Chinaを慌てさせたスリランカの新大統領が、首相を解任して前大統領を首相に任命したようです。その前大統領こそがChinaとべったりだったというのですから何が何だか分りません。
何時もの宮崎さんが詳しく書いてくれています。それにしても世界は何が起きるやら。
宮崎正弘の国際 ニュース・ 早読みより 平成30年(2018年)10月28日(日曜日) 通巻第5870号
「れっ、 こんなことありか?」。コロンボの政変
ラジャパクサ前大統領が、スリランカ首相に電撃就任
スリランカで珍型の政変が起きた。
2018年10月27日、シリナセ大統領は親米、親インド路線の有力政治家として知られるウィックラマシンハ首相を突如更迭し、前の大統領で親中派として悪名高いラジャパクサを、首相に任命した。
そのうえ、そそくさと就任儀式を執り行った。この模様はテレビ中継され、スリランカ国民ばかりか、インド政界に衝撃をも たらした。
ラジャパクサ前大統領といえば、スリランカ南方のハンバントタ港を中国に売り渡した張本人である。
中国は99年の租借権を手にいれ、港湾の近代化、工業団地、免税倉庫などを建設中で、付近の飛行場もラジャパクサ空港と 命名された。後者の飛行場は閑古鳥、ドバイ、アブダビからの定期便も客数がすくなくて欠航が続く。
インドならびに西側の軍事専門家は、「中国はハンバントラを軍港にするのだ」と分析した。ラジャパクサ前大統領は、 言ってみれば、「腐敗の象徴」であり、かれを批判して現在のセリナセが大統領に当選したのではなかったのか。
つまり2015年のスリランカ大統領選挙は「借金の罠」に落ちたラジャパクサ前大統領の汚職体質を猛烈に抗議するキャ ンペーンが基軸となった選挙戦だった。インドが背後で野党を支援したといわれる。
ラジャパクサ前大統領は、一方で十年にわたったタミルとの内戦を終結させたが、その強硬な武力発動に対して欧米から非 難の声があがった。落選後、しばらく沈黙してきたが、周囲に押され政界復帰を狙っていた。
とくにラジャパクサ前大統領にとって、インドとの関連が最重要であり、過去三ヶ月、頻繁にニューデリーに出かけてインド 政界へのロビィイングを展開してきたという(『ザ・タイムズ・オブ・インディア』、10月28日)
この政変劇は、シリセナ大統領をささえる与党が連立政権であり、統一自由人民連合党が、とつじょ連立から離脱したため に、議席のバランスが崩れておきた。ラジャパクサ前大統領派の議会工作による。
しかし、「議会が承認するまでわたしは首相の座にある」として、ウィックラマシンハ首相は、27日以来、首相官邸に立て 篭もり、ラジャパクサ前大統領の首相就任に抗議している。スリランカ国会は11月5日に開会される。
おりしも、28日、インドのモディ首相が来日する。
それでなくても、インドは新幹線が土地取得問題で暗礁に乗り上げているということで、モディさんも大変です。と言うか、安倍さんと上手く行っているモディさんだけに長く首相でいてほしいものです。
それにしても、スリランカもどうなるのでしょう。Chinaを喜ばすことだけは止めて欲しいものです。
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