平成23年度の同大公開講座が始まった。
今年は、自然科学から見た歴史。800名の応募の中から、抽選で400名になり、教室満席の参加者。いつものように、熱心なシニア連中。本日は、
奈良文化財研究所の山崎健研究員の「動物遺跡から見た考古学」。1点の骨から、動物の大きさ、病変、利用のされ方(役畜、祭司、贈答品 等)、人間の生活、大陸とのつながり、まさに文化そのものが、発展過程がわかる。
非常に熱心に調査され、次から次へとわかってくる楽しさ、喜びが、お話を聴いていて、ひしひしと伝わってくる。
学ぶということはこうでないといけないと痛感した。また、話を聴いていて、武士の家計簿の磯田道史さんを思い起こした。若手、寝食を忘れて熱心に調べる、生きる、楽しみ、幸せということをわかりやすく伝える、
声に張りがある、輝いている、・・・このようなことが二人共通に感じることである。いろんなしがらみに影響されずに、独自に進める、若手の考古学、歴史家、良いねえ。「邪馬台国は、畿内?九州?どちらと思いますか?」という、俗世間の質問に対して、「どちらというよりも、両方に、大きな国があったと考えるほうが良いではないですか」の返答に、
場内大拍手でした。まさにこういう考え方・生き方を、人生を少しでも味わいたいと思い、頼もしい若者だなあと感心しながら帰途についたのである。