バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

素直な男の子とお母さん

2010年12月08日 19時26分11秒 | バス運転士

午前9時頃、お出掛けのお年寄りで8割ほどの座席が埋まった状態で、ある路線を走っていた。そこへ一組の母子が乗ってきたのだが、奇跡的に“助手席”が空いており、男の子は「やったぁ~! ラッキーだったね」と言いながら助手席に座った。

ずっと続いている母子の会話を聞き流しながら、私はバスを発車させた。その後、赤信号で止まってアイドリングストップして、青信号に変わって再び発車させたところ… 男の子が「いい音楽だったね」と言ったのである。お母さんはそれが恥ずかしかったのか、なぜか小声で「静かにして…」と言っていた。

私は「そうか、アイドリングストップ中のメロディーが気に入ったのか… いつもより多めにやらなきゃいかんかな?」と思っていた。そして、少し長めの赤信号で止まってメロディーが流れた時、それまで母子の会話をしていた男の子が急に黙ったので、私が「音楽の感想を言うのかな?」と思っていたら… 男の子は「鼻の中がかゆい」と言った。期待していた私はちょっとガッカリ…

その後、終点の某駅直前の長い赤信号で止まっていたら、男の子が再び「ホントにいい音楽だね、お母さん」と言った。同意を求められたお母さんは、やはり恥ずかしいのか「静かに…」と言っていた。普通に「ホントだね。いい音楽だね」と会話を続ければいいのに… なぜかそこだけ会話を拒否… 不思議だ…