おぢのニセコ山暮らし

山暮らしと世間のあれこれを書き綴ります

貧しくて結婚できないニッポン

2016年11月02日 | Weblog

 

午前6時の気温はマイナス2度。

しらしらと夜が明けてきましたが、6時現在、街灯は点いたまま。

今年の冬至は12月21日だそうですから、さらに日が短くなる。

何とも淋しいきょうこのごろ、いつも書いてますけど、おぢはこの時期が一番苦手ですわ

それに加えて10月下旬から例年になく寒い日が続いております。

今週は寒さが続くようです。今年は冬の訪れが早いけど、雪の量はどうなんだろ?

多けりゃ除雪でしんどいものの、深雪パウダーもたくさん楽しめるわけで、痛し痒しのおぢじゃ。

ご当地の人気スキー場、ニセコグラン・ヒラフスキー場は今月23日、あと20日あまりでオープンの予定です。

さて、

厚労省の政策研究機関である「国立社会保障・人口問題研究所」というところが、9月15日に「第15回出生動向基本調査」というもんを発表しておる。

平たく言うと「結婚と出産に関する全国調査」だそうな。

これによると結婚への障害は「結婚資金」が最多だという(結果の概要8ページ)。

結婚意思のある18~34歳の未婚者に、結婚への主な障害を聞いたら、男の43.3%、女の41.9%が結婚資金と答えておる。

男の2番目は「結婚のための住居」というからこれもある意味カネだ。

女の2番目は「親の承諾」だそうな。

結婚における最大の心配ごとは、ニッポンではカネってことだ。

1億総中流と呼ばれた時代には、こんなことはなかった気がします。

アメリカもそうですが、ニッポンでも中流家庭、中間層が減ってきておることが、結婚しない、出来ない理由の大きなポイントでござる。

貧乏→結婚できない→子どもが減る→経済発展が望めない→貧乏→結婚できない。

ってことで、社会はまさしく「負のスパイラル」でござる。

NHKスペシャル「シリーズ マネー・ワールド 巨大格差の果て」でも指摘しておりましたけど、現在は世界史的にも「格差が最大」になっておるそうだ。

理由はIT化とグローバル化だという。

現在は、「世界で最も裕福な62人と下位36億人の資産が同じ」というから、格差もここに極まった感がある。

異常事態でござる。

なぜこうなるのか?

爆笑問題のふたりが、「シャンパンタワー」にワインを注ぐことで映像化しておった。

これまでのように、同じ大きさのワイングラスを何段にも重ねて、上からワインを注げば、上から順にグラスは満杯になって、一番下にも滴り落ちる(トリクルダウンです)。

ところが現状はというと、一番上のグラスが桁違いに巨大化(超富裕層)し、これがいっぱいになって、それから下のグラスに滴るわけですから、下はいつまでたっても滴り落ちてこない。

加えて注ぐワインの量が少なければ、下には到底落ちてこない。

これが中間層がどんどん減ってきた理由です。

地球規模で起きておる社会の現実でござる。

ま、比較的中間層が豊かなのは、北欧諸国だけだろうと思いますけどね。

そんなこんな、大富豪ばかりが儲かってそれでいいのか?

そう考えたシアトルの若い会社経営者は、自分の給料を大幅に減らして、従業員の給料を最低でも2倍にした。

すると社内で結婚が増え、子どもが増え、従業員にやる気が出て、業績がアップした。

あの東西冷戦時代、資本主義国家の中間層は豊かでした。

経営者は、社会主義を意識し、従業員が社会主義、共産主義になびかぬように、厚く手当した。

ところが、東西冷戦が終わり、資本主義がひとり勝ちとなって、資本家の大暴走が始まった。

経営者は、自分のワイングラスだけ巨大化させてしまったわけだ。

おかげで中間層は激減し、格差社会が広がった。

大金持ち(年収1億円以上)の優遇税制を止めたり、所得税の傾斜配分を上に厚くしたりと、行き過ぎた資本主義に歯止めをかけないと、拙いんじゃないのか。

おぢは基本的に資本主義を肯定的には見ておりますが、「強欲資本主義」とでもいう行き過ぎた現状は、社会をゆがめてしまうのだと思う。

アメリカやロシア、フィリピン、そして日本でも、怪しい指導者が台頭する背景には、国民のイライラ感なんかがありそうな気がしますけど、どうなんだろ???

本気で中間層を豊かにしないと、21世紀の世界、変ちくりんなことになりそうで、漠然と怖い気がいたします。