現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

廃仏毀釈は山本覚馬の献策?

2015-11-09 07:54:42 | 虚無僧日記

明治4年「太政官布」によって「廃仏毀釈」が行われ、虚無僧の

普化宗や山伏の修験道も廃止された。日本の伝統的宗教である

仏教を禁止するという大胆な施策は、どうして出されたのか。

それを提言したのは、なんと、会津藩士の「山本覚馬」。

NHK大河ドラマ『八重の桜』で知られるところとなった、八重の兄

である。

慶応4年(1868)1月、鳥羽伏見で幕府方が敗れると、京都に

留まっていた山本覚馬は捕らえられ、投獄された。その時、すでに

目は見えなくなっていたが、付き人に口述筆記させて『管見』という

建白書を西郷隆盛に差し出した。新しい世になった時、日本が

改革すべきことを23項目にわたって詳しく論じたものである。

政治、経済から庶民の生活様式にいたるまで、実に細ごまと

具体的に述べている。その中に「仏教の廃止」が盛り込まれている。

 

「今、日本には45万軒ほどの寺院があり、僧職に就く者が

100万人もいるが、法を弁(わきま)え戒律を守る者は千人に一人。

悪行をせざる者は百人に一人、わずかにあるのみ。

その他の僧侶は皆肉食をなし、婦女を囲い、甚だしきは

寡婦を奪うに至る。物欲は俗人よりも強く、金貸しまでしていて、

世に益無し。これを廃するのが可なるべし。

これよりは、寺はみな学校とし、僧侶には農業、商業の実学を

学ばせ、官許をもって資格を与え、商人には英語、仏語、

算術を、農民には農業を、人に益ある事を教えしむべし。

それがダメな者は、農民、職人に帰属して、社会の富の生産に

従事させるべし。そうすれば、一千万金の益を生むことになる。

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江戸時代なのに、「僧侶が肉食、妻帯」とは驚き。「仏像を擁して

墓を守るのみ」と、現代と全く同じことを言っているのである。

今日の仏教への批判は、すでに江戸時代の庶民も同じで

あったことがわかる。

正規の寺や僧侶でさえ、このように見られていたのだから、

虚無僧などは、無頼漢のなにものでもなかったのである。。