現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

天才と凡人

2018-07-19 19:40:07 | 地球人類の問題

天才と凡人、脳の中身に差はないそうだ。
人間とチンパンジーも、遺伝子は2%しか違いが
無いとか。

爪の細胞は、皮にも髪の毛にもなりうる総ての
遺伝子を持っているが、その中で爪になる遺伝子
が開花すると爪になるという。

その理論から行くと、すべての人間は、あらゆる
能力を持っているのだが、そのほとんどが閉じた
ままの状態にある。

たとえば、赤ん坊がハイハイし、立って歩けるように
なるのは、その能力を開花させたからだ。そのように、
スポーツマンとしての能力を開花させることによって、
その部分の筋力が付き、他人と違う身体になる。
天才も、その部分の能力を開花させたわけで、誰でも
開花できる能力は持っている。開こうという“気”が
無いと凡人のままなのだ。

なるほど、私も「尺八を吹く」という能力を開花させた。
「暗譜はできない」とあきらめていたが、「その能力を
眠らせていただけ」と思うのだが、どうしたら暗譜する能力を
開花できるのかがわからない。


「誰でもよかった、殺してみたかった」

2018-07-13 12:06:45 | 社会問題

H20年、17人が死傷した東京・秋葉原の無差別殺傷事件から
早10年。この10年で全国の通り魔事件は67件に上る。

「通り魔」というのは、犯人と被害者の間に面識が無いから
なかなか捕まらないというやっかいな事件だったはずが、
最近は「捕まる」ためにやったとか、
ますますややこしくなってきました。

そして、犯人は「精神異常」と 鑑定されれば
「無罪」となるから、まったく“やられ損”。

特に最近は、衆人環視の中での犯行で、周りに
大勢人がいながら、誰も取り押さえようとしない。
“傍観者も共犯”なんて云えない時代になった。

ところで秋葉原事件の犯人加藤智大は2015年最高裁で                                              死刑判決を受けたが、判決を不服として再審請求中。                                        精神障害を理由に無罪を勝ち取ろうというのか。

この事件は、厳しすぎた母親の教育が問題とされた。                                            その母親は、神経をすり減らし、離婚して精神病院に。                                          

気の毒なのは弟の優次。2014年28歳で命を絶った。                                       会社を辞め、住居も職場も点々とし、恋人も離れていった。

270枚もの手記を残していた。 

「加害者の家族というのは、幸せになっちゃいけないんです。                                   それが現実。僕は生きることをあきらめようと決めました。                                    死ぬ理由に勝る、生きる理由がないんです。どう考えても浮かばない。                               何かありますか。あるなら教えてください」

 


死刑廃止論

2018-07-12 09:11:18 | 社会問題

瀬戸内寂聴が「死刑廃止論」の先鋒に立って、批難を浴びている。                                 「被害者の心情を逆なでした」と。僧侶になるには、得度授戒で、                                 五戒を守ることを誓約する。五戒の第一は「殺生の禁」。死刑も人が                                      人を殺すのだからダメというのが仏教徒の立場。

一人娘を殺された磯貝利恵さんの母親は、断固死刑を求めて                                       署名運動を行った。その心情は察するに余りある。殺害した犯人は                                 「死刑になるのが怖くて」自首してきた。

光市母子殺人事件の犯人も、「長くて8年で出られるから」
と反省の念がない。「最後に笑うのは“悪”なのが今の世」
とも手紙に書いている。

光市の被害者の夫 本村洋氏は、論理的に「被告に死」を求め、                                   世間に一石を投じた。

「近代法は、被害者の遺族に代わって法の下で裁くことと
し、復讐を禁じたが、本村氏が投じた“復讐論”は、近代
法制度の欺瞞と限界を暴露した」という。
裁判では、被告の権利は守られるが、被害者の心情や
権利は全く無視されてきた。本村氏は「被害者の権利
を守る会」の先頭に立って、この裁判制度と戦ってきた。

しかし、「死刑廃止」は世界の主流。大半の国が死刑を                                          廃止しているとのこと。
アメリカを除くキリスト教国では、「人を裁くのは神のみ」                                    という宗教心からのようだ。ならば、仏教も同じなのだが、はて。


「光 市母子殺人事件」

2018-07-09 16:37:18 | 社会問題

「山口県光市」の名を有名にした「母子殺人事件」。

「20歳未満の少年への死刑適用」「死刑廃止論」
「被害者の権利」「精神的成熟度」と、多くの
テーマを投げかけた事件だった。

「無期懲役」とした平成12年の1審判決後、被害者遺族の本村氏は
涙で声を詰まらせながら「被告を早く社会に出してほしい。
私がこの手で殺す」と叫んだ。私も、本村氏の立場だったら
そう叫ぶだろう。いつもそう思っている。
「裁判なんかいらない」と。

13年の歳月で、本村氏も成長し、客観的、冷静な判断で
言葉を選ぶようになった。

「社会でやり直すチャンスを与えることが社会正義なのか。
命をもって罪の償いをさせることが社会正義なのか。
どちらが正しいのか、とても悩んだ」と。そして、
「死刑確定」の判決結果に「裁判の結果に勝者はいない」。

「死刑確定」となっても、日本では、即「死刑」が執行
されるわけでもなく、「再審請求」もあって、堂々めぐり。


一休さんの名言

『世の中は 乗合船の仮住まい、善し悪し共に名所旧跡と悟るべし』

「善人、悪人あって世の中面白い。悪人がいなければ
閻魔様も困るだろう」というようなことも云っている。
だが、そこまで達観、諦観できないのが、凡人の業(ごう)か。


 


永田洋子の死

2018-07-08 05:04:12 | 社会問題

オウムの麻原教祖こと松本智津夫が処刑されたことで、                                      浅間山荘事件の永田洋子のことを思い出さずにはいられない。


「永田洋子(ひろこ)」は死刑にならず、獄中で病死した。65歳だった。
私より3歳上。昭和42年私が慶応に入った年、永田洋子は
共立薬科大学を卒業して、一時 慶応病院の無給研究生だった。

その後「ベトナム戦争反対」に端を発して「70年安保闘争」が
過激化し、セクト間の抗争も相次いだ。私など、学生服を着て
尺八なんぞを持っているものだから、「右翼」として 襲われる
対象だった。

その後、学生運動は沈静化し、行き場を失った連中が、逃走の
過程で 仲間割れし、陰惨な殺戮を行った。永田洋子の命令で
「総括=処刑」されたのは12人。なぜ 大の男が 小柄な永田の
ヒステリーにおとなしく従ったのか、政治思想うんぬんより、
追い詰められた人間のエゴ、嫉妬として語られる異様な事件だった。

当時「総括=死刑」という言葉が流行語になり、赤塚不二夫の
漫画だったか、すぐ「死刑!」というギャグもあった。

事件から40年。時折「あの永田洋子が まだ生きているらしい。
ぬくぬくと国庫で生かされているのか」などと 話題に上って
いたが、20年も前から、脳腫瘍を煩い、激しい頭痛に苦しみ、
目も見えなくなり、最近は、言葉もままならず、寝たきりの
状態が続いていたという。

殺された者の怨念か、清盛のように 業火に焼かれる苦しみを
味わって果てたか とさえ思えてくる。

それについて、瀬戸内寂聴が、永田洋子と手紙を取り交わして
おり(その数は300通にも上る)、次のように述べている。

「よくもあれだけ殺して平気で生きられる」という声も、
私(寂聴)はよく聞く。そんな時、私は『汝の罪なき者、石を
もて彼女を撃て』と言ったキリストの言葉を思い出さずには
いられない」と。



永田洋子と瀬戸内寂聴の往復書簡

2018-07-08 05:00:33 | 社会問題

永田洋子(ひろこ) は、瀬戸内寂聴に300通を超える書簡を
送っていたと云う。本になって出版されている。
『瀬戸内寂聴・永田洋子往復書簡―愛と命の淵に』 (福武文庫)

永田洋子は、逮捕されたのが 1972年。27歳だった。その
12年後の1984年に脳腫瘍の手術を受けた。39歳で脳腫瘍。
その後、脳萎縮で、激痛に苦しみ、目も煩った。彼女の
手記によれば、

「激しい頭痛がする。夜中に思わず痛さで飛び起き、獣の
ような うめき声をあげずにはいられないほどのものであり、
そのうち身体じゅうに電流を流されているような感じになり、
そのときは声をあげて泣きわめかずにはいられなくなる。
やがて足がもつれ、歩いている途中でも倒れるようになる。

便器に腰掛けたまま失神し、転げ落ち、嘔吐する。床に
流れた糞尿のなかに顔をつっこんだまま気絶からさめない。
日によっては洗面器二杯にも吐くことがある。手足がはげしく
痙攣しはじめる」

実に、死刑執行より苦しい生き地獄だったようだ。それは、
情け容赦のないリンチを受け、糞尿垂れ流しの辱めを受け
ながら死んでいった者たちの祟(たた)りかと、世間の人は
思うだろう。

しかし、瀬戸寂聴は、「人は皆 死ねば 仏様になるのですから、
死んだ者が祟ったり、悪さをすることはありません」という
「法華経」の心で、永田洋子を励まし続けた。

私も「幕妄想」「地獄・極楽も、前世も来世も、輪廻転生も、
因果応報も、所詮は人が作った妄想」という禅宗の立場で、
「 霊魂の祟り」とか「除霊」などは 本来の仏教にはないと
否定してはいるが、そんな私でも
永田洋子の病は「因果応報」と思ってしまう。

宗教は人が作ったものだが、宗教心があるから、人の人たる
所以であって、宗教心が無ければ、獣にも劣る「鬼畜」か
とも思う。

親鸞や日蓮だったら、永田洋子をもどう救うのだろうか。
「『南無阿弥陀仏』あるいは『南無妙法蓮華経』と一心に
唱えれば極楽往生できる」と説いて、それで 永田洋子は
救われただろうか。永田洋子が救われれば、殺された14人の
人たちの霊は浮かばれるのか。霊が存在しないならば、
遺族の感情はどうなるのか。

永田洋子の 死刑執行より辛い 生き地獄の末の死によって、
宗教の根幹を考えさせられる。






オウム真理教の林郁夫君は一年先輩

2018-07-07 17:08:28 | 社会問題

 オウム真理教の麻原こと松本智津夫以下6人の幹部の死刑執行が行われた。

6人の学歴

①土谷正実 筑波大大学院で有機化合物を研究。「化学班キャップ」としてサリンやVXなどの製造に従事した。 

②遠藤誠一 京都大学卒、大学院を中退。炭疽菌などの培養を担当したほか、「厚生大臣」としてサリン生成に関与した。

③新実智光 愛知学院大学

③井上嘉浩 京都の私立洛南高等学校高校卒、日本文化大学中退

④中川智正 京都府立医科大学 

⑤早川紀代秀  神戸大学農学部、大阪府立大学大学院

この他、死刑囚では、豊田亨(東大理学部)、広瀬健一(早稲田・理学部)、端本悟(早稲田)

松本智津夫も東大を目指していたが、三度不合格。

いずれも高学歴に世間は、唖然、愕然、驚愕。

 

そしてもう一人、死刑にはならなかったが「林 郁夫」。

彼は、慶応中等部の一年先輩だ。妻となったのは、私の一年後輩の芦田りら。

二人ともに成績優秀で、医学部に進んで医者になった。

中等部から医学部に進むのは至難の業。私も医学部指向だったが、挫折した。

林郁夫は 慶大医学部を卒業後、米国の名門病院などで勤務し、国立病院の医長を務めた。

心臓外科医。誠実さと手術の技量の高さが評判だったという。

石原裕次郎の治療に当たったこともあった。

彼は、中等部の頃からおそろしく生真面目な性格だった。

現代医学の力でも治せない病がある。八方手を尽くしても快癒せず

亡くなっていく患者に、医者としての責任を強く感じた。

また、逆に余命宣告された患者が元気に生き続けている例もあり、

西洋医学以外の力で治せるものがあるのではと、麻原の超能力を頼った。

夫婦してオウムに入信し、塾員名簿の職業欄には「オウム診療所」と

書かれていた。

 

麻原の“空中浮遊”が仏教でいう“解脱”だったのか、まやかしのトリックだったのか、

明かされることなく裁判が決着し、死刑執行されたのは残念。

空中浮遊や最終解脱は 虚無僧が祖と仰ぐ「普化」の行状と同じ。

普化の空中浮遊(=最終解脱)を信じる普化宗(虚無僧)は、

一歩間違えばオウムと同じ。他人事ではない。

 


松本智津夫は気が狂ったか

2018-07-07 17:03:07 | 社会問題

オウム真理教の麻原教祖こと松本智津夫の死刑が執行された。

収監されてからの松本は、意味不明のことを口ずさみ、

人との面談もできない状態だった。大小便は垂れ流しで

それを不快とも思わぬ異常ぶり。死刑執行を言い渡された時

その意味を理解し、受け入れられたのか。死刑執行時の反応が

気になる。というのは

刑事訴訟法479条「死刑の言渡を受けた者が心神喪失の状態に在るときは、

法務大臣の命令によつて執行を停止する 」という規定がある。

死刑の意味を分からない状態にある被告人を死刑に処しても、

死刑の制裁的意味がないことから規定されているものとのこと。

となると、心神耗弱状態にあった松本智津夫の死刑執行の可否が

問題となる。

死刑執行を免れるために、精神異常を装っていたのか。

拘置所の担当医師?は「偽りの演技ではなかった」と証言している。

ということは、完全に廃人だったということ。

それでも、死刑執行を強行されたのは、背後に大きな力が働いたため

との説も。彼が廃人となったのは、薬物で そうさせられたとも。

不可解。


消える職業 残る仕事

2018-07-07 09:32:59 | 社会問題

社会が大きく変わる。2020年までに 「90%なくなる仕事」

電車の運転士・車掌、レジ係、通訳、速記・ワープロ入力、

プログラマー、新聞配達員、レンタルビデオ、ガソリンスタンド、

高速道路の料金徴収業務、仲卸業者、小規模農家、兼業農家、

大手電力会社、自然エネルギー関連、参議院議員、専業主婦、

取締役、中間管理職、受付・案内業務、一般事務・秘書、

オペレーター・コールセンター、訪問型営業、金型職人、倉庫作業員、

工場労働者、コピー・FAX・プリンター関連、証券・不動産ブローカー、

ヘッジファンドマネージャー、証券アナリスト・ファイナンシャルプランナー、

生保レディ、教員、交番の警察官

新聞をとっている人は激減。レンタルビデオ店も姿を消した。

ガソリンスタンドもどんどんつぶれている。名古屋では、もう交番に

お巡りさんはいない。無人交番ばかり。工場も機械化で無人。

企業を訪問しても、どこも受付嬢などいない。生保レディも減りつつある。

参議院も不要論が出ている。

ビットコインで、銀行も無くなる?

さて、ではどういう職業が生き残れるか。これが意外と少ない。

クリエイトな仕事として、「経営」「財務」「エンジニア」「教育」「芸術」

「ヘルスケア業務」程度しか明記されていない。

その整体、マッサージ師は もう供給過剰で 収入が無いそうな。

人が増えている職業のトップは介護士。

クリエイティブを要求される芸術や、人の心に働きかけるセラピスト、

最先端の技術を開発するエンジニア。スポーツ選手とスポーツ業界。

芸術家は生き残れる!?。これで喜んではいけない。既存の曲を

演奏するだけの演奏家はもう要らない。

電子オルガンは、一人でオーケストラの曲を演奏できる。

もう、弦楽器、管楽器、打楽器等の個々の演奏者は不要になってしまう。

その中で演奏家として食べていくには、個性、創造性豊かな

エンターテイナーでないと生き残れない。尺八家もそうだ。

 


「尺八を尻で吹く」

2018-07-06 22:06:26 | 虚無僧って?

「名古屋叢書」第七巻 地理編(2) p.19

「金鱗九十九廼塵」 巻第26 保寂堂楳渚 著

【久屋町】  京町通より杉ノ町筋の間、凡そ2町  旧名を干物町という

家数68軒 

東照宮御祭礼 警固 籠輿丁15人

▲清洲越輩 絶家 白木屋伝治郎 

高祖小崎伝治郎と申す者、慶長16年 清洲より当 久屋町へ引越。

安永3 (1774) まで七代相続。

この7代目「伝治」は、ある時、普化僧 笛を吹いて門付けに来たりけるに、

これを聞いて言ふようは、「さてさて、拙(つたな)き音色かな。さは尻にても

吹かるべし」と 独りごちに嘲笑すれば、かの普化僧 門口に立ちながら、

これを耳にとどめて、内へつと入り、伝治に向かい大いに腹立て、

「いかに 主、尻にて吹けるものならば吹いてみせられよ」と、持ちたる

尺八を投げつければ、伝治 「いと心易し、望みならば吹いて聞かせん」と、

尺八 おっとり逆さまになし、笛の尻より 鶴の巣篭もり、或いは六段の

秘事など 吹いて聞かせれば、普化僧は 誠に肝を冷やし、初めの言葉にも

似気なく、舌ぶるひしてぞ 逃げ失せしとぞ。

元禄12年(1699)6月  御改めに付き書き上げの記」

 

実は、「尺八を逆さにして管尻で吹いた」という話は、江戸初期にすでに

みられる。三浦浄心の「慶長見聞録」に「大鳥逸平の話」として載っている。

七代目「伝治」は、この「慶長見聞録」を読んでいたと思われる。