テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 新聞の中の《黄金時代》 ―

2017-06-10 22:04:54 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでッス!
 うゥ~むゥ! さいきんッ、きこえなくてェさみしィでスッ♪」
「がるる!ぐるるるがる!」(←訳:虎です!カエルの歌が!)

 こんにちは、ネーさです。
 梅雨どきの東京のあちこちで
 小さなアマガエルくんのケロケロ歌声が聞こえなくなってから
 もう何年になるでしょうか……
 ちょっと懐古的な気分に浸りながら、
 さあ、本日は読書をサボって
 ↓こちらの展覧会情報を、どうぞ~♪
 
  



          ―― 新聞の中の文学 ――



 東京都目黒区駒場の東京大学駒場博物館にて、
 会期は2017年4月29日~6月25日(火曜休館)、
 『NOVELISTS & NEWSPAPERS
  THE GOLDEN AGE OF NEWSPAPERFICTION1900-1939』と英語題名が、
 『黄金時代1900-1939』と日本語副題が付されています。

「きょうもォ、だいがくゥ?」
「ぐるがるるる!」(←訳:大学つながり!)

 ええ、前回記事では東京藝大をテーマにした
 ノンフィクション作品を御紹介しましたが、
 こちらは、東京大学の駒場キャンパスで開催中の特別展なんですよ。
 
  

「てんじィされるのはァ~…」
「がるる?」(←訳:古新聞?)

 たしかに、古新聞……ではありますけれど、
 タダの古新聞じゃございません。

 20世紀の初頭から第二次世界大戦初期までの間に刊行された
 日刊・週刊新聞の連載小説とその挿絵、
 短編、詩の貴重な資料でもある
 ステキな古新聞たちなんです♪

  

「ああッ? これはァ!」
「ぐーるるがる!」(←訳:ホームズさん!)

 はい、その通り!
 
 チャールズ・ディケンズさんや、
 エーリヒ・マリア・レマルクさん(『西部戦線異状なし』)、
 そしてアーサー・コナン・ドイルさんの著作と挿絵も
 展示されています!
 あ、それとね、
 ヒュー・ロフティングさんの『ドリトル先生』挿絵も!

「おォ! びッくりィ~!」
「がるるるぐるるー!」(←訳:ホントに貴重だー!)

 他に、ラドヤード・キプリングさん、
 ロバート・ルイス・スティーブンソンさんの詩も展示され、
 作家さんと新聞の《黄金時代》を総覧する企画展へ、
 活字大好き♪アートも好き♪な方々は、
 ぜひ、お出掛けを♪
 
 


    さて、梅雨の合間のオマケ画像は、こちら!
   
    『グリコ』さんの
    《牧場しぼり コーヒー&バニラ》は期間限定品で、
    「ひんやりィでェ~!」
    「ぐっるるる!」(←訳:あっさり系!)
    熱中症体質の私ネーさ、
    とにかく冷たいモノで予防に努めております。
    どうか皆さまも水分補給に注意を怠らず
    穏やかな休日を♪


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覗こう、《美》のジャングルを!

2017-06-09 22:09:12 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでッス!
 むむふゥ! きょうはァ、かッたのかなァ?」
「がるる!ぐるるっ?」(←訳:虎です!速報はっ?)

 こんにちは、ネーさです。
 今まであまり興味を持たなかった私たち門外漢をも夢中にさせるのは
 将棋界の新星さんのニュース……!
 連勝が二十幾つとか、
 もう人間技とは思えませんが、
 本日の読書タイムの主役さんたちもそんな感じなのかしら?
 心配したりハラハラドキドキしたりしながら、
 さあ、こちらのごっほんを、どうぞ~♪

  



        ―― 最後の秘境 東京藝大 ――



 著者は二宮敦人(にのみや・あつと)さん、2016年9月に発行されました。
 『天才たちのカオスな日常』と副題が付されています。

「えェ~? てんさいィなのにィ~??」
「ぐるる~?」(←訳:カオス~?)

 藝大こと東京藝術大学の学生さんたち――

 将棋界の天才少年さんと同じように、
 上野のお山にそびえる“藝”の最高学府に
 狭き門をくぐり抜けて入学した青年さんたちは、
 やはり、天才なのでしょうか。
 或いは天才予備軍なのでしょうか。

 著者・二宮さんは、
 止むに止まれぬ衝撃と衝動に突き動かされ、
 藝大の学生さんたちについて調べ始めました。

「なぜェまたッ?」
「がっるるる?」(←訳:きっかけは?)

 二宮さん、既婚者さんです。
 そして、パートナーである奥さまは、
 藝大生さんなんですね。

 奥さまは、
 自宅のアパートでドカンドカンと木彫作品を制作し、
 深夜のバスルームで自画像ならぬ自全身像制作に取り組み、
 作業のためにガスマスクもどきを自作する、
 学業を決して疎かにしない
 藝大生さんの鑑(かがみ)。

「ふァ~…ばするーむゥでェ~…」
「ぐっるるるるるぅ~…!」(←訳:がっがすますくぅ~…!)

 何もかもが二宮さんにとっては新鮮で、驚きで。

 その驚きが行き着いたところが。

  藝大って、どういうところなんだ?

「もッともなァぎもんッ、なのでスゥ!」
「がるるるぐるるがる~♪」(←訳:気持ちは分かるよね~♪)

 かくして向かうは、上野の藝大キャンパス。

 そこには、美校と呼ばれる美術に関する学科のキャンパスと、
 音校と呼ばれる音楽学部のキャンパスがあります。

 外観からも、ああ美校の学生さんね、
 あの子は音校だわ、と判別できる彼女&彼さんたちの、
 つい笑っちゃう、
 おっと失礼、真摯かつ気魄溢るる日常を
 二宮さんは垣間見ることになりますが……

「わんだーらんどォ?」
「ぐるるがるるる……」(←訳:不思議すぎる国……)

 上野動物園に隣接しているため
 さまざまな伝説に彩られ、
 時間厳守の音校生さんと
 対照的に遅刻常習な美校生さんが錯綜し、
 音の美と、
 線と色と形の美を極めようと企む人々が集う
 不思議の国。

 どこがどう不思議なのか、
 それは読んでのお楽しみとしておきますが、
 うっふっふ、音校生さんも美校生さんも
 スットンキョーでいいですねえ♪

「げいじゅつゥとォ~」
「がるるぐるる!」(←訳:常識のバトル!)

 昔ながらの藝術と、
 最先端アートも囲い込む藝大の奥深さ――
 著者・二宮さんののびやかな秘境探検記、
 読み終われば、必ずや思うはずです。

「いいなァ、げいだいィ!」
「ぐるぅるがるるるる!」(←訳:おじゃましてみたい!)

 皆さま、ぜひぜひ一読を!



 
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ダークな、どこまでもダークな。

2017-06-08 22:12:54 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 きょうはァ、おひさしぶりィのォ~!」
「がるる!ぐるがぅるるぅるる!」(←訳:虎です!長編フィクションだ!)

 こんにちは、ネーさです。
 え?梅雨ド真ん中なのかしら晴れてるけど?な本日の読書タイムは、
 ずっしり・みっしり・ヘヴィこの上なき
 長編小説作品を御紹介いたしますよ。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪

  



            ―― 暗手 ――



 著者は馳星周(はせ・せいしゅう)さん、2017年4月に発行されました。
 『暗手』は『あんしゅ』とお読みくださいね。

「むゥ? あんしゅゥ~??」
「ぐるるるがるるぐる~…!」(←訳:なんだか不吉な響き~…!)

 いかにも不吉な、
 そしてまたほの暗い、
 いえ、どす暗い展開を予想させる『暗手』という題名のこの物語には、
 ああ、なんということでしょう、
 イタリアです、
 イタリアのサッカー界が深く係わってきます。

 チャンピオンズリーグ決勝で敗れてしまったユヴェントスを
 ひたすら応援する私ネーさにとっては、
 ヘヴィどころか立ち直れなくなっちゃう重苦しい設定ですが……

「ネーさッ、しッかりィ!」
「がぅるるぅるぐるる!」(←訳:フィクションだから!)

 そ、そうね、フィクションなのよね、
 物語の舞台も、ええ、
 ユヴェントスの本拠地トリノではなく、
 ミラノとその周辺が主ですし。

「だいとしィ、みらのッ♪」
「ぐるるるるる!」(←訳:デザインの都!)

 ミラノには世界的に有名な
 サッカーのクラブチームが二つあり、
 ミラノから程近い小都市や町にも
 プロサッカーチームと、
 それらのチームに所属するサッカー選手たちがいます。

 彼らの本質を、
 著者・馳さんが軽々と喝破してみせるのは
 御本の本文9ページ目――

  《スーパースターは八百長には関わらない。
   スーパースターを目指す連中も関わらない》

「ふァいッ! そのとォりィでスゥ!」
「がるるぐる!」(←訳:それが一流!)

 そう、一流の選手さんは
 自分の履歴に泥を塗ろうなんて考えません。

 けれど……
 誰もが一流になれるわけでも、ない。

 一流になれるのは、
 ビッグクラブでスポットライトを浴びながらプレイできるのは、
 ほんの一握りの選手だけ。

 そして、残酷な『暗手』の魔手が狙うのも、
 そういった“一流になれない”選手の身。

「あいてにしてはァ、いけませんでスよゥ!」
「ぐるるるる!」(←訳:追い払おう!)

 簡単に追い払えないのが、
 容易には逃げ出せないのが、
 『暗手』が巧妙に張り巡らせた糸の罠です。

 かつて、台湾のプロ野球で八百長に手を染めたがため、
 坂を転がり落ちるように
 罪を重ねていった日本人・加倉昭彦さん。

 名を変え、
 顔も変えて、
 いま欧州の闇社会を流れ歩く彼の異名は『暗手(アンショウ)』。

「じゃァ、こんかいィのォ、しごとはァ~…!」
「がっるーるぐるるる?!?」(←訳:サッカーで八百長を?!?)

 『暗手』の標的となったのは
 ミラノ郊外の町のプロサッカーチームの、
 日本人GK(ゴールキーパー)。

 サッカーの技量や知識を除けば
 世間知らずとさえ言える若い日本人GKを罠にかけるなぞ、
 『暗手』には朝飯前のこと、
 かと思われましたが。

「よそうがいィのォ、じょうきょうゥ!」
「ぐるるるーるがるぐる!」(←訳:コントロール不能です!)

 どこまでも転がり落ちてゆく『暗手』の足元に、
 光が射すことはあるのか。
 出口は、どこかに見つかるのか――

 著者・馳さんの本領・ノワールロマンの昏い霧が
 最初から最後まで読み手を離さず包み込む、
 “ダーク”極まる彷徨の物語は
 クライムノベル好きな活字マニアさんに、
 ミステリ好きさんにもおすすめですよ。
 一気呵成に、ぜひ!
  

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~ 見る《白樺派》 ~

2017-06-07 22:14:13 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふァうゥ! つゆゥいりィ?」
「がるる!ぐるるるがる!」(←訳:虎です!紫陽花の季節!)

 こんにちは、ネーさです。
 夏の一歩手前の、心地よい季節が終わってしまったのは
 ものすごーく残念なんですけど、
 さあ、本日は!
 ひと足先にバカンス気分♪な活字マニアさんに、
 ↓こちらの展覧会情報を、どうぞ~!
 
  



        ―― 白樺派の精神展 ――



 山梨県北杜市の清春白樺美術館にて、
 会期は2017年5月16日~7月9日
 (月曜休館、但し祝日の場合は翌平日が休館)、
 『Mind of Shirakaba-ha』と英語題名が、
 『志賀直哉コレクションを中心としてⅡ』と日本語副題が付されています。

 まず、驚かされたのは、↑上の画像の、
 展覧会チラシ(フライヤー)で、どん!と表紙面を飾っているのが、
 《白い壺》
 という油彩画で、作者は、なんと、

 志賀直哉さん!!

「ええェッ??」
「ぐるるるぅ?」(←訳:ホントにぃ?)

 ええ、本当なんですよ。
 明治大正生まれの文学者さんって、
 例えば徳富蘆花さんや斎藤茂吉さんは
 非常に絵心があって、
 海外へ行ったらルーブル美術館を訪ねて、といった
 美術家肌の御方が多いのですが、
 ここにもいましたね、
 絵筆を握っちゃう文豪さん!

  

「みなさんッ、あーとまにあッ!」
「がるぐるる!」(←訳:本気なのだ!)

 それも当然といえば当然で、
 明治43年(1910年)に発行が始まった雑誌『白樺』には、
 武者小路実篤さん、志賀直哉さんの他に
 柳宗悦さん、岸田劉生さん、バーナード・リーチさん、
 梅原龍三郎さんたち著名な美術家さんたちも
 続々と参入してゆき、
 やがて近代日本文学&アートの一大拠点となったのでした。

  

 この展覧会は、志賀直哉さんの御家族から寄贈された
 1120点の志賀直哉さん所蔵作品を順次公開する
 企画展の第2回目です。

 若山為三さんによる志賀直哉さんの肖像、
 武者小路実篤さん画『梅の枝』、
 梅原龍三郎さんによる油彩作品など
 志賀さんが慈しんだに違いない品々が展示されますよ。

「こうげんのォ、びじゅつかんッ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:避暑地だよね!)

 清春白樺美術館があるのは、
 JR中央本線の小淵沢駅もしくは長坂駅から
 バスで5~10分程度、
 “八ヶ岳のふもと”とされる地域です。

 夏休みにはちょっぴり気が早い?としても、
 アート旅をしてみたくなったアート好きさん、
 志賀直哉さんのファンの皆さまは、
 ぜひ、お出掛けしてみてくださいな♪
 
   


    では、ここでオマケ画像も、じゃじゃん!
   
    『グリコ』さんの
    《パナップ フルーツパフェ 国産白桃》!
   「わほッ♪ももッ!」
   「がるぐるる!」(←訳:白桃大好き!)
    桃好きなお菓子マニアさん垂涎の新作アイス、
    蒸し暑い日にはおすすめですよ~♪


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旅路と、《食》。

2017-06-06 22:06:20 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでッス!
 しょくよくゥ~ぜんかいィ!」
「がるる!ぐるるるがる!」(←訳:虎です!夕食前は特に!)

 こんにちは、ネーさです。
 歴史ロマンにひたる前々回&前回記事とは打って変わって、
 本日の読書タイムは、はい、
 食欲がグググイっと増進しちゃう御本が登場願いましょうか。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪
 
  

 

       ―― 世界まるごとギョーザの旅 ――



 著者は久保えーじさん、2017年3月に発行されました。
 ギョーザ――いかがです?
 食べたことないわ、っていう御方は、まず、現在のこの日本には――

「いませんッでスゥ!」
「ぐるるがるる~!」(←訳:みんな大好き~!)

 著者・久保さんは、
 《旅の食堂ととら亭》を営む“食のプロ”さんです。

 といっても、お料理を担当しているのは
 久保さんの奥さまの、智子さん。

 久保さんは、お店の広報とフロア担当なんですって。

「むふふゥ! ぎょーざァというとォ、ちゅうかりょうりィ!」
「がるぐる?ぐるる?」(←訳:蒸し餃子?水餃子?)

 そうね、ギョーザ発祥の地は、本場は、
 やはり中国……であるんですけど。

 世界には、それはもうたくさんの、
 ギョーザ風であったり、
 ギョーザそっくりなお料理が存在するんです。

 最も有名なのは、えーと、
 イタリア料理の、ラビオリかしらね?

「もッちもちィ!」
「ぐるるるがる!」(←訳:美味しいよね!)

 しかし、久保さんは“ニョッキの本場”を目指しません。

 智子さんとのふたり旅で向かうのは、
 トルコのギョーザ《マントゥ》を食べさせてくれる
 カッパドキアの、カッパドキアの隣り町のアヴァノスの、
 イスタンブールの海沿いの屋台の、
 庶民的なレストラン。

「これはァ、らむのォおにくゥ?」
「がーるるるるぐーる?」(←訳:ヨーグルトのソース?)

 あら、お気に召しましたか?
 ならば、こちらもいかが?

 ドイツの、マウルタッシェン!

「えッ? どいつゥにもッ?」
「ぐるるるがぅーる?」(←訳:ドイツ風ギョーザ??)

 ドイツで驚いてちゃ《旅の食堂》は出来ませんよ。

 中国の、ジャオズ!

 アゼルバイジャンの、ギューザ!

 かつてはグルジアと呼ばれた
 現ジョージアの、ヒンカリ!

 韓国のマントゥは、
 蒸したり揚げたりスープ風だったり!

「つぎはァ、ぽーらんどォ?」
「がるるるる?」(←訳:スロバキア?)

 ポーランドのピエロギに、
 スロバキアのピロヒー。

 ウズベキスタンへも、
 カザフスタンにだって、
 久保さんと智子さんは出掛けます。

「そこにィ、ぎょーざがァあるのならァ??」
「ぐるるるる??」(←訳:どこへでも??)

 この御本は、
 美味しいものを追い求める食探訪記であると同時に、また
 ちょっとした冒険旅行記であるとも言えそうです。

 だってね、個人旅行でウズベキスタンなんて、
 これはなかなか、行けそうにありませんからね。

「でもォ、いッてみればァ~…」
「がるぐるるる!」(←訳:収穫多いのだ!)

 本文の終盤には
 旅の成果たる《ギョーザ考》と分類図も掲載されています。
 
 食は、どこから来たのか。
 どう変容し、
 或いは変容せずとも受け入れられ、受け継がれてゆくのか。

「これもォ、れきしィでスねッ!」
「ぐるるがる!」(←訳:身近な歴史!)

 歴史マニアさんも、
 食いしん坊さんも、
 ぜひ、一読を♪


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20人の、光と闇(その2)。

2017-06-05 22:16:08 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 つづきィ、ゆきまァ~スゥ!」
「がるる!ぐるるがるぐる!」(←訳:虎です!今日は下巻です!)

 こんにちは、ネーさです。
 ユーヴェ敗戦のショックをまだ引きずりつつも、
 はい、行きましょう読書タイム!
 本日は↓こちらの御本を、どうぞ~♪

  



        ―― 王妃たちの最期の日々 ㊦ ――



 編者はジャン=クリストフ・ビュイッソンさん、ジャン・セヴィリアさん、
 原著は2015年に、日本語版は2017年4月に発行されました。
 前回記事では上巻を御紹介しましたが、
 こちらの下巻は、
 本命登場!
 と言いたくなるような、あの王妃さまから始まります。

「あはァ! べるさいゆゥ!」
「ぐるるるるる!」(←訳:おフランスだ!)

 ええ、御本の表紙になっているのは、
 ルイ十六世の妃であるマリー=アントワネットさん。

 上巻を締めくくったのは
 オーストリアの女帝マリア=テレジアさんでしたから、
 その娘さんたるマリーーアントワネットさんが
 下巻の始まりに位置するのは
 時系列の上でも自然なことなのですが。

 この母娘さんは、
 対照的といえる《最期の日々》を迎えます。

「へいわとォ!」
「がる!」(←訳:革命!)

 マリア=テレジアについて語られた『模範的な死』文中では
 こんな文章があります――

  《マリア=テレジアは君主として没した》

 一方、マリー=アントワネットを語る『トリアノンから断頭台へ』は、
 次のような文から始まります――

  《不人気だった》

「うゥッ? いいきりィましたでス!」
「ぐるがる!」(←訳:一刀両断!)

 帝国の運営に生涯を捧げたワーカホリックな母と、
 社交にドレスに美術品に浪費を繰り返すイメージの
 うら若き貴族のお姫さま。

 そうとなれば、
 たとえ親子といえど、
 似た人生など送りようがなかった、のでしょうね。

「おーすとりあァとォ、ふらんすゥ!」
「がるるるぐるっる……!」(←訳:近いのに遠かった……!)

 マリー=アントワネットさんの次に登場するのは、
 ロシアのエカチェリーナ二世。
 あのエカチェリーナ(エカテリーナ)宮殿の
 女主人さんですね。

 そして、
 舞台や映画、小説でも大々人気の
 オーストリア皇妃のエリーザベトさん、

 大英帝国を築き上げたヴィクトリア女王、

 ロマノフ王朝最後の皇后、アレクサンドラ・フョードロヴナさん、

 フランス最後の皇后、ウジェニー・ド・モンティジョさん、

 と、《王妃たちの最期》が取り上げられてゆき、
 御本の最終幕で主役となるのは――

 ベルギー王妃の、アストリッドさん。

「むゥ?? べるぎィ??」
「ぐるるるがるる!」(←訳:なんだか予想外!)

 アストリッド王妃が没したのは
 1935年8月29日。
 
 なぜ、彼女の《最期の日々》が
 クレオパトラさんやマリー=アントワネットさんと
 同列に扱われるのか。
 そこにどのような意味、重みがあるのかは、
 この御本を最後まで読めば
 じんわりと心に沁みてきます。

「おおきなァ、いみィ、ありまス!」
「がるるぐるるるるがるる!」(←訳:今こそその意味が分かる!)
 
  

 単なるエンタ系歴史エピソード集かなぁと油断していると、
 最終章でグッと深く考えさせられることになる
 重厚な構成が見事です!

 歴史好きさんのみならず、
 フィクション好きさんも
 ぜひ、一読してくださいね~♪

「どくごかんもォ~」
「ぐっるるがる!」(←訳:ずっしりです!)


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20人の、光と闇(その1)。

2017-06-04 22:12:01 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ネーさがァ、おちこんでェいまスゥ!」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!どん底です!)

 こんにちは、ネーさです。
 はぁ~…やっちまいました……ユヴェントス、レアルに完敗す……
 さらにはトリノのパブリックビューイングでアクシデント発生、と
 ユーヴェファンにとっては悪夢のような一日でした、が……
 ええいっ! カラ元気も元気のうち!
 怪我をしたユーヴェサポさんたちの快復を祈りつつ、
 気力を振り絞って(涙も!)
 本日の読書タイムを、どうぞ~♪

  



        ―― 王妃たちの最期の日々 ㊤ ――



 編者はジャン=クリストフ・ビュイッソンさん、ジャン・セヴィリアさん、
 原著は2015年に、画像の日本語版は2017年4月に発行されました。
 仏語原題は『LES DERNIERS JOURS DES REINES』、
 『フィガロ』誌編集長のビュイッソンさんと
 同誌副編集長にして歴史雑誌『フィガロ・イストワール』学術顧問の
 セヴィリアさんによって編まれたこの御本は、
 歴史ドキュメント風の連作……とでも形容すべきでしょうか。

「れきしィどらまッ?」
「ぐるがるぐるるぅるるぅる!」(←訳:限り無くノンフィクション!)

 良い意味でも悪い意味でも、
 古代でもそして現代でも、
 常に注目されているのが王族というものです。

 王族の中でも女性、
 とりわけ王妃の位に在る女性は
 日頃の言動(何を言った?)、
 行動(何を食べた?)、
 衣装(どんなドレスを着た?)など
 あらゆる事々が人々に注視され、
 話題にされている特殊な存在、と申せましょう。

「いッしゅんもォ~!」
「がるぐるるるる!」(←訳:気を抜けません!)

 そんな“いま話題のあのひと”が、
 寿命や病、
 不慮の死、
 はたまた陰謀に巻き込まれての死を迎えたなら、
 どうなるのか――
 どんな《最期の日々》を過ごすことになるのか。

 この御本では、
 上巻で10人、下巻で10人、と
 合わせて20人の王妃たちの《最期の日々》が描かれています。

 まず最初に取り上げられているのは、
 プトレマイオス朝のクレオパトラ七世さん。

「それはァ、えじぷとのッ?」
「ぐるがるるる!」(←訳:あの王妃さま!)

 カエサルさんと浮名を流し、
 アントニウスさんとともにローマと闘ったエジプトの王妃(女王)。

 彼女の死は、単なる一個人の死ではありません。
 女王が亡くなれば、
 そのときプトレマイオス朝はローマ帝国に完全に呑み込まれる。
 
 ひとりの死は、ひとつの国家の死でもあるのですから、
 穏やかに済むはずもない……!

「ううゥ、そうゥかんがえるとォ~」
「がるるるる!」(←訳:空恐ろしい!)

 クレオパトラさんに続いては
 ローマの皇帝ネロの母・アグリッピーナさん、
 
 カスティーリャとレオンを統治したイサベル一世さん、

 スコットランドのメアリ・スチュアートさん、

 フランス国王妃カトリーヌ・ド・メディシスさん他、

 この上巻では
 オーストリアのマリア・テレジアさんまでの
 《最期の日々》10編が収録されています。

「なかなかァ、ないのでスゥ!」
「ぐるるがる……!」(←訳:平穏な眠り……!)

 歴史好きな活字マニアさんに
 激おすすめしたいこの作品の、
 下巻の内容は次回の記事にて御紹介いたしますが
 さて、そちらでは――

「だれがァ、でてェくるのかなァ?」
「がるるぐるるるる!」(←訳:どうぞお楽しみに!)

 

 
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大自然の、その一瞬を。

2017-06-03 21:59:35 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ついにィ、きましたでス!」
「がるる!ぐるるー!」(←訳:虎です!決勝だー!)
「ゆけよッ、げんきだまァ!!」

 こんにちは、ネーさです。
 現地時間7月3日20時45分、ウェールズのカイディフで
 チャンピオンズリーグ決勝戦が始まります。
 我らがユヴェントスはリーガ王者レアルマドリーを下し、
 優勝杯を掲げることが出来るのか――
 入魂の元気玉をカーディフへ遠投したいまは、
 さあ、週末です。
 読書をサボって、↓こちらの展覧会情報を、どうぞ~♪
 
  



       ―― ネイチャーズベスト 傑作写真展 ――



 東京都千代田区の千代田区立日比谷図書文化観1F特別展示室にて、
 会期は2017年6月9日~8月9日
 (6/19、7/17、は休館、7/10は展示替えのため休室)、
 『世界が見た、驚きと感動の大自然』と副題が付されています。

「ふむふむゥ、しゃしんてんッ、でスかッ?」
「ぐるがるーる!」(←訳:色がすごーい!)

  

 『ネイチャーズベスト』は、
 1995年にスタートした世界最大規模の
 自然写真のコンテストで、
 世界中のプロとアマチュアカメラマンから毎年寄せられる
 多数の応募の中から優秀作品を選出し、
 米国のスミソニアン国立自然史博物館で展示、表彰する
 ビッグイベントです。

「すみそにあんッ!」
「がるるぐるる!」(←訳:一流のあかし!) 

  

 写真のジャンルは、
 野生動物、植物、風景など
 自然界のあらゆるシーンを対象としたもので――

「かざんのォ、ふんかこうゥ!」
「ぐるるるるがっるる!」(←訳:海亀さんのアップ図!)
「おーろらァ!」
「がるるるぐるるー!」(←訳:コアラに天道虫ー!)
 
  

 スミソニアン国立自然史博物館の入場者は
 年間700万人にも上ります。

 この展覧会では、
 スミソニアンで賞賛された歴代の受賞作品・優秀作品から
 約80点が展示されますが、
 期間中には展示替えがありますので御注意を。

 また、講演会(参加費¥500)、
 ワークショップ(参加費¥500)、
 ギャラリートーク(無料)等の関連企画も予定されています。
 詳細については、日比谷図書文化館HPを御参照くださいな♪

「なつやすみィのォ、おでかけにもォ~」
「ぐるるるがる~!」(←訳:おすすめです~!)
 


    ではここで、6月最初のオマケ画像も!
   
    『グリコ』さんの
    《ポッキー スクイーズ》、
    《グレープ味》と《ピーチ味》は果実感高し!
    「わおォ! ももォ~♪」
    「がるぐる!」(←訳:葡萄だね!)
    これも夏には冷やしてからいただく方がいいかな?
    美味しいお菓子で気力をチャージしたら、
    よぉし、CLをTVで観戦だ!
    「えいえいィ!!」
    「ぐる!!」(←訳:おお!!)
    皆さまはどうか、
    のんびりゆったり、穏やかな休日をお過ごしください♪
    

 
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~ 舞台は廻る ~

2017-06-02 22:01:42 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 さらだァちきんッ、ぱくりィ!」
「がるる!ぐるるるがる!」(←訳:虎です!いいよねコレ!)

 こんにちは、ネーさです。
 いま流行中のサラダチキン、
 我が家でも愛食しておりますが、
 美味しくて高タンパク低カロリーって
 そりゃボクサーさんたちも食べる訳よね。
 今日はスモーク風味のチキンをパンに挟んでパクっとかじりながら、
 さあ、読書タイムと参りましょう~♪

  



       ―― Dの殺人事件、まことに恐ろしきは ――



 著者は歌野晶午(うたの・しょうご)さん、2016年10月に発行されました。
 2016年度のベストミステリランキングにも上位進出したこの御本は、
 題名からもお分かりのように、
 江戸川乱歩さんのパロディ、
 いえ、違うわね、
 パルティーシュ……でもないし、
 敢えて言うなら――

「りらいとォ?」
「ぐるるー?」(←訳:リカバー?)
「りふれッしゅゥ?」

 この御本に収録されているのは、七つの短編作品です。
 収録順に、

 『椅子? 人間!』
 『スマホと旅する男』
 『Dの殺人事件、まことに恐ろしきは』
 『《お勢登場》を読んだ男』
 『赤い部屋はいかにリフォームされたか?』
 『陰獣幻戯』
 『人でなしの恋からはじまる物語』。

 ↑これらの作品の“底本”ならぬ“底話”となっているのは、

 『人間椅子』
 『押絵と旅する男』
 『D坂の殺人事件』
 『お勢登場』
 『赤い部屋』
 『陰獣』
 『人でなしの恋』

 であることは申すまでもありません。
 
 乱歩さんの作品を、
 舞台を現代に移し、
 オリジナルストーリーをリスペクトしつつも、
 著者・歌野さんの筆遣いで描き直せば……

「けッこうゥ、こわいィ~でスよゥ!」
「がるるるぐるる!」(←訳:ミステリなのに!)

 乱歩さんの原作にも
 “恐怖”の気配は濃厚でしたが、
 歌野さんによるアレンジはホラー的な“恐怖”の味付けよりも
 映画監督A・ヒッチコックさんの
 タッチに近いものがあるかもしれません。
 例えば――

 『赤い部屋はいかにリフォームされたか』は、
 登場人物たちにも
 乱歩さんの原作『赤い部屋』を意識させながら、
 粛々と進行してゆく“舞台劇”です。

「かんきゃくゥせきはァ、まんいんッ!」
「ぐるるるるがるぐるるる!」(←訳:役者さんも名演してます!)

 東京・目黒にある小劇場では
 舞台版『赤い部屋』が上演されています。

 舞台、ですから、
 そこにはもちろん、台本があるわけで、
 何が起こるか、
 どの役者さんがどんな台詞を喋るのか、
 決まっている、のですけれど。

 幕が進むにつれ、
 台詞も、場面も、ズレてゆく……?

 台本にはない出来事が、次々と……?

「よていィがいィ??」
「がるぐるる?」(←訳:収束不可能?)

 主役さんたちがさんざん振り回されたりアタフタしたり、の
 映画『裏窓』や『泥棒成金』を想わせる
 サスペンスフルな物語の結末は――

 どうか皆さま、御自身の眼で!

「まことにィ~!」
「ぐるるがる!」(←訳:恐ろし怖し!)

 表題作品『Dの殺人事件、まことに恐ろしきは』や
 『椅子? 人間!』
 『人でなしの恋からはじめる物語』も
 ミステリ好きさんに、
 そしてヒッチコックさんのファンの方々に
 おすすめの怪柞です。
 ぜひ、一読してみてくださいな~♪
 

 
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梅雨時には、この勢いで!

2017-06-01 21:55:05 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでッス!
 おおあめはァ、いやでスけどォ~!」
「がるる!ぐるがる~!」(←訳:虎です!湿度歓迎~!)

 こんにちは、ネーさです。
 お肌とドライアイには優しい季節がやってきました♪
 さあ、一段と張り切っての6月最初の読書タイムは、
 こちらの小説作品を、どうぞ~!  

  



        ―― 校閲ガール トルネード ――



 著者は宮木あや子さん、2016年10月に発行されました。
 2016年10月~12月にTVドラマ化され、
 『校閲』という言葉とお仕事を世に知らしめた《校閲ガール》シリーズの
 第三作目が、↑この御本です。

「ふァいッ! どらまァ、おもしろかッたでスゥ!」
「ぐぅっるぅるるるる!」(←訳:ファッショナブルで!)

 ファッション雑誌の編集者になりたくてなりたくて、
 出版社――景凡社に就職した
 河野悦子(こうの・えつこ)さん。

 なのに、ああ、なのに、
 配属された部署はといえば、
 校閲部、って……

「むゥ? だいじなァおしごとォ、でスよッ!」
「がるるるぐるる!」(←訳:出版社の生命線!)

 分かってます、分かってはいるんです、悦子さんも。
 でも、夢なんですよね、
 ファッション雑誌の編集者になって、
 企画を練ったり、
 記事を書いたり、
 撮影に立ち会ったりするのが。

 その夢を胸に抱えつつ、
 なぜかいつも事件続き?の校閲部で
 頑張ってきた悦子さんを、
 ああ、本の神様は見捨てなかった!

「ええェッ? というゥことはァ~??」
「ぐるるっ!?!」(もしやっ!?!)

 この『トルネード』に収録されているのは、

 第一話『校閲ガールと恋のバカンス前編』
 第二話『校閲ガールと恋のバカンス後編』
 第三話『辞令はある朝突然に前編』
 第四話『辞令はある朝突然に後編』
 第五話『When the World is Gone~快走するむしず』

 の計5話ですが、
 第三話と第四話の『辞令はある朝突然に』で
 悦子さん待望の――

「じんじィいどうゥ??」
「がるぐる!」(←訳:発令です!)

 それはちょうど、
 6月1日付けの辞令でした。

 憧れの雑誌『Lassy』編集部への
 異動の辞令が?

「やッたでスねッ!」
「ぐるるる~?」(←訳:めでたや~!)

 天高く舞い上がる心地の悦子さん♪

 ただね、舞い上がってばかりはいられないのが、
 編集というお仕事の難しさなんです。

「げきむゥなのでス!」
「ぐるるるがる!」(←訳:五里霧中だし!)

 校閲部とはまったく、あまりにも、
 天地ほども隔たりがあるようなファッション雑誌の編集部で
 悦子さんはやってゆけるんでしょうか?
 
 それに、校閲部のハチャメチャな、あら失礼、
 とっても個性的な校閲マニアさんたち、
 悦子さんの愉快なお友達さんたちの出番は?

「でばんがァ~はいィはずはァ~」
「がるぐるる!」(←訳:無いですね!)

 コミカルで、スピーディで、
 人情のツボもハズレなし。
 
 TVドラマで『校閲ガール』ファンになった方々も、
 ドラマ化される前から読んでるわ!な方々も、
 梅雨時の鬱陶しさを吹き飛ばしたいなら、
 ぜひ、一読してくださいね♪
 おすすめです!
 
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