あるバス停で数名の乗客が待っていた。その中には自転車に跨った若い男性もいたけれど、彼は若い男女の見送りに来ているだけのようだった。そして、その男女が最初にバスに乗ってきて…
女「ねぇ、いくらぁ~?」、男「200円じゃないのか?」、私「はい、200円です」、女「どうやって払うのぉ~?」、男「現金でいいんじゃないのか?」、私「はい、ココへ入れて下さい」
女性は財布から小銭を出して「カラン、カラァ~ン!」と200円を… 否、110円を入れてくれたのだった。女「いやだぁ~! 110円だってぇ~!」、男「ハハハ…」、女「どうすればいいのぉ~?」、男「それは…」、私「100円を入れれば、10円が戻ってきますから…」
女性は黙って100円を入れて、出てきた10円玉を手にとって… 男性はすんなり200円を入れて… 二人仲良く“車内観覧席”へ向かって歩いて行った… 私は、いつか読んだ漫画の「時の刻みはアンタだけのものじゃない」という台詞を思い出しながらも、実はちょっとだけ羨ましかったりして…