現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

「川端康成」にも代作疑惑?

2014-02-08 21:28:14 | 虚無僧日記
毎日新聞2/7のコラム欄「余禄」
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菊池寛には、他人が代作した小説も多いといわれる。
『不壊の白珠』は川端康成が書いたものという。
その川端にも、他人が代作したらしい作品が少なくない。

『乙女の港』は、当時川端に師事していた「中里恒子」の
草稿に 川端が加筆、手直しをして出版されたもの。
「中里恒子が川端康成の代作をしていた」というのではなく、
若くて芽の出ない作家に原稿料を渡して(生活を)援助
するという意味合いもあった。

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なるほど、このような 有名作家の「名義貸し」は
「代作疑惑」とは ちょっと違うかな。

ちなみに、松本清張にも、「清張工房」と呼ばれる代作
スタッフを抱えているという噂があったが、こちらは、
出版社の編集担当者が否定しており、清張自身もまじめに
反論している。


さて、今回の「佐村河内」の“代作疑惑”はどうとらえたら
いいのだろう。作品自体は、私も すばらしいと思う。
だが、いかに作品が良くとも「新垣隆」氏の名前では、
売れない社会の事情があった。「広島被爆二世、全聾、
手に包帯、サングラスに長髪という麻原教祖のような風貌」。
「佐村河内」という風変わりな姓。そうしたインパクトの
ある品書きが無ければ売れない世の中ということを 明らかに
してくれたのではないか。

「虚無僧」だって、もともと世をしのぶ“偽装・偽僧”。
“ただの虚無僧”では マスコミには載らない。
「慶応卒、保険会社勤務」の前歴。そこから一転「失職、
離婚、帰る家無し、借金地獄、そこからの再起」という
ドラマがあるから、マスコミ各社が取材に来、NHK
までも30分特集で放映してくれた。でも「新垣」氏の
描いたストーリーにくらべれは、私は小さい小さい。

『東日流外三郡誌』の「和田喜八郎」のように、そして
「佐村河内」のように、でっかいストーリーを創らねば」と
思う私って“変”ですか?、いけませんか?