日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

情報発信力が求められる、医療

2012-11-05 19:20:23 | アラカルト
今日は、術後の経過検診に病院へ行ってきた。
術後3年目というコトもあり、病院へ行く回数は減ってきている。
むしろ、最近病院に出かける目的は「市民公開講座」の受講となってきている。
当然だが、出かける病院も自分が手術を受けた病院ではない、コトのほうが多い。
そして、出かけた病院のロビーなどで様々な「市民公開講座」の案内をチェックする、というのも習慣の様になってきている。
出かける病院によって、その案内の内容も病気の種類も違う。
私が手術を受けた病院は、いわゆる「総合病院」なので、医師会を中心とした様々な病気の「市民公開講座」の案内がされている。
大学病院となると、大学主催の「市民公開講座」となり、講演をされる先生も臨床の傍ら大学で学生指導をされている先生が中心。
がん専門病院の場合は、がん治療の最新情報を聞くコトができる。

そんな「市民公開講座」をチェックしながら、フッと思ったコトがある。
それは「市民公開講座」に出席をする人達の多くは、その病気の患者さんや患者家族が中心で、病気とは関係の無い人達はほとんど出席していないのでは?と、思ったのだ。
もちろん、患者向けの講座もあるのだが、多くは「病気予防」のための講座だ。
その理由の一つとして考えられるのは、「市民公開講座」などを通して、「病気予防」の意識を高めて貰うこと。
もう一つは、がんなどの検診率を上げるコトが、早期発見・早期治療に繋がり、それが結果として「医療費を下げる」と期待できるからだ。
しかし、その期待と裏腹な結果となっているのは「医療事業における情報発信力が高くない」というコトなのではないだろうか?

今日、私が見たのは「糖尿病」についての、市民公開講座のポスターだった。
ご存じの通り「糖尿病」という病気は、罹患者数も多く「生活習慣病」の代表格だろう。
だからこそ、病院に来院する患者さんではなく、生活習慣病に不安を持ちながらも普通に生活をしている人に参加をして貰いたいはずだ。
実際、ポスターを見ても糖尿病患者さんを対象とした講座内容では無かった。
とすると、ポスターを貼る場所は病院内では無く、地下鉄の駅構内などではないだろうか?
募集定員も320名と少ないので殺到されても困る、という事情があると思う。
だが、先着順定員締め切りにすれば問題は少ないだろうし、反響が高ければ年に数回行えば良い話だろう。

これまで、医療関係の情報というのはメディアが中心だった。
中には、昨日エントリした様に「患者に都合の良い情報のみ」で、「リスクや危険性」を発信するコトが余りない、というのも事実だろう。
一部健康雑誌に見られる、臨床結果が明らかになっていない「健康食品・サプリメント」の記事が健康被害を出している、というコトもある。
であれば、医療側も積極的で効果的な情報発信をする必要があると思う。
むしろ、今という時代だからこそ積極的に情報を発信する必要があるのでは?

そんなコトを考えながら、「糖尿病・市民公開講座」の告知ポスターを眺めていた。