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ボッカチオ'70

2014年05月18日 00時00分21秒 | 洋画1961~1970年

 ◇ボッカチオ'70(Boccaccio '70 1962年 イタリア)

 とはいえ、ボッカチオの詩が原作になってるわけじゃなくて、

 1970年におけるボッカチオ的な体裁をとった愛と官能のアンソロジーだ。

 まあ、

 マリオ・モニチェリ、フェデリコ・フェリーニ、ルキノ・ヴィスコンティ、ヴィットリオ・デ・シーカ、

 なんていう連中がアンソロジーを編むなんてことは奇蹟に近いわけで、

 よくもまあ成立したな~って感じではある。

 実際は、モニチェリの知名度が低かったために他の3名のアンソロジーにされ、

 1998年まで、ぼくらは完全版を観ることはできなかった。

 ただ、

 当時はかなりセンセーショナルだったかもしれないんだけど、

 ぼくはフェリーニの撮った、

 アニタ・エクバーグ主演の『アントニオ博士の誘惑』がいいなあ。

 いやもうエクバーグのあまりにも豊満すぎる肉体は、

 男が翻弄されるにはもってこいで、

 日本人だったら、こんな経験したら、たじろいじゃうだろな~。

 あとの3作はちょっと物足りなさがあるんだよね。

 たしかにロミー・シュナイダーは硬質な中に官能が匂うし、

 ソフィア・ローレンの官能的な体には萌えあがるものもあるけど、

 物語がどうも古色蒼然とした観が出てきちゃってる。

 そこへいくと、

 フェリーニはさすがに時を超えて新鮮味があって、

 人生を官能的に茶化したようなすっとぼけ方が、

 ここでも魅力になってる気がするんだよね。

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