日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

投資先も考えて

2007-02-28 23:01:02 | ビジネス
昨日、上海から始まった株価の下落はあっという間に、世界へと伝播してしまったようだ。
ここ数年「BRIC’s」と言う言葉が、投資家などの間で話題になっていた。
「BRIC’s」というのは、今後有望な投資先の国々のこと。
「ブラジル・ロシア・インド・中国」というコトなのだが、投資と言うことに興味のない私としては、「へぇ~」程度にしか見ていなかった。
「マーケティングと経済とは関係がないのか?」と聞かれれば、「関係がある」としか言い様がないのだが、マネーゲーム色の強くなり始めた投資のあり方には疑問を常々感じている。

このような投資とは別に、「企業の社会的責任とはなんだろう?」と感じる融資の記事が毎日新聞のWEBサイトに掲載されている。
それが、クラスター爆弾:製造企業に日本含む13カ国の銀行が融資と言う記事だ。
ご存知のようにクラスター爆弾と言うのは、空中で散り散りバラバラになり、地上で地雷化する爆弾である。そしてそのような地雷化した爆弾が埋められている国々と言うのは、紛争地域の決して豊かな国ではなく、犠牲者も子供たちが殆どだと言われている。
地雷化した爆弾を除去するためには、生死を賭けるほどの危険と膨大な時間が必要とされる。
経済的に豊かな国の銀行が、クラスター爆弾などを製造する企業に融資し、収益を上げそれが世界経済の一つとなっていると言う現実は、なんと皮肉なことなのだろうか?

情報ツールとして当たり前の存在となっている「インターネット」も、元々は軍事目的だったことは有名な話である。
それが幅広く、イデオロギーや宗教様々な価値観を飛び越えることによって、今や新しいジャーナリズムと言う位置付けを持つまでになり始めている。
もちろん、市民ジャーナリズムの問題も多く含んでいることは確かなのだが。
しかし、クラスター爆弾にはそのような使う広がりはない。
あくまでも「兵器」として、(表現として正しいのか疑問だが)市場に存在しているのである。

個人的には、「経済は、人が豊かに幸せに生きるためにあるべきモノ」だと考えている。
それは「単純なお金儲け」と言う意味ではない。
人が幸せになるために企業活動があり、企業活動によって「情報・お金・モノ」が動くのだとすれば、兵器によって得られる利益は社会にとって幸せなことなのだろうか?
銀行の重要な仕事の一つは「融資」ではあるが、その「融資」が人を幸せにしないものだとすれば・・・その銀行は人を幸せにしない銀行なのではないだろうか?