日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

スローガンを変えると言うコト

2010-01-05 21:32:27 | マーケティング
日経新聞他、新聞各紙のWEBサイトにシャープがスローガンを変更と言う内容の記事が掲載されている(紹介記事は、日経新聞)。

シャープの企業スローガンと言えば「目のつけどころが、シャープでしょ」だった。
気がつかなかったのだが、このスローガンは既に20年も経過していたという。
それだけ息の長いスローガンだと、すっかり馴染みになってしまい、変更するコトにはそれなりの勇気が必要だったのではないだろうか?

最近の企業スローガンで有名なのは、トヨタの「Fan to Drive」や「Drive Your Dreames」だろうか?
他にも、ソニーの「It's a Sony」というモノもある。
企業メッセージを分り易く伝えるために、各社工夫を凝らしていると言うコトが分る。
テレビCMだけではなく、新聞や雑誌といった様々な媒体を通して「企業イメージ」をになうものだけに、定着し息が長くなれば、ある意味成功と言うコトにもなる。
逆にいえば、定着し息の長いスローガンを変えるということは、企業にとって大きな冒険と言うコトにもなるのだ。

そして今回シャープが変える新しいスローガンは、「目指している、、未来がちがう」だと言う(シャープHPのプレスリリースより)。
おそらく、同業他社であるパナソニックや日立とは違うアプローチで「モノづくりをしていきたい」と言うコトなのだろう。
確かにシャープが熱心に開発に取り組んだ「液晶技術」は、20年ほど前はさほど見向きもされなかった。
20年近く前、企業研究会に参加しシャープを訪れた時「将来は、壁掛けテレビを一般家庭に普及させたい」と、当時の開発担当者の方は話していた。
それが今では薄型テレビとして、当たり前になりつつある。

何より興味を引くのは、「環境」とか「エコ」を謳っていないコトだ。
個人的には、これらの言葉を使わない事に評価をしている。
と言うのも、これからの社会では「環境」とか「エコロジー」といったことは、当たり前でキャッチフレーズやスローガンとして使うには、力(=アピール力)が無いと思うからだ。

ドキドキ感やハッとさせられるようなモノは無いが、それもまたシャープらしさなのかも知れない。
スローガンが変わったが、その中身は?と、いわれないような「シャープらしさ」のある「モノづくり」に期待したい。