バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

おじさんの土日切符

2011年05月08日 16時20分59秒 | バス運転士
あるバス停で一人の女性が待っていた。ちょっと離れたベンチで一人のおじさんがふんぞり返っていた。私がバスを止めて扉を開けると、女性は“女神の笑顔”で乗ってくださいました。ワンテンポ遅れて、おじさんが乗ってきて… 「あれ、どこへやったかな?」と言い始めた。


私は“いじけるジャイアン”に変身して、ただジィ~ッと待っていた。すると、おじさんは「あった、あった!」と言いながら、土日切符の裏面(日付が印字されている側)を見せてくれたのだが… その日付が“二日前”だったのである。


私はすぐに「あ、すいません! それは…」と呼び止めた。すると、おじさんは「あれ? 違ったか… 今日も買ったんだけどなぁ~」と言って再び探し始めたのだが… 結局、早々に諦めて現金200円を運賃箱に投入して“背後席”に座った。


バスが走り出して僅か1~2分… 赤信号で止まった時に、背後からおじさんの手が伸びてきて… 私に“本日の土日切符”を見せながら、「ほら、やっぱりあった」と小声で言った。それも、やや自嘲気味に… だから私は、それは「200円を返せ」という意味ではなく、「ただ一緒に笑って欲しかった」のだろうと思った。


が、600円の土日切符を買っていながら200円の追加支払いは大きい。例えば“日本国内のすべての乗り物… ジャンボジェットからジェットコースターまで1日乗り放題で1万円!”みたいな切符を買っての200円追加ならばまだしも…(そういう問題ではないか!?) ということで、200円を返金した(当たり前じゃ!)


追記
おじさんは「えっ!? 返してくれるの? 申し訳ないねぇ… 以後、気を付けます」と言ってくれた… それはいいけれど、二日前って… 5日じゃないですよねぇ? そりゃ三日前だ。ホント、この仕事を始めてからは曜日や日付の勘違いが多くて… もちろん私のボケもありますがね。ハハハ…