日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

ステレオタイプ化されたイメージの怖さ

2007-02-11 21:33:15 | アラカルト
今日の中日新聞のWEBサイトに教師「金髪、碧眼が条件」 英会話学校が求人ポスターと言う記事が掲載されていた。
私が幼稚園児だった頃(今から40年以上前)ならいざ知らず、情報化社会になった今でも「英語の先生=金髪・碧眼」と言う固定概念的なイメージを持って、求人をしていたことに驚いている。
確かに、英会話学校のテレビCMなどでも「金髪・碧眼」の先生が、ニッコリ笑っているモノも少ないわけではない。
地方に行けば、その傾向は強くなる事実もある。
あえて「金髪・碧眼」と言う条件をつけて求人をしてしまったのは、担当者だけではなく、いまだに「英語を話す人=外国人=金髪・碧眼」と言う、ステレオタイプ化されたイメージに縛られていたからだろう。

そうやって見てみると、案外周囲にはそのようなコトが多いことに気がつく。
今国会の話題を独り占めしている、柳沢厚労大臣の「女性は産む機械&子供は2人が健全」発言などは、柳沢さんが子育てをしていた時代のスタンダードであり、それを「社会のスタンダード」だと思い込んでいたのだろう。
柳沢さんからすれば「家族」のステレオタイプ化されたイメージが、「結婚したら、女性は頑張って家庭を守り、子供を二人ぐらい産み・育てる」と言うモノだったからこそ、ご本人はいまだに「何故、そんなに非難されるのだろう?」と、思っているのでは無いだろうか?

ところがこの「ステレオタイプ化されたイメージ」は、マーケティングに限らず新しいモノ・コトをするためには、とてつもなく厄介である。
企業の中で「イノベーティブな発想」と言う人に限って、旧来の固定概念に縛られ、「それは無理だろう」とか「その程度のことか」と悪態をついてる場合が多い。
そして、新しい事業や企画を阻害してしまっているのだ。
例えば、「温泉」と言うと多くの自治体では、「観光事業」の領域だと思っている。
「温泉→人が集まる→観光名所(=箱モノ行政)」と言う概念から脱却できないのだ。
しかし現実はどうだろう?
「温泉→癒し・リラクゼーション→健康・ウェルネス」と言う視点で、生活者は温泉地へ行っているのではないだろうか?

ステレオタイプ化されたイメージの怖さと言うのは、ビジネスチャンスの視点も見失わせている可能性があると言うことなのだ。
それにしても・・・英語を話さない北欧の人たちのほうが、英語圏の国の人たちよりもはるかに「金髪・碧眼」率が高いと言う、事実をこの英会話学校の担当者は知らなかったのだろうか?