日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「40代~50代」と言う市場は無いのだろうか?

2012-05-20 20:34:11 | マーケティング
先週の日曜日は「母の日」だった。
最近では「お母さんの好きな花を贈ろう」という傾向が強いらしく、カーネーションだけでは無くイロイロな花が「母の日用」として、お花屋さんの店頭に置かれる様になってきたようだった。
そして「母の日」と言えば、エプロンなど「お母さんが使うモノ」も、売れる時でもある。
そんな百貨店や大手スーパーのチラシを見て、思ったコトが一つ。
「日本には『マダム』という市場は無いのか?」というコトだった。

この様なチラシを対象としている「お母さん」は、30代後半~40代、50代の女性だろう。
にも関わらず、掲載されている商品を見ると、野暮ったい感じがしたのだ。
特に、アパレル関係になると「ムゥゥゥ~対象年齢が今のお母さんなのかな?」と感じる商品が多かった様な気がした。

何故、先週の「母の日」のことから始まったのか?と言うと、最近通販だけでは無く店頭で見るアパレル全体が、どうも「若年層中心になりすぎている」という気がしているからだ。
特に40代~50代の女性が着る服となると、本当に少ない気がする。

この世代は、バブル景気を経験していることもあり、おしゃれにはとても敏感な世代だと言える。
また「アンチエイジング志向が強い」世代でもある。
時々見かける、20代のような服装をしている「やや無理した若作り」という印象を持つ女性も、実はこの世代に多い。
それだけでは無く、「男女雇用機会均等法」が施行された世代で、ビジネスの第一線で活躍している女性も多く、生活やファッションに対する価値観も多様な世代でもある。

ファッションはあくまでも個人のセンスなので、周囲がとやかく言う必要は無いと思うのだが、「若々しく見えるマダム向けのファッション」という提案がどれだけあるのか?と、見て見ると余りないコトに気がつく。
逆に言えば、今の10代、20代から見て「素敵」だと感じさせる、40代~50代のファッションが無いのだ。
「普通に素敵な大人が少ない」というのが、日本のファンション傾向だという気がしている。

それは下着などにも言えるコトで、ブラジャーの様に「体型を整える」という機能を必要とする下着は、世代に合わせた提案が必要だと思う。
にも関わらず、店頭では「可愛らしいブラジャー」が多く、また女性もその様な傾向を求めている様にも思える。
でも「体型を整える」という機能を必要としたブラジャーなどは、自分の体型似合っていないと「必要以上に老けてみせる」というデメリットがある。

何も「家庭画報」などの高級女性雑誌と呼ばれる雑誌に掲載される様な、ファッションの提案は必要無い。
むしろ、日常服こそ素敵に見える必要がある。
その様に考えれば、今の40代~50代向けファッション市場というのは、大きいのでは無いだろうか?
もちろん、それは男性にも言えるのでは?と、考えている。