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大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン

2014年08月14日 22時59分25秒 | 邦画1961~1970年

 ◇大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン(1966年 日本 100分)

 英題 Gamera vs. Barugon

 staff 企画/斉藤米二郎 監督/田中重雄 特撮監督/湯浅憲明

    脚本/高橋二三 撮影/高橋通夫 バルゴン造形/高山良策

    美術/柴田篤二 音楽/木下忠司 ナレーター/若山弦蔵

 cast 本郷功次郎 江波杏子 藤岡琢也 早川雄三 菅井一郎 紺野ユカ 西尋子(現:賀川ゆき絵)

 

 ◇特撮とボク、その26

『大魔神』のところでも書いたとおもうんだけど、

 この封切り時、ぼくは近所の友達と一緒に観た。

 親に郷里の国鉄駅の裏にある映画館まで連れられていって、

 2階の桟敷で体育座りをしながら観た。

 けど『大魔神』にしてもこの作品にしても、

 小学生になったばかりのがきんちょにはちょっとばかり難しく、

 最初の40~50分くらいはよくわからなかった。

 でも、藤山浩二演じるサングラスの男が悪い奴だってことはよくわかったし、

 バルゴンに食べられちゃうところなんか、やっぱりな~とおもったもんだ。

 ただ、この藤山浩二はどこから見ても悪役で、

 この男のせいでみんなが困ってるんだとおもったし、

 そいつをぶん殴る本郷功次郎は子供心にもかっこいいな~とおもった。

 あ、ちなみに、藤山浩二は日本人で初めて怪獣に食べられる役を演じたわけだよね。

 忘れられないのが、赤外線をあてられる駝鳥の卵のような大きさのバルゴンの卵だ。

 オパールっていう宝石があるってことはこのとき初めて知ったし、

 そいつが大人たちを狂わせてしまうくらいの価値があるんだとおもうと、

 そこから生まれてくる怪獣なんだから虹を出すんだてなちょっとした勘違いもしたりした。

 けど、赤外線ってのはなんとなく魅惑的で、

 美顔術なんかに使われてるのはませがきのぼくは実は知っていたりしたんだけど、

 ともかくおとなの使うもので、なんとなく妖しい光だった。

 もっとも藤山浩二は水虫の治療に照射してたわけだから、なんとなくがっかりもする。

 当時、美術助手をしていた高橋章さんの話によれば、

 高橋さんはバルゴンが卵の中から生まれてくるとき、

 その幼体のギニョール人形を操っていたのが高橋さんだったそうだ。

「それが大変でさあ、下からもう勘でこんなふうにのけぞってやったんだ」

 みたいなことだったらしいんだけど、かなりの出来栄えで、

 特撮監督の湯浅憲明も大喜びで、けっこう鼻高々だったらしい。

 それはともかく、

 大映のセットはやっぱりたいしたもんで、

 雪の大坂城はやけにリアルで、

 凍らされたガメラが左手の爪をバルゴンの頬に突き刺すところは凄かった。

 ぼくはこの場面が忘れられず、怪獣の根性をまざまざと見せつけられた気になった。

 ただまあ、

 後々になって考えると、

 熱帯雨林に千年に一度生まれてくる伝説の怪獣が、なんで冷凍怪獣なんだとおもうし、

 雨がじゃんじゃん降ってくるところに生まれるんなら水に弱いのは変だろともおもうし、

 土人の娘を演じてる江波杏子がどうしても日本人にしか見えないし、

 いくら赤外線を浴びて巨大化したんだとかいわれても、

 人間のてのひらに乗っちゃうくらいの赤ん坊怪獣が、

 いきなり80メートルにはならんだろうともおもえたりする。

 とはいえ、

 琵琶湖に沈んだバルゴンの断末魔で虹が湖から立ち上るのは、

 なんとも絵的で、ぼくとしては名場面のひとつだともおもったりしてるんだな。

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