味しぃ!)
    ひと匙ごとに、祈ります。
    がんばれユーヴェ、
    負けるなユーヴェ、
    目指すは決勝の地カーディフ…!!




  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

― ひかりの海辺に ―

2017-05-02 22:14:32 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 きせつゥはァ~かしわもちィ!」
「がるる!ぐるるるがる!」(←訳:虎です!鯉のぼりです!)

 こんにちは、ネーさです。
 青空高く鯉ちゃんたちが泳ぎはためく
 連休後半戦の読書タイムは
 お出掛け時にも活用できるこちらの御本を、
 さあ、どうぞ~♪

   



          ―― MOA美術館 ――



 監修・著者はMOA美術館の皆さん、2017年2月に発行されました。
 関東圏にお住まいの方々は御存知かと思いますが、
 MOA美術館といえば、熱海の――

「わきゃッ♪ あたみィ~!」
「ぐるがるるぐるる!」(←訳:いま人気の観光地!)

 そうね、“昭和の人気観光地”であり、
 一時期は衰退がウワサされたりもしたものの、
 近年は完全復活!
 駅周辺の再開発も進んで
 ものすごく賑わっているという、
 熱海。

 その熱海の、JR熱海駅からバスで約7分ほどの、
 相模湾を見渡す高台に
 MOA(エム・オー・エー)美術館は建っています。

「ふァいッ! テディちゃ、しッてまスゥ!
 おがたァこうりんッさんッ!」
「がるるぐる!」(←訳:国宝の屏風!)

 ええ、御本の表紙にもなっている
 尾形光琳さんの傑作『紅白梅図屏風』を収蔵していることで
 アート好きさんから常に注目の的となっているこの美術館は、
 2016~2017年にかけて大規模な改修が行われました。

 改修の基本設計を担当したのは、
 杉本博司さん。

 大判カメラによる《海景》や《劇場》
 《ポートレート》のシリーズ、
 能舞台、神社など建築に関する制作でも知られる美術家さんの手で、
 館内のロビーエリア、展示空間は
 現代的なデザインに生まれ変わりました。

「うむゥ! このォ、ひかりィ!」
「ぐるがる!」(←訳:照明だね!)

 世界中の美術館で、いま、
 照明設備の見直しが進んでいるようですけれど、
 杉本さんもやはり、
 《光り》を重視しています。

 本文6ページには、杉本さんの光りへのこだわりが著されていて、
 室町時代の芸術家たちが目にした光りを、
 美術館の内部に実現すべく、
 最先端の光学技術を舞台裏に忍び込ませた、と
 解説しておられますよ。

「さいしんのォ、ひかりがァ~」
「がるるぐるがるる!」(←訳:中世の美を照らす!)

 御本の各章では、
 MOA美術館が所蔵する
 琳派を中心とする絵画作品、
 日本と中国の仏教美術、
 奈良から室町時代の古筆切を集めた書跡、
 貴重な陶磁器のコレクションなどとともに
 美術館を取り巻く四季の様子も
 紹介されていて……
 う~ん、きれいな海!

「ろけーしょんッ、さいこうゥでスゥ!」
「ぐるる~る!」(←訳:行きた~い!)

 美術館のオフィシャルガイドブックとして、
 また、日本美術の写真集としても楽しめるこの御本、
 熱海へご旅行予定の方々は、
 お出掛け前に手に取ってみてくださいね。
 
「うみのォ、ひかりィ~♪」
「がるるるぐる!」(←訳:美術館の光り!)

 もちろん、
 アート好きさん&杉本さんのファンさんも、
 ぜひ、一読を♪

 
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする