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すべて彼女のために

2014年05月04日 13時36分23秒 | 洋画2008年

 ◎すべて彼女のために(仏Pour elle 英Anything for Her 2008年 フランス)

 人間は愛する者のためにどこまで法を犯す覚悟ができるのか?

 という主題なんだけど、

 まあなんとも簡潔な主題と題名と粗筋だこと。

 けど、

 ヴァンサン・サンドンが国語教師という知的な職業人ながらも、

 うだつのあがらなそうな風采の中年男であり、腕力にも自信のないことに対して、

 ダイアン・クルーガーのほぼ完璧といっていいほどの美貌と繊細さは、

 夫をして妻を救うために人生を賭けさせるだけのものがあると、

 観る者におもわせてしまう演出力には感服するほかない。

 とはいえ、

 出だしの濡れ場は必要といえば必要なんだけど、

 不可欠かといえばそうでもないような気もするし、

 このあたりは、フランス映画だからええやんって詞に集約させる。

 また、途中の、

 チンピラを殺害してまで目的を渡航費を得ようとするのは、

 う~ん、どうしたもんだろね~とおもっちゃうんだけど、

 このあたりも、フランス映画だからええやんって詞でかわすしかないな。

 でも、そんなこまかいことはどうでもよくて、

 全編を通して、

 その疾走感と緊迫感と哀惜感に、

 なみなみならないものがあったことは、事実だ。

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