“バスを降りるお客様が「ありがとう」と言ったら、何らかの反応をしましょう”みたいな指示というか、お願いというか… そんな紙が掲示されていたのだが、私は「へ?」と思った。だ、だ、だって… そ、そ、そんなの… 言われるまでもなく、条件反射のように「ありがとう」って言っちゃうでしょ!?
バスを降りる人をミラーで見ていると、「ありがとう」と言う代わりに手を上げる人もいれば、軽く会釈をする人もいて… いずれにせよ、それらを見たら反射的に「ありがとうございました」と言ってしまうものである。
ただ、私が“乗ってくる人への対応”に神経が行っていて気付かなかった場合や、「今のは乗客同士の挨拶だな」と思った場合には反応しないこともあるし、私に言ってくれたのかどうか迷った場合には、声が小さくなってしまうこともある。
さて、昨日の午後… お母さんと一緒に降りた男の子が「ありがとうございました」と言ってくれたようだったが、私は乗ってくる人への対応中で気付かず… 「あれ? 今、ひょっとして!?」と数秒後に気が付いた… ということがあった。
私が「しまったなぁ… 何の反応もしてあげられなかったなぁ…」と思っていたら、バスの前方を歩いていた母子が立ち止まり、男の子が振り向いて手を振ってくれたのである。
私は「おぉ~! 敗者復活戦だぁ~ ラッキー!」と思いながら手を振り、バスを発車させてから車外スピーカーに切り替えて「ありがとうございましたぁ~」と言った。もしも男の子がそのまま去っていたら、私はモヤモヤ気分で事故っていたかも!? ありがとうぅぅぅ… って、ちょっと大袈裟かな? ハハハ…