日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「入れ墨」は、ファッションになったのだろうか?

2012-05-15 12:12:59 | ライフスタイル
大阪市長の橋下さんが、「入れ墨をしている職員は、免職だ!」と言って調査を始めたら、なんと環境局の3000人余りいる職員の内、50人が入れ墨を入れている、と報告をしたと言う。
この数は、まだまだ増えるのではないか?と言うのが、メディアの予想のようだ。
おそらく、環境局という部署で入れ墨をしている職員が多かった、と言うだけで大阪市職員全体では、それほど多くは無いと思う。
と言うか、多く無いと信じたい。

ただこのニュースを知って、「入れ墨を入れる」という意味が変わりつつあるのだろうか?と、考えてしまった。
と言うのも1ヶ月ほど前のある日曜日の夕方、近所のスーパーへ買い物に出かけた時のこと、それほど暑いと言う日ではなかったのだが、買い物客の中に半袖姿の男性の両腕に、見事な「入れ墨」がされていたのだ。
その人自身を知っている訳では無いので何とも言えないのだが、おそらく一般社会生活を普通に営んでいらっしゃる方なのだと思う。
思うのだが、その方の周囲だけ日曜日の夕方の「ほんわか」とした雰囲気は無く、他の買い物客もその方を見ると、自然に遠ざける様なトコロがあった。
私自身も、何となくだが遠ざけたい気分になったことは確かだった。

ただご本人は、「入れ墨」と言うよりも「タトゥ」というつもりだったのでは?と、思っている。
「入れ墨」と「タトゥ」も同じだと思うのだが、何となく「入れ墨」というと日本社会ではチョット道を間違えてしまった人たち、と言うイメージがある。
一方「タトゥ」となると、「ファッションの一部」という感覚があるのでは?

実際、イングランド代表のベッカム選手などは、腕や背中に「タトゥ」をいくつも入れている。
ハリウッド俳優さんの中にも同じように、「タトゥ」を入れている俳優さんは男女問わずいらっしゃるし、日本のタレントさんの中にもその様な方はいらっしゃるようだ。
とすれば、その様な人たちに憧れて、ファッションの感覚でタトゥを入れる人がいてもおかしくは無いだろう。
例えそれが、日本の一般的企業や公務員にそぐわないモノだとしても。

考えてみれば、40年くらい前男性のピアスなどはファッションとしても信じられない!と思われていた。
一時は、ゲイのサインとまで言われた男性のピアスだ。
それが著名なスポーツ選手や映画俳優、ミュージシャンがする様になると、一般の男性がする様になるのに、時間はさほど掛からなかった。
今では「それって、まずいでしょう!」と思われる様なピアス(と言うより、耳に大きな鳩目付きの穴)をしている若い男性を見かけるコトがある。
10数年前には、サインペンの様なピアスをしている男性を見て、言葉を失う程驚いたコトもあった。
さすがにその様な人たちは、希なケースだと思うがそれほど男性のピアスは、反社会的でも無ければ、何でも無い様な受け止められ方をされる様になってきたと思う。
と言っても、今でもピアスをして就活をしている学生は、いないと思うが。

ただ日本の社会では、「タトゥ」であっても「入れ墨」であるコトには変わりなく、江戸時代~明治の頃に様々な職種の方たちが「いなせなで入れ墨をしていた」という社会的認識になるコトは無いと思う。
とすれば「ファッション」であっても、日本では受け容れられがたいファッションである、と覚悟をした上で、考えるべきなのだと思うのだ。
もう一つ付け加えるならば、健康診断で問題になるので、やはり余りお勧めできないファッションだと思う。