あるバス停で降車扱いをして、扉を閉めて発車して、すぐに降車ブザーが鳴って、目の前の信号はまだ青… 私は「これならば、次のバス停まで行けるぞ」と思ったその時! すぐ左側の歩道上に立っていたお爺さんが、私を見ながら杖を大きく振り回したのである。
一瞬、なにがなんだか分からなかったけれど、「ひょっとして… バスに乗ろうと近付いてきたお爺さんに、私が気付いていなかったのか!?」と思った私は、バスを止めて前扉を開けた。
そして、私が「乗られますか?」と尋ねると、お爺さんは「いや、乗りゃ~せんよ。ワシの家はココだもんで…」と言いながら、背後の立派な一戸建てを指差したのである。まったく予想外の返答に、私は思わず笑いそうになってしまった。
まさか… お爺さんはそれが言いたくて、わざわざ杖を振り回してまで私にアピールしたのだろうか? あるいは、単なるウケ狙いだったのだろうか? う~む… これだから人間は面白い~(なんのこっちゃ!)