◇吸血髑髏船(1968年 日本 81分)
staff 監督/松野宏軌 脚本/下飯坂菊馬、小林久三 撮影/加藤正幸
美術/森田郷平 特撮監督/川上景司、福田太郎 音楽/西山登
cast 松岡きっこ 入川保則 岡田真澄 西村晃 金子信雄 小池朝雄 内田朝雄 山本紀彦
◇特撮とボク、その35
いかにも往年の推理劇で、怪奇趣味はその味付けといった感じだ。
題名の悪さがどうにもしようがないもんだから、
内容は、一卵性双生児の姉が殺されて、
その妹に霊魂が憑依して仇討をしていくと見せかけた姉妹と夫の復讐劇だけども、
その半分くらいの種明かしが最初にされちゃうもんだから、
まあ、興味を半分そがれた感じで観なくちゃいけない。
行方知れずになってる顔半分にやけどのある海賊の親玉についても、
あまりにも優しい教会の神父が出てきちゃったりすると、
あれれって感じはいなめない。
ただまあ、7000トンの船を借り切って撮影したというだけあって、
船のロケセットはけっこうな現実感があったけどね。
それと、
西村晃と松岡きっこ(双子の姉の方ね)の復讐譚にはなってるんだけど、
これが吸血鬼なのか悪霊なのか現実の生き残りなのかってのが、
いちばんの興味を引くところで、これは上手に物語に活かされてた。
「おもったよりも拾い物」
っていう感想は、観た者に共通してるんじゃないかしらね。
あ、それから、
松岡きっこのおっぱいがカラーで観られないのは残念なところではあるけど、
この映画、わざわざ白黒で撮影されたから良かったのかもしれないね。
種明かしになるからあれなんだけど、
西村晃が吸血鬼に見えるのは、
3年間も間、松岡きっこ姉の死体に自分の血を輸血し続けたからで、
となると、題名の吸血ってどういう意味だったんだろねって話にならない?
ほんと、この題名、よくないな~。
もうすこし怖そうだけれどもサスペンス色の漂う題名ってなかったんだろか?
それにしても、なにがいちばんいけないって、ポスターだろ。
これ、だめだよ。