写真:2021/1/20~21 沖縄 やんばるの森~今帰仁城址
やんばるの森に暮らす、飛べない鳥 ヤンバルクイナ(絶滅危惧種)。赤いクチバシと黒白しま模様が美しい。安田(あだ)クイナふれあい公園で飼育
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
厚労省は1年前の2020/6/29に、「2020年1-4月の死亡者数は、前年同期(2019/1-4月)に比べ、2.1%減少した」という人口動態統計速報を出しました。この時期は新型コロナ感染症が世界中に蔓延し、当然日本においてもその影響が心配されていたのです。振り返れば第1波の初期でしたね。
速報では「コロナ禍の影響が心配されたが、死亡者数は減少した。これはコロナ対策への衛生意識が向上し、他の感染症、季節性インフルエンザなどの死亡者が減ったからだろう」と要因を報告しました。また「(当時)PCR検査等の実施件数が少ないために、患者数や死亡者数が少なくなっている可能性がある」と加えています。
この速報に「ああ、そうなんだ」とちょっとした意外性・驚きと安堵感を覚えた人は多かったでしょう。そして次の速報を待っていました。その後の第2波、第3波の結果も、さらに年間の統計値も知りたかったのです。
すると2021/2/22に「人口動態統計速報(2020/1~12月分)」が出ました。この速報のポイントは
・出生数は、872,683人で過去最低(対前年 25,917人、2.9%減)
・死亡数は、1,384,544人で11年ぶりの減少(対前年 9,373人、0.7%減)
・自然増減数は、511,861人の減少(対前年 16,544人減少)
などです。(速報値と年報値は調整されます)
ここで注目したいのは「新型コロナウイルスが依然として猛威をふるっている」にもかかわらず、日本においては2020年間に死亡者数が減少、それも11年ぶりに減っていることで、相当意外な数値でした。一方で出生数の過去最低値は日本の未来に悪影響を与えかねず、こちらのほうは大問題。後で触れたいです。
それにしても厚労省HPの「人口動態統計」を見ると、これが大変です。たくさんの種類、日付、量…「資料が多すぎて見つからな~い!」。ともかく探し当てたデータは即印刷(保存より印刷が好き)しとかないと、次に見つけるのが面倒なことになるのです。
参考のためにですが、この「人口動態統計」の主な3種類は以下のとおり。
⑴速報:出生、死亡、婚姻、離婚及び死産の各事象について、各種届出書等か ら人口動態調査票が市区町村で作成され、これを収集し集計したものである。速報の数値は調査票の作成枚数であり、日本における日本人、日本における外国人、外国における日本人及び前年以前に発生した事象を含むものである。
(※理解しにくいね~。つまり集計途中だけど、速攻で結果を報告するものと思えばいいの?)
⑵月報:そのうち、日本における日本人についてまとめたものが人口動態統計月報(概数)である。
⑶この月報(概数)に若干の修正を加えたものが人口動態統計年報(確定数)である。
よく聞く「白書」は「政府の各省庁が、その所管とする行政活動の現状や対策・展望などを国民に知らせるための報告書」で、データが主体ではないようです。このような種類があることを初めて知ったよ。
このHPで見たかったのは「死亡数・死亡率(人口10万対)、死因簡単分類別」の2019年と2020年を比較したものです。「呼吸器系の疾患」のなかに「インフルエンザ」「肺炎」「急性気管支炎」「慢性閉塞性肺疾患」「喘息」などがありますが、当然ながら「新型コロナ感染症」項目はないです。おそらく多くが「肺炎」に入るのかな?その表から抜粋します。
|
死亡数(人) |
死亡率 |
||
|
2020 |
2019 |
2020 |
2019 |
インフルエンザ |
954 |
3575 |
0.8 |
2.9 |
肺炎 |
78,445 |
95,518 |
63.6 |
77,2 |
呼吸器系疾患総数 |
172,704 |
193,234 |
140,1 |
156,2 |
全体の総数 |
1,372,648 |
1,381,093 |
|
|
このデータをみるかぎり、インフルエンザは激減しているし、肺炎もかなり減っています。日本において呼吸器系の疾患による死亡者数は、不思議なことに「前年に比べ2万人以上減っている」のです。
これは当然ながら日本医療の優れた人材や技術の高さ、そして高齢者への介護意識も高まっている影響があるでしょう。また国民に対しては、メディア等でコロナ感染対策やワクチンの副反応への心構えまで、わかりやすく丁寧に説明していて、衛生意識・感染対策意識も高くなっています。
NHKの特設サイトによると7/3現在、新型コロナ感染症数は80万5202人、死亡者数は1万4842人です。さらに新しい統計値ではどうなるのかわからないですが、全体として見ると大きな死亡者増につながっていないと考えられます。
しかし世界全体で見た時にこの新型コロナ感染症の死亡者数はまったく違う様相を見せているようす。いったいなぜなのでしょう?初期によく論じられた「日本のミステリー」の本質は、死亡者数の不思議かもしれません。次は世界の死者数を考えたいです。
※なおここでは数値化されたデータを考察しています。新型コロナ感染症や後遺症で困っている方々には謹んでお見舞いを、亡くなった方々にはお悔やみを申し上げます。
とても警戒心が強いので驚かさないように!
やんばるの森近くに泊まると、朝夕にさまざまな鳥の鳴き声が聞けて幸せ~
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます