日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「美の基準」-ある広告のチャレンジ-

2005-08-01 18:58:27 | マーケティング
朝日新聞のWEB版に女性の美めぐり国民投票 メーカーがキャンペーン広告と言う記事が、掲載されている。
ユニリーバと言えば、「プロンドのかつらを投げるCM」で有名な、シャンプーなどのメーカーである。
「国民投票」というのは、大げさだとしても「美の基準」調査としては、企業宣伝をかねているとはいえ、相当大掛かりなモノである。

テレビCMで、「ブロンドのかつらを投げる」というのは、一つの「女性美の固定観念を打ち破りたい」という、思惑もあったと考えられる。
日本では、ブロンドと言っても関係ないのだが、やはり欧州では「ブロンド=美人」と言う一つの基準となっているようだ。
ロックミュージシャン、ロッド・スチュアートは、大のブロンド好きで有名だった。
日本でリリースしたアルバムにも「ブロンドはお好き?」という、そのものズバリのタイトルが付けられるほどであった。
まぁ、今でもブロンド好きは変わらないようだが・・・。

であれば、日本人にとって「美の基準」とはなんだろう?
二重まぶた?烏の濡れ羽色の髪?小顔?色白?高い鼻?・・・。
「烏の濡れ羽色の髪」と言っても、今やそのような髪の色の女性など見ることは無い。
「小顔」と言っても、ここ7、8年盛んに言われはじめたこと。
「色白」というのも20年以上前なら、「不健康」の代名詞のような扱いだった。
そうやって見ていると、「美の基準」というのは、時代を映す鏡のように変化しつづけるものと言うことが、よく分かる。
あまり変わらないのは「二重まぶた」と「高い鼻」くらいだろうか?

それよりも、日本を含むアジア特有の基準がある。
記事の中にもある「若さ」だ。
なぜか、女性の場合「若い」=「価値がある」と、捉えられる。
ある種の「未熟さ」が、男性にとっては魅力的に映るのだろうか?
女である私には、分からないことなのだが・・・。
ただ、「若さ」=「可能性」や「将来性」ではない、ことだけは確かな気がする。

それよりも大切なことは、その人の生きてきたことなので無いだろうか?
年齢を重ねることは、様々な経験をしてきたと言うこと。
その一つひとつに、一生懸命にやってきた人の笑顔は、分かりやすい「美の基準」を飛び越えた美しさを持っている。
そういう目を養うことが、「美意識を養うこと」になるでは?

今回のこの調査、どのような結果が出るのか楽しみである。