あるバス停で乗った男性が、運賃箱上のICカードセンサーに「ドンッ!!」と思いっ切り財布を叩きつけた。何が入っているのか分からないけれど… とにかく分厚い財布だった。そのせいかセンサーが反応せず、男はもう一度「ドンッ!!」と叩きつけた。
すると「ピッ」とセンサーが反応して精算完了… 男は「入った?」と言った。「機械を壊す気か!? この野郎は…」と思った私は、そいつの方を見ずに「ハイ」と機械的に返事をした。私の瞳の中の燃え盛る炎を見られたら、アクシデントが起こったかもしれないから… なんちゃって!
また、あるバス停で乗った女性がICカードをタッチさせたけれど、残額不足で精算できなかった。私が「この段階では、まだカードから引かれていないんですけど… どうされますか?」と精算方法について尋ねた。要するに、一旦カードに入金してからカードで200円を支払うのか、カードを使わずに現金で200円を支払うのか… という意味である。
すると、女性は「不足分を現金で支払います」と言ったのである! 例えば、カードに50円しか残っていなかった場合… まずはカードから50円を引いて、その後に現金で150円を支払うことができるのだが… そのカードには4円しか残っていなかったのである。
驚いた私が「えっ… と… 196円を現金で支払うということですか? それはちょっと…」と困惑の表情を見せると、女性は「あ、いいです。全部現金で払います」と言って200円を運賃箱へ入れた。以前の磁気カードと違って“残額が印刷されない”ので、タッチしてから思い出す残額不足… 一方、タッチしてから思い知らされる認識不足… 妙な誘惑に負けないように… なんのこっちゃ!