なんとなく
何かの拍子で
歌無しの曲だけを聞きたくなる時があります。
あれはいつの頃だろうか、
薄明りのお店のテーブルに座って
素敵な女性と
カクテルを飲みながら
アルト・サックスとか、
ピアノの生演奏の音が流れる空間で
森林浴ならぬ旋律浴を楽しめてる
自分を感じたとき
ちょっとだけ大人になれた
気になったものです。
小学生の頃、親戚の中学生のお兄さんが
トランペットをやっていまして
ちょっとだけ吹かせてもらったのですが、
全く音が鳴りません。
ではと
肺がパンパンになるくらい息を吸い込んで
頭がクラッとするくらい
思いっきり息を吹き込んでも鳴りません。
何度やっても鳴りません。
最初は笑っていた親戚のお兄さんが
見かねて伝授してくれたやり方は、
ハーモニカやリコーダーのようにではなく
唇を細めてブッブッブッと
唇を振動させるように吹くと
あら、鳴りました。
後にも先にも
トランペットを吹いたのは
それ一回きりですが、
今だ、その吹き方に違和感があるので
正式な吹き方ではなく
鳴らせない私を見かねた兄さんからの
緊急避難的な吹き方なのかと
思っていたりするのですが、
実のところは、どうなんでしょうかねえ。
外から眺めて
分かったようなつもりでいたものが
実際にやると
思っていたのと
まるで違ったという記憶に残るような体験が
誰しも一つや二つあるかと思います。
やってみることで
ポケットに無造作に押し込んだ
薄っぺらな紙に残したメモ書きに
命が宿るかもしれません。
催眠療法&心理療法 神戸ストレスカウンセリング・ルーム花時計