グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

トトロに会えそうな森

2011年01月21日 | 歴史・文化
 昨日は大寒でした。一年で最も寒いとされる頃です。日中もほとんど日が射さなかったので、すご~く寒く感じました。

 島の西岸にある野増(のまし)地区の大宮神社は、大島で最も古い神社とも言われます。波浮港にある波布比売命神社のハフの大后の子を奉っているらしいのですが、最も古いというのは何故なのでしょう?

 元は、この地区の南側、アジコという地名の残る場所に神社があったそうですが、噴火の降灰などのために現在の場所へ移したと聞いたことがあります。そのアジコには深い谷があり、神社の裏手では水が湧いていたそうです。この谷を下って海へ出た辺りに龍の口(たつのくち)という縄文時代の遺跡がありますから、ずっと昔から人が住んだ所だったのです。



 見出しの画像は大宮神社の社殿ですが、そこへ向かう参道の石垣の上に石造りの小さな祠:ほこら↑がありました。屋根には、うっすらコケが生えています。

 海岸からあまり距離がないにもかかわらず、神社を取り囲む森の木々の立派さには驚かされます。10年程前までは、参道沿いにクロマツの巨木が並んでいましたが、マツクイムシの被害で今は見られず残念です。



 こちら↑の祠には、表側に右から読んで「奉 納」の文字があります。側面には、お名前らしく「増木・・・」さんでしょうか? 不思議と大宮神社には、コンクリート製の祠が多いのです。



 こっち↑は、コンクリートの鳥居も付いています。

 野増地区は、全国的にも有名な長寿の里です。近海で取れる魚介や海草類を食べ、急な斜面の多い場所での生活が、足腰を丈夫にし心肺機能を高めたのではないでしょうか? 

 この地区には、集落のあちらこちらに祠があります。今日はご紹介できませんが、また時間を作って取材しておきます。

 ここでも以前は、先週紹介した「いぼっちゃ」が祠として奉られていたそうです。今では、郷土資料館に建っているような萱葺き屋根は、ほとんど見られませんが、昔は人も神様も同じカヤ(ススキ)の屋根の家に住んだということですね。神様と人がとても近い関係のように感じられます。



 この森には、幹周90センチ以上の樹木が100本を超えて群生しています。最も多いのがスダジイ(シイの木)で70本以上、次がイヌマキで20本、タブノキ10本と続きます。

 伊豆諸島の鎮守の森は、このスダジイ林が多く見られます。自然な状態での極相林は、谷筋や信仰的な場所の木々が残されていて

 この野増大宮のシイ樹叢は、東京都の天然記念物に指定されています。



 こちらは、しめ縄が張られたご神木の前の祠です。境内に幹周3メートルを超すスダジイが15本程。最大のものは6.5メートル程あります。

 何とも風格があります。



 この森にはトトロがいそうです。シイの実をいくつか見つけました。

  (なるせ)

   
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3日間のツアーとテイカカズラの不思議

2011年01月20日 | 植物
月曜日から水曜日までの3日間、ツアーで島のあちらこちらを歩きました。

今回も心が浮き立つようなひと時や、「?」であたまが一杯になる出来事が色々ありました。

たとえばそれは、三原神社でのひと時でした。

「あれじゃない?」ツアーに参加された皆さんが、何やら盛り上がっていました。
「何ですか~?」…と参加させてもらったところ、私たちの頭上にある楕円形の青空
が照らしている光を探していらっしゃるようでした。

そういえば近くには同じような形の光は当たっていません。
そして遠くに見える外輪山に楕円形の光が差し込んでいました。

時間は午前11時ちょっと前。
太陽はかなり真上に来ているはずですが、こんな遠くに光がさすのでしょうか?

「わからないけど、きっとあれだよ。形がそっくり。」

眼下に広がるカルデラの向うに、大きな円を描く外輪山を照らす光の形を
空を見上げて皆で探したひと時は、心が解放されるような素敵な時間でした~(^。^)

そして次に、皆でザクザク音を立てながら、スコリア斜面を下っていた時の事…。
後ろから「ヒナアラレの上を歩いているみたい~!」という楽しそうな声が響きました!

「ひ、ヒナアラレ?」
またまた初めての発想です!

「なるほど~。これ(スコリア)がヒナアラレだったら最高に楽しいかもですね~。」
なんて言いながら後ろを振り向いたら、本当にヒナアラレの上を歩いているかのような、
楽しそうな皆さんの姿が!

自分の凝り固まったイメージでは決して出てこない新しい感じ方を、
毎回ツアーの度にプレゼントしてもらっているような気分です(^。^)

こちらは入れ替わりで3日間のツアーに参加された皆さんの、全員集合の図です。

K田さん、数々のヒットをありがとうございました!(^^)!

そして昨日、森へ行った時の事。

この時期の森歩きの楽しみの一つ、テイカカズラのタネが一杯落ちているのを見つけました。
光が当たるとキラキラ輝く冠毛を、パラシュートのように広げてフワフワ風に舞う
テイカカズラのタネたち。

これを見るとつい手に乗せて、飛ばしてみたくなる私です。

この日も「光が当たるところで写真撮りますか~?」なんて言いながら
タネを手に持って歩き始めました。

すると「このタネって手に持っていると縮んじゃうんですか?」というお客様の声が…。
「え?縮む??」

手の中のタネの冠毛は本当にみんな小さく縮んでしまっていて、
家に持ち帰って数時間日に当てても、元には戻りませんでした。

「これは人の体温を感じて、タネがもう土の中だと勘違いして、
飛ぶ必要が無くなったと思っているのでは?」

またまた「?」で頭が一杯になって、今日、さっそく実験してみました!

同じように冠毛を広げている3つのタネを拾ってきて、指でタネの先端、
冠毛の付け根部分のタネ、冠毛の3か所をしばらく(5分ぐらい)つまんでみました。

そうしたら、ちょっと驚くような結果が出ました(^O^)

タネの先端をつまんだものは、アッという間に冠毛をたたんでしまったのです。(写真中央上)
次にシュンっとなったのは冠毛の付け根部分を持っていたタネ(写真右下)で、
毛の部分をつまんでタネには触れなかったものは、一番長く冠毛を広げたままでした!(写真左下)

…ということは、もしやテイカカズラのタネには温度や湿度を感じるセンサーが
先端部分にあって、ここが土の中に入ると「これで発芽できる」と安心して、
もう用の無くなった移動手段としての毛は、たたんでしまうのでしょうか?

しかも、2度と毛を広げないとしたら、スイッチのオン、オフは1回限り??

今度はタネの構造を調べたくなって、中身を見てみました。

う~ん、長い中身…。何だか良くわからない…(^_^;)
ここに何かのセンサーがあるのでしょうか?

お客様の素朴な疑問から、またまた自然の不思議さに触れちゃいました。

今までもきっとテイカカズラのタネを手に持っていたら小さくなってしまった…という経験は
していたような気がするのですが、改めて質問される事で初めて気がつく事って本当に多いです…。

そして自然から出された宿題に取り組む度に、面白さが増していくような気がします。
(いつも正解はわからないままなのですけれど(^_^;))

さて、今回はかなり長くなってしまいましたが、後一つだけ。

今回のツアーでは月~火曜日に伊豆のジオパークを進めているNPOに関わる方が来島し、
ツアーに参加されました。

伊豆半島でもジオパークを目指した様々な取り組みが行われており、
魅力的なジオツアー作りに取り組まれている方達がいることがわかり、
ますます伊豆の存在が近く感じられるようになりました。

大島よりもずっとずっと長い歴史の中で、様々な火山活動やプレートの移動で
今の風景が出来上がっている伊豆半島。

それぞれの土地のガイドが、それぞれの個性を尊重しながら自分の個性を見出していく
…そんなジオパークが日本中にできたら素敵だな~と思いました(^O^)

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海の中のウサギ達

2011年01月19日 | 海の生物
皆さん、今年の年賀状はどんなデザインだったでしょうか?
ダイビングをされている方は、結構海の写真を使ったりします。
水中の風景や生物を題材にしている方が多いです。

水中の生き物を年賀状にしてる方には、その年の干支が名前に入った生き物を使う方がいらっしゃいます。
そう考えると、水中の生物には動物・植物・昆虫・自然の風景や現象を名前に使った生き物が結構います。

今年の干支は「卯」
ウサギと付く、魚は案外少なくです。
そこで、今年多く使われたのがウミウサギと呼ばれる貝の仲間です。
沖縄などのお土産物屋さんで、真っ白な貝にお洒落な文字や柄が入った物を見た事がないでしょうか?
あれが、ウミウサギガイと呼ばれる貝です。
大島での出現は珍しく、滅多に見られません。

ウミウサギガイの仲間は、貝殻を外套膜と呼ばれる軟体部で覆っています。
その軟体部の模様が実に美しい物が多いのです。
まずは、THEウミウサギガイです。


大人になると外套膜は真っ黒になりますが、幼貝の内はこんなにキュートな模様です。
刺激を与えると写真の様に貝に中に引っ込んでいきます。

他にも色々なウミウサギガイの仲間は大島は出現しており
今現在37種類を記録しています。
その中から少しご紹介しましょう。



↑この貝はスミレコボレバケボリと呼ばれる種類です。
ウミウサギガイの仲間は、必ずホストと呼ばれる宿主に付いています。
その宿主を餌とし、そこに卵まで産み付けます。完全に寄生して居ますね・・・
宿主には、腔腸動物を呼ばれる物が選ばれ、ポリプと呼ばれる生き物の集合体になります。
このポリプを開き、宿主は餌を取るのですが、この貝は外套膜で見事にその開いたポリプも表現しています。
ホストに似せれば捕食され難くなるのは分りますが、凄すぎますね。

ウミウサギガイの仲間にも他の動物の名前が入っている種類がいます。
それが、この貝です↓


トラフケボリといいます。
阪神タイガースファンの方には大人気です(笑)
昨年の年賀状に使った方も多く見られました。

最後に私の大好きなウミウサギガイの仲間をご紹介しましょう。


ハグルマケボリと言います。
実は貝の大きさは5mm程、大島では生息水深が深いのは難点です・・・
貝殻の張り出した部分がボコボコとしており、まるで歯車の様に見える事が名前の由来でしょう。

この様に海の中にも、御目出度い干支が多く棲んでいます。
今後も機会があったらご紹介して行きましょう。

(有馬)

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観光地なんだ

2011年01月18日 | 歴史・文化
先週末から今日まで、大島の小学校・中学校の連合作品展が役場で実施されていました。
島の小学生と中学生の図工・美術で作成した作品が2階の大集会室に所狭しと並びます。
なるべく急いで観ているつもりでも1時間半とかかかってしまうぐらい、次々と楽しい作品が見られます^^

こういう場所に行くと、「あぁ大島って観光地なんだなぁ」と実感します。
どんなものがあるかというと・・・



どんっ。
大島を宣伝するにはどんなのが良い?という事で、観光PRのポスターですね。

そして、よく見てみるとその下には、なんとゆるキャラが作られています!


そうですよね~~!!
ゆるキャラブーム。今は全国各地で不思議なキャラが作られて、うまい具合に宣伝効果をあげているようですものね。
大島にもゆるキャラを作らないと!!
これは、うちでも海スタッフが随分前から叫んでいました^^
こういう作品が色々な人の目にとまって、本当に町のゆるキャラとして生きてくると良いですね♪

他にも

マンホールを大島らしくデザインしよう!というもの。
こんなマンホールが町にあったら明るくて楽しいですね♪


こちらはちょっと遠目で分かりづらいけど、大島カレンダーです。
三原山や波浮港の風情ある風景など、飾っておきたくなっちゃいました^^

などなど、子ども達はこうして大島の事を学び、想い、町に貢献する大人になっていくわけですねっ。
この作品を作った子がいつか、私達の仲間としてガイドをする日が来るかもしれません?!
フレッフレッ大島!

そんな気持ちで会場を後にしたのでした。
こんな大掛かりな展示を企画実施している先生方、本当にありがとうございました。
せっかく作った作品が、この後もどこかで活躍できますように・・・!


さて。
最後は本日の日の入りです。

写真はなんてことなくてスミマセン。
そういえば、この時期に沈む夕日の話ってしていなかったのでは?とふと思ったので、パチリしてきました。

実は、大島からは海に沈む太陽を見られるのは冬の期間、3ヶ月ぐらいなのです。
あとのシーズンは、伊豆半島の山の向うに消えていきます。
写真で言うと、水平線の右3分の1ぐらいが伊豆半島です。

こうやって、季節で日の入る場所が違うんだ、ってことは、地球の自転があって太陽の軌道が変わっているのだな、というような事が直接目で見て分かるって事で、そういう事が大島ってスゴイなぁ、と思う私です。

大島で海に沈む夕日が見られるのは冬の間だけです!
ぜひ、美しく染まる海の色を見に来てくださいね^^

(友)
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大島あちらこちら

2011年01月17日 | 歴史・文化
土曜日は、郷土資料館にて“火もし会”総勢30名と大盛況。焼いて煮て、お腹の中も大盛況。



おなかがいっぱいなのに次から次へと食べられてしまうかと、自分のお腹ながら不思議です。参加者の殆どが同じ事を言っていましたので 私だけではないのかと少し安心。


前日の重いお腹を引きずり日曜日には

こんな山道



にも挑戦。
ここは旧道で車も通った道です。このずっと先は今は無き滑走台に続いています
道を離れ、深い沢を下り、ひたすら登り



カンスゲも花を付けました。(花粉症の人にはこれからつらい季節ですが)

春の訪れも少し感じて


素晴らしい自然を分けてくれる 山の神様に感謝しつつ(間伏の地神様です)



この三原山の中腹へ行ってきました。

絵に描いた様な良い天気でした。(今日も同様ですが)


一人で行ったら道に迷いそう。消防団で捜索されないように気をつけなくては!
              (しま)


※22日も“火もし会”を開催します。覗きに来る方歓迎!お箸、お椀を持ってきてね。
 
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大昔、野田浜に起きた出来事

2011年01月16日 | 火山・ジオパーク
先日、海に潜りに来たお客様から、こんな質問がありました。
「野田浜の横にある池の縁に空いている丸い穴は、溶岩に飲み込まれた木が燃えた跡ですか?」

「え?何それ?そんなの、ありましたっけ?」←まるで見た記憶がない(^_^;)
いったいどんな穴なのか、とても気になって、さっそく見に行ってみました。

実は野田浜は海中アーチがジオサイトの一つにも指定されている場所です。

海に流れ込んだ溶岩流が複雑な地形をつくる大島では、何箇所もこのようなアーチが見られます。

陸にもアーチを見つけました!

スズメ1羽が、ようやくくぐれそうなサイズです(^。^)

さて、問題の丸い穴です。
海からほんの少し山側に入った場所にある池の向うに、黒い穴のようなものが見えていました。

近づいてみたら、意外と浅く、木が燃えた跡にしては何かちょっと不自然な感じも…?

見渡してみると周辺の溶岩は、“脳みそ”のようなシワが寄っていたり、スベスベだったり、
真っ赤だったり、様々な色や形をしていました。

「このシワって縄状溶岩??」
「浜の一角だけ赤い溶岩があるのはなぜ?」

ちょっと歩いただけで、頭の中は「?」だらけになりました(^_^;)

「こういうことは、大島の地質図を作ったヤギさん(火山の専門家の方です)に聞くのが一番かも!」
…ということで、久しぶりにメールで質問し、教えていただきました。

以下、ヤギさんとの質疑応答です。

私 
「この50×50cmぐらいの穴は、木が燃えた跡にしては浅いのですが、溶岩樹形でしょうか?」

ヤギさん 
「溶岩樹形かもしれませんが、溶岩チューブ(溶岩が通り抜けていった跡)の可能性もあります。
また、ブリスターという泡ができる事もあり、その泡が破れた跡である可能性もあります。」

(なるほど~。穴一つで、様々な可能性が考えられるのですね。)

私 
「池の対岸の壁は2層に分かれていますが、年代の違う溶岩が重なっていると考えて
良いのでしょうか?」

ヤギさん 
「間に火山灰や土壌が挟まっていれば別の時代のものと確定しますが、それがないと難しいです。」

(なるほど~、ただ形状が違うだけでは年代は確定できないのですね。火山灰や土の存在を
ちゃんと確認する事が大事なのですね。)

私 
「以下2つの写真は、高温で滑らかに流れたパホイホイ溶岩でしょうか?」


ヤギさん 
「これらはガサガサしたアア溶岩の表面が、波で取り去られてしまった部分ではないかと思います。
海岸は浸食が激しいので、表面のガサガサが無くなってしまってその下が見えていることがあります。」

(なるほど~。長い年月をかけて波が表面を削ることで、こんなに様々な形の溶岩が見られるように
なったのですね。ここでは波が景色を造ってきたのですね。)

私 
「この一角だけ妙に赤いのは、遠い昔、野田浜付近に火口があったのでしょうか?」

ヤギさん 
「確実なことは言えませんが、火口近くで降り積もったものが運ばれてきた部分か、
海に溶岩が流れ込んで水蒸気爆発が起きた部分かもしれません。

海や湖など水が多い所に溶岩が流れ込むと、溶岩で暖められた水が水蒸気になって
二次爆発を起こすことがあります。溶岩が砕かれてしまうので空気の通りが良くなり、
酸化して赤くなることがあります。

(なるほど~、火山と海が接する所では、山頂とはまた違った様々な現象が見られるのですね。)

島に来て20年以上、今まで何100回と潜りに来たはずの野田浜の景色の中に、
こんなふうに遠い昔の物語を想像させてくれる、様々な素材が散りばめられていたとは!

こういうことがあるたびに、ただ視界に入っているというだけで、
実は本当に見てはいない事って多いな~と痛感します。

きっと大島にはもっともっと、様々な面白い風景が存在するのでしょう。
海岸にも、山の中にも、そして人が暮らす場所の近くにも…。

普段目にしている何気ない風景をもう一度ジックリ見つめて、不思議に思うことを一つでも
見つけることができれば、そこから様々な物語を想像してみることができそうです。

そして、これってまさに、“ジオサイト”ですよね!(^^)!

島の中に、まだまだたくさん存在するはずの不思議な風景を、皆で見つけていく事ができたら、
きっと大島はもっともっと素敵なジオパークを造っていけるような気がします。

読者の皆さんも「これは!」と思う風景を見つけたら、ぜひご一報くださいね~(^。^)

(カナ)










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ひとりぼっちでも

2011年01月15日 | 
今日は南部のヘリポートでアトリを見つけました。
アトリはユーラシア大陸の亜寒帯で繁殖し、冬になると日本にやって来る代表的な冬鳥のひとつです。
場所によってはものすごい大群を作って越冬していますが伊豆大島ではそんなに多くはありません・・・と言ってもこういう冬鳥(他にマヒワ、ウソ、レンジャク類など)はその年(冬)によってたくさんやって来る年とそうでない年があります。
大島では冬の初めには割とたくさん見られますが真冬になるとぐんと数が減ってしまいます。
もっと南へ渡ってしまうのでしょうか?

だからなのか、今日出会ったアトリは1羽きりでした。


頭が黒っぽく色彩がはっきりしているのでオスです。
繁殖期が近づくともっと頭が黒くなります。真っ黒です。
私はまだそんなアトリを見たことがありません。




ぴょん!
元気に歩き回って食べ物を探していました。




ふだんは群で行動しているアトリ。
1羽だけでいるなんて、ちょっと淋しくない?



ふふふ・・・しかし彼はひとりぼっちでもひとりぼっちではないのです。




たくさんのホオジロたちと一緒でした。




種類は違うけれど、住んでいる環境が似ているのでしょう。
見事にホオジロの群に溶け込んでいます。




いじめられたりもしていませんでした。




きっと大島にも他にアトリがいるでしょう。
そうでなくても春が近づけばまたアトリが立ち寄ることもあると思います。
北へ帰る前に仲間と合流できることを願っています。




今日出会った鳥たち(声のみを含む)
ウミウ、ヒメウ、シノリガモ、コアホウドリ、オオセグロカモメ、ウミネコ、クロサギ、ミサゴ、トビ、ノスリ、ハイタカ、ハヤブサ、コジュケイ、カラスバト、キジバト、キセキレイ、ハクセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、ジョウビタキ、ルリビタキ、イソヒヨドリ、アカハラ、シロハラ、ツグミ、ウグイス、シジュウカラ、ヤマガラ、メジロ、ホオジロ、アオジ、クロジ、カワラヒワ、マヒワ、アトリ、ウソ、スズメ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト

          がんま


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地神様・いぼっちゃ

2011年01月14日 | 歴史・文化
 今朝は、とっても寒かったですね~!
このところ、昨夜もその前の晩も雨がパラついていた島の南部です。

 関東地方は、ずっと雨がなくて乾燥注意報が出ているところもあるようですね。
ご注意ください。

 大島も広いので地域によって天気が違うことがあります。海を渡って来た雲が、三原山に引っ掛かって雨を降らせたのでしょうか?

 大島の大きさを例えて、「東京のJR山手線くらいの大きさ」と言います。
時刻表で見ると、山手線の営業キロ数は1周34.5キロ。

 都道の大島循環線(都道208号・207号の一部:一周道路)は、40キロ程らしいので、だいたいの大きさを想像してみて下さい。

 その広い大島で、小さな祠(ほこら)を訪ねて行きます。



 イチョウの落ち葉が、黄色い敷物のようになっています。

 南部の差木地(さしきじ)にある春日神社の境内には、大小100株以上のイヌマキが自生し、その林は「春日神社のイヌマキ群叢」として東京都の天然記念物に指定されています(1958年10月7日指定)。

 イチイ科のイヌマキは、関東以西の主に太平洋岸の暖地に分布する常緑高木で、潮風に強いため、民家の生垣などによく使われていますが、ここのイヌマキ林は幹周り90センチ以上のものが約7割を超えて優占しています。スギが2割程と、単木が数種混じっています。



 大島の自然林の主要な構成種であるスダジイは1本も見られず、こんなふうに巨木となったイヌマキだけが優占する林は大変珍しく貴重です。

 神社のある辺りが「ヤカタ」という地名で、昔々偉いお方の館(やかた)があったとか。その方がイヌマキ好きで、選択的にこの木だけを残したのでしょうか?

 立派な社殿の近くに、いくつも石の祠があって、正月飾りがしてあるものも↓。



 この写真↑の祠の台の前に立てられているのは、御幣(ごへい)です。神祭用具の幣束(へいそく)を尊敬語にして「御幣」。白い紙を幣串に挟んだものを1対にして奉ります。

 

 イヌマキの巨木に、びっしりマメヅタ(シダの一種)が着いていました。

 石の祠が造られるようになる前は、萱(カヤ:ススキ)数十本を数ヶ所たばね、下方を地上に円錐形に広げて一方に口を設け、中に御幣1対を立てた素朴な小祠であったそうです。そのなごりでしょうか、石の祠にまで萱のおおいがしてありました↓。
 


 この↑おおいのことを「イボッチャ」と呼びます。柳田国男編『伊豆大島方言集』には、イボッチャすなわち地神(様)と記されています。ジジンゴウ(地神宮)とも呼んだり、篠竹で作ったものを竹舎:タケシャとも呼ぶようです。

 神を擬人化して、その居場所に屋根を付けたり、家型の祭る所を作る習俗は世界各地で見られることのようです。地域の特徴は、他の地域を見るとはっきりしますね。

(なるせ)

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大室山と三原山山頂ジオパーク展会議

2011年01月13日 | 火山・ジオパーク
三原山をガイドしていて時々お客様から「あの山は何ですか?」と聞かれるのが
濃紺の伊豆半島のシルエットの中で一つだけ目立つ、お椀を伏せたような茶色の山
大室山の風景です。

毎年野焼きが行われ、ススキ野原で覆われているはずの大室山。
かれこれ30年以上前に行ったことがあるはずなのですが、
「ススキがいっぱいだった。」という記憶ぐらいしか残っていません。

いつか対岸の風景を臨場感を持って語るために行ってみなければ…なんて思っていました。

で、今回無理やり時間を作って、友人と大室山周辺を訪ねてみました。

下から見上げる大室山は降り積もったスコリアの上にススキが密集して生える茶色い山です。

木も何も生えていないこの不思議な山は、もう700年もの間、野焼きによってこの風景が保たれてきたのだそうです。
そんな昔から、この山はこの地方のシンボルだったのでしょうか?

大室山は約4000年前の噴火でできたスコリア丘です。
リフトで山頂へ上がってみました。

眼下に広がるこの平坦な土地は皆、大室山のふもとから流れ出た溶岩が造ったものなのだそうです。

4000年前の噴火はふもとの2か所から大量の溶岩を流し、谷間や盆地を埋めて、
なだらかな伊豆高原や城が崎海岸を造り出しました。

今はその溶岩流の上に、一体何人の人間が暮らしているのでしょう?
地球の長~いサイクルの時間に比べて人間の時間のサイクルって短いですね~。

彼らもそんなことを感じながら、静かに海や山の織りなす風景を眺めていたのではないでしょうか?


伊豆高原の先の海には私達が暮らす伊豆大島が浮かんでいました。

1500年前の巨大水蒸気爆発で、山のトップ3分の1ぐらいが無くなっているので
ちょっと左右不対象の平べったい形をしています。
こうやって普段暮らしている場所を遠くから眺めるのって何だか特別な気分がするものですね。

今まで自分とはあまり関係のない、風景の一部として存在した大室山が、
次からは何だか少し、親しい存在として語れるような気がしたのでした。

ところで、話しは全く変わりますが、大島では2月11日~3月21日の椿祭りの期間中、三原山山頂でジオパーク展を行います。

展示会場にはガイドが常駐し、大島の火山を中心とした風景写真の説明、バーチャルツアーの説明、
室内から眺められる景色の案内、等を行う予定です。

今回のジオパーク展は、この室内ガイドをできるだけ多くのメンバーで行い、
大島のジオの魅力を皆で共有し、島を訪れる方たちに伝えていこう!という事を目標にしています。

今日はそのガイド内容についての説明会が、18時から19時30分まで行われました。

長い年月ボランティアで定点に立ち続けたボランティアガイドの方達、
13年間もツーデーマーチを続けてきた大島ウォーキングクラブの方達、
そして仕事としてツアーを行う私達ネイチャーガイド、
ジオパーク推進委員会のガイド部会のメンバー、
計25名以上の参加者があり(スミマセン、話すのに夢中になって正確な人数は数え忘れました(^_^;))
役場大会議室のテーブルが後ろまで埋まる盛況ぶりでした。

皆が説明しやすいバーチャルツアーはどういう形式のものなのか、などについても様々な意見が出されました(^。^)

それぞれの立場の違いを超えて
「大島の自然の魅力をできるだけ楽しくきちんと、より多くの人に伝えよう」という思いで
皆が同じ方向を向いて歩き始める事ができたら最高です。

この日記の読者の方で、大島在住の方は、ぜひ期間中に山頂ジオパーク展をお訪ねください。
そして、会場で行われるバーチャルツアーも是非ご覧ください。(開催時間はまたご案内します)
ツアーに対するご意見、ご感想もお待ちしています。

そしてその場にいるガイドと一緒に、大島の自然(ジオ)の魅力探しを楽しんでいただけたら、
とても嬉しいです。

(カナ)
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水中生物の名前 2

2011年01月12日 | 海の生物

今回も水中生物特に魚の名前について書いてみたいと思います。

基本的に魚の名前も~ハゼとか~ザメとか、名前の後半にその種類が分りやすいものが多いです。

ただ時折なんでこんな名前?もしくはう~ん納得!と思うものもあります。

魚の名前も日々増え続けています、新しく発見された物・以前からいたがやっと名前がついたものいろいろです。

特に最近はなんだかひねりが無い?というか面白くないものが多いような気がします、まぁ学者さんも毎回毎回名前を付けるのに苦労するのでしょうが???


今日の四枚の写真の魚はちょっと変わっているというか、なるほどね!なんて納得してしまう名前です。

まずは一枚目、何だと思います?一応ハゼの仲間ですがヒントは黒い帯です。答えは『ネジリンボウ』といいます、黒い帯がねじれているように見えるからなのでしょうね。

二枚目は同じ様に黒い帯が入っていますが、ちょっと目線を変えて『ミギマキ』といいます。何故これが右に巻いている?なんて野暮な質問は無しです、そういわれればそう見えてきませんか?

次は体の真ん中にある大きな丸いマーク、何だか射撃の的の様に見えませんか?名前は『マトウダイ』といいます、覚えやすいでしょ?

最後はかなり難問です、これを食べたらどうなるか?を考えてみてください。ご存知の様にフグの多くは毒を持っています、そのまま食べてしまうと最悪死んでしまうかも?そんなところから名前は『キタマクラ』、皆さん間違っても食べないように!北枕になってしまうかも?

こんな感じで名前の意味を考えながら見ていると、簡単に覚えられそうじゃないですか?

次回も面白名前の水中生物を紹介したいと思います。

担当 石田

 

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