民意と実績

今日の新聞各紙に東国原宮崎県知事の「メディア露出経済効果」が掲載されている。
就任２週間あまりですでに１６０億円を超える「経済効果」があったと、大手広告代理店は試算しているようだ。
確かに、東国原知事行くところマスコミが張り付いていた。
就任早々に起きた「鳥インフルエンザ」にしても、素早い対応が興味半分のマスコミを驚かせたに違いない。

そして、日曜日に行われた北九州市長選と愛知県知事選だ。
北九州市長選は、順当と見るべきなのかも知れないが、波乱と言われたのが愛知県知事選だ。
与党推薦の候補が圧勝すると見られていたのだが、野党推薦の候補に相当追い込まれての勝利だったようだ。
当日、私も投票へ行ったのだが、これまでで一番にぎわっていた。
何よりも目を引いたのが、若い人たちが来ていたことだ。
これまでの投票所の風景と言うのは、ガラ～ンとした会場にお年よりが２、３人。
選挙関係者の方が、多いくらいだったのだ。
２０～５０代の支持を集めたのが野党推薦の候補者で、６０代以上の支持を得た与党推薦候補者が、選挙に勝利したと言うわけである。
２０～５０代、特に２０・３０代の人たちがもっと選挙に行っていれば、違った結果が出たかも知れないのだ。

選挙後、イロイロな方が選挙結果を分析していたのだが、一応に言われる言葉が「２期８年の実績が評価された」ということだった。
しかし、個人的には「２期８年、愛知万博と中部国際空港しかしてきていない」と言う印象しかない。
その「愛知万博」も「中部国際空港」もトヨタ自動車と言う企業の力で、実現・成功させたと言うことでしかない。
現在の愛知県経済を支えている中心は、トヨタ自動車であって県行政の力だとは思えない。
とすると、この知事さんの実績って何だろう？と考えてしまうのだ。

野党推薦候補を支持した２０～５０代の人たちは、案外冷静に知事さんの実績を見ていたのではないだろうか？
与党幹部の人たちが、街頭演説で「２期８年の実績」だとか「元気な愛知」と言う言葉を繰り返すたびに、どこかウソっぽさと実感の無さを感じていたのが、２０～５０代だったのではないだろうか？
まさに「今、経済・生活の中心層」の人たちの気持ちや思いという「民意」は、届かなかったことになるのではないだろうか？

選挙に行かない人たちにも責任があるとは思う。
でも、企業が作り上げてきた実績を我がコトのように言うのは、いかがなものか？
選挙結果を見て、夕飯に食べたカレーで胸焼けを起こし、(選挙結果だけが原因ではないとは思うが)昨日・今日と体調不良で休んでしまった。
民意を選挙で反映させるのは、なかなか難しいことなのかも知れない。
今後東京などでも選挙が予定されているが、「実績」を声高に叫ぶ様であれば「本当なの？」と、一度疑う必要があるように思うのだ。