◇ダンケルク(WEEK-END A ZUYDCOOTE 1964年 フランス、イタリア)
1940年6月初旬の土曜日、
ダンケルクの近くのズイドコートの情景を描くっていうただそれだけの話ながら、
もちろん、
その当時ダンケルクは大変なありさまで、
そこで兵役についているちょっぴり斜にかまえたベルモンドにしてみれば、
絶望と不安の中でなかば開き直るしかない。
で、やっぱりフランス映画らしく、
戦争のまっただなかでも女性とは出会う。
犯されそうになるところを助けて、
自由にしてくれとせがまれてもそれをしてやれず、
悶々とする中、仲間の兵士たちが死んでいくのを見つめながら、
でもやっぱりふたりで添い遂げるのがいいとおもいなおし、
結婚の約束をしてふたりでここから立ち去ろうと支度をし始めたのもつかの間、
自分は爆撃に想像して死に、
遅れてやってきた彼女は茫然としてゆくあてもなくさまようという、
なにもダンケルクが舞台でなくてもいいじゃんか~とかいわれそうな、
それでいてダンケルクだからこそ物語になるんじゃんか~と反論されそうな、
なんともフランス映画らしい戦争映画だった、
としかいえない。