バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

「落ちましたよ」

2012年12月25日 22時02分12秒 | バス運転士

某始発地点で3人のお婆さんが乗り、1人は中扉のすぐ後ろの席に、1人は通路を挟んだ反対側の席に、もう1人はその前(中扉の正面、車椅子用スペース)の席に座った。順にAさん、Bさん、Cさんとする。(数学の問題みないだなぁ…)

つまり、AさんとBさんはノンステップバスの低い床から階段(2段だけど…)を上がった席に、Cさんは低い床の席に座ったのである。3人の中で“買い物カート”を引いていたBさんだけが、足腰に不安のありそうな歩き方だった。

そのBさんが買い物カートの置き場所を決めようとゴソゴソやっていたら、何か(多分、フリーパスの入ったカードケース)がポロリとCさんの足元に落ちてきた。すぐに気付いたCさんは「落ちましたよ」と言いながら、そのカードケースを… なぜか拾わなかったのである。

カードケースを指差すCさんの人差し指が、カードケースに触れそうなくらいの位置にありながらも、ただ「落ちましたよ」を繰り返すだけだった(潔癖症なのか!?)。Bさんは弱った足腰を駆使してゆっくりと階段を下りてカードケースを拾い、再び階段を上って無事に着席した。ふぅ… Bさんが落ちなくて何よりであった…