第3080回でQ-Cellsに世界一の座を奪われたかもしれないシャープ、やはりすんなりとは負ける気はないようです。
堺市の新工場でもくろむ“秘策” 2008年2月26日 9時13分
シャープが太陽電池の生産コストを半分にする。既存の太陽電池工場の生産規模を10倍以上に引き上げるとともに、堺市に巨大な太陽電池の新工場を建設。圧倒的な量産効果で一気に低コスト化し、普及を狙う。 1月8日に開かれたシャープの年頭会見。片山幹雄社長は「2012年・創業100周年に向けて」と題して事業戦略を発表した。それは液晶と太陽電池に明確に絞った内容だった。衆目を集めるのは花形の液晶だ。しかし、同社が今後4~5年でより急速に事業拡大を目指しているのは、液晶ではなく太陽電池だ。堺工場で価格革命も? シャープの太陽電池の生産能力は現在、年間71万kWで世界トップ。その大半がバルク(塊)タイプの結晶シリコン型で、薄膜シリコン型は同1万5000kWにすぎない。 現在の太陽電池市場は、変換効率の高い結晶シリコン型が主流だが、シリコン材料の不足が続く中、シリコン使用量が100分の1程度で済む薄膜型が次第にコスト競争力を高め、シェアを伸ばしていくとみられる。 シャープは、今年10月に奈良県の葛城工場にある薄膜型太陽電池の生産能力を年間1万5000kWから10倍以上の同16万kWに増やす。薄膜型の製造方法は半導体と同様、基板にシリコンを化学的手法で蒸着させる。製造装置への初期投資はかさむが、歩留まり良く量産できれば生産効率は高く、一気にコストが下がる。 「2010年に太陽電池の発電コストを現在の半分、1kWh当たり23円に下げるめどがたった」。片山社長は、年頭会見でこう表明した。その裏付けには、葛城工場での薄膜型太陽電池の生産規模の拡大がある。 仮に同23円が達成されれば、一般家庭への普及に弾みが付く。現在は、太陽光発電による電気代削減で、太陽電池の購入費用を取り戻そうとすれば、20年前後かかる。しかし、これが10年前後になれば、経済的メリットによる購入が視野に入る。 だが、シャープの太陽電池戦略の本命はその次の段階にある。2010年3月までの稼働を目指している大阪府堺市の新工場がその舞台だ。 堺工場は、次世代の液晶工場と思われがちだが、同時に世界屈指の大規模な太陽電池工場ともいえる。 シャープは堺工場で、年間最大で100万kWの薄膜型太陽電池を生産する計画を立てている。これは世界トップの生産規模を持つシャープの現在の太陽電池生産能力である年産71万kWを大きく上回る規模。量産効果は、同16万kWの薄膜型を生産する葛城工場の比ではないだろう。 さらに堺工場は、世界で初めて液晶と薄膜型太陽電池の両方を製造することも、コスト競争力を高める。ガラスに化学的手法でシリコンなどを蒸着する工程は、液晶も同じだ。「工程で使うガスを送る設備など、薄膜型太陽電池と液晶で共有化できるものは多い」と、シャープの太田賢司・専務技術担当は言う。 つまり堺工場が本格稼働すれば、太陽電池の発電コストは、1kWh当たり23円をさらに下回る可能性高い。仮に太陽電池が設置後4~5年で元が取れれば、もはや必需品になる。液晶テレビ市場を作ったシャープが次に仕掛けるのは、「1家に1台・太陽電池」時代といえる。(金子憲治=日経エコロジー編集)
なかなか夢のある話です。本当にこれが実現されて発電コストが1kWh当たり23円になれば政府の後押しがなくても需要は一気に広がるでしょう。ワクワクしますね。
蓄電池の方にも手を打っているようです。
日経エコロミーより
(2/26)シャープ・大和ハウス・大日本印刷、住宅用蓄電池で提携
シャープは大和ハウス工業、大日本印刷と提携し、太陽光発電でおこした電力をためておくことができる住宅用蓄電池を共同開発する。2009年度にも共同でリチウムイオン型の専用電池の量産を始める。家庭での太陽光発電の利用拡大と二酸化炭素(CO2)排出削減につながる。太陽光発電装置で世界大手のシャープと国内住宅業界トップの大和ハウスなど異業種が手を組み、地球温暖化防止に向けた家庭のエネルギー転換に取り組む。 太陽光発電は発電中にCO2を出さない半面、昼間しか発電できず蓄電能力もない。太陽光発電を導入済みの家庭では現在、1日の平均的な電力使用量(約12キロワット時)のうち4分の3程度をまかなっているもよう。
これが出来れば、太陽光発電だけで電気を賄うことも夢ではなくなりそうです。こうした独立システムが広がれば、東南海地震などの災害の時にも生き残れる可能性が出てきそうです。
シャープ以下、日本のメーカーさんに頑張って貰って、世界のエネルギー大国の夢を実現して欲しいものです。世界中がエネルギーは太陽光発電でなんてことになれば地球の未来も洋々たる物がありそうです。
散々、無策の政府をバカにしきましたが、民間の力で達成できるとなればそれにこしたことは無いのかもしれません。
是非、実現して欲しい!
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