心の扉 神戸カウンセリング花時計

心理療法や催眠療法、ストレス解消や悩み等メンタルに関するもの、そして日常の出来事を自由気ままに掲載します。

京都 厭離庵

2019年12月21日 | 名所めぐり(京都)

 

二尊院の次に訪れたのは、臨済宗天龍寺派 厭離庵

厭離庵は、「小倉百人一首」の撰者の藤原定家の

小倉山荘だった場所にあります。

 

寺名の厭離庵は、娑婆世界を「穢れた国土」として、

それを厭い離れるという意味の

浄土教の用語から霊元天皇が命名されました。

また厭離の言葉には「飽きることが無い。」

と言う意味もあるそうです。

 

 

 

厭離庵 参道

 

二尊院の近くにある厭離庵は、普段は非公開で

紅葉の時期にだけ特別公開されます。

 

入り口の場所が非常に分かりづらくなっていて

露地の角に設置してくれていた立て看板が無ければ

絶対に通り過ぎてしまうと思うんですよね。

 

普通の住居の間の細い路地の奥にあって

私なんか立て看板を見ても

「えっここを入るの?」って疑ったほどです。

 

 

 

臨済宗天龍寺派 厭離庵

 

厭離庵は、荒廃を繰り返し鹿王院の末庵となったり

大覚寺に属したりしましたが、

現在は臨済宗天龍寺派となっています。

 

厭離庵は本来尼寺なのですが尼僧のなり手がいなくなり

天龍寺から依頼のあった男性住職が住しているようです。

 

そのような歴史を持つ厭離庵は、嵯峨嵐山地区の一角に

ひっそりと存在する寺院ではあるのですが、

京都の嵯峨嵐山の外したくない

紅葉の名所の一つとして知られています。

 

 

 

厭離庵 萱門(かやもん)

 

萱門とは、庭園や数寄屋の露地の入り口などに設ける

茅葺の簡素で風雅な門のことです。

 

 

 

 

閉ざされている萱門の奥には待合があって

そこから直接に茶室「時雨亭」に入ることが出来るようです。

 

 

 

萱門前の石段

 

萱門の前にある石段を登ると庫裡、書院があり、

その前に小さな庭があります。

それらの景観が嵯峨嵐山の紅葉の名所とされる場所です。

 

 

 

茶室「時雨亭」

 

石段の右手には、茶室「時雨亭」の

茅葺屋根が覗いています。

 

 

 

厭離庵 南庭

 

木戸門を通り抜けるとお目当ての厭離庵の南庭。

 

 

 

 

空気も建物も全部が朱色に染まっています。

 

 

 

厭離庵 書院

 

書院の縁側に腰を下ろして庭を鑑賞することが出来ます。

各寺院が「なごり紅葉」と銘打つ時期の

平日に訪れた影響なのか、

厭離庵を訪れている観光客は少なく

落ち着いて鑑賞することが出来ました。

 

 

 

 

 

 

柳の井と敷き紅葉

 

定家が筆洗いに使ったとされる水が、

700年余年経った今でも「柳の井」という井戸から

綺麗な湧水が溢れているそうです。

 

 

 

小さな石塔

 

敷き紅葉に埋もれるように小さな石塔がポツンと一つ。

 

 

 

書院室内

 

 

 

本堂

 

本堂は、1950年(昭和25年)の台風で倒壊し、

1953年(昭和28年)に再建されたものです。

 

 

 

歌碑

 

 

 

南庭の苔と散り紅葉

 

 

 

南庭

 

 

 

 

厭離庵は不思議な庭で、

当然、庭の定期的な手入れはしているとは思うのですが、

木の枝は自然に伸びるのに任せたままのように見えて

庭の手入れを殆どしていないかのような印象を受けます。

 

ある名勝庭園を訪れた時に手入れを怠り

侘び寂びどころか朽ち果て錆びれた感じに

がっかりしたことがあるのですが、

 

ここ厭離庵は、朽ち果てた感じが

堪らない魅力となっていました。

この違いは何なのか、不思議な庭です。

 

 

 

小さな……

 

近くにいた人が「わあ、ちいさな熊さんがいる。」

ん?熊と言われてみれば熊にも見えるけど、

やっぱお寺には狸なんじゃないかと。

 

紅葉に隠れている部分に

大きな◯◯が付いているかどうかを調べれば

こいつの正体が分かると思ったのですが

野暮なので止めておきました。

 

 

 

茶室「時雨亭」露地の敷石

 

葉っぱの形に造形されている踏み石。

 

 

 

茶室「時雨亭」

 

ここ厭離庵は、定家が「小倉百人一首」を編纂した

山荘「時雨亭」があった場所とされています。

 

しかし、山荘「時雨亭」があったとされる場所は、

ここ厭離庵の他にも常寂光寺、二尊院にも時雨亭跡があり、

正確な場所は確定はされていないようです。

 

ここ厭離庵の茶室「時雨亭」は、

大正12年に山荘「時雨亭」の再興の意味を込めて

「時雨亭」と名付けられました。

 

 

 

茶室「時雨亭」内部

 

 

 

 

茶室の入口のある南側が広縁として吹き放しになっています。

この広縁が何のために設けられているのか分かりませんが、

月を楽しむ月見台のように

庭の紅葉を鑑賞するためのものかもしれません。

 

 

 

広縁の屋根裏

 

高台寺の傘亭のような屋根裏。

 

 

 

 

厭離庵の拝観を終えたのが午後3時過ぎ。

予定していた後一つの寺院も

厭離庵から遠くはない場所にあるので

慌ただしい拝観とはならないと思うのですが、

歩き疲れたし十分に満足したので帰ることにしました。

 

「タクシー乗りてぇええええ。」

とりあえず阪急嵐山駅まで徒歩で行ける所まで行きます。

 

 

 

大河内山荘の近くの竹林

 

 

 

 

大河内山荘入り口から左に折れると竹林の小径、

今回は真っすぐ進んで嵐山公園内を通るルートを選択しました。

嵐山公園に入るのは初めてだったような……。

 

 

 

嵐山公園

 

今回の嵐山公園は帰路として通り抜けるだけなのですが、

素晴らしい眺めが観れる所があるので

いつか大河内山荘と合わせて訪れようと思っています。

 

 

 

桂川と嵐山

 

20代前後の時に仲間と観た紅葉の嵐山は、

赤色、黄色、ピンク色、緑色が、

もっとハッキリクッキリとしていたと

記憶しているんですよね。

 

最近の嵐山の紅葉は

随分と色がぼやけている感じがするのは記憶違い?

それとも若さが観る色にも影響を与える?

 

 

 

桂川と沿道

 

嵐山公園を下りてきて桂川に出て沿道を

渡月橋を目指して歩いています。

 

お腹がかなり減っているので

途中途中の食べ物屋さんの店先で立ち止まりもしましたが

犀の角のように渡月橋を目指して歩きます。

 

 

 

渡月橋

 

渡月橋を渡れば阪急嵐山駅はすぐそこです。

渡月橋の上で時刻を確認したら午後4時前でした。

 

阪急嵐山駅を朝8時半に出発して

午後4時に返ってきました。合計7時間半。

途中少しの休憩以外は殆ど歩いていたことになります。

疲れるはずです。足腰が悲鳴を上げているはずです。

 

ただ歩けと言われたら絶対にNOですが、

何か喜びや楽しみがおまけに付いていたら人ってやれますね。

 

私の趣味にお付き合い下さった皆様、

ありがとうございました。

 

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