日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「共感性」という、価値

2013-05-19 22:32:42 | マーケティング

以前はその発言一つで、所属している音楽会社の株価を左右する程の影響力を持っていた、浜崎あゆみさん。
その浜崎あゆみさんの人気が、凋落しているという。

ライブドアニュース「チケット売れず・・・宣伝チラシまで捲き始めた歌姫・浜崎あゆみの凋落」

凋落してしまった原因というのは、いくつかあるのだと思う。
記事にもある様に、ゴシップが重なりファンが離れていった、と言うコトもあると思う。
ネットなどで検索をすると、容姿的な部分での変化とイメージが合わなくなってきた、と言う指摘も数多く見られる。
聴覚の問題で、歌が上手く歌えないと言うコトもあるのかも知れないのだが・・・それにしても、ネットなどで取り上げられている内容を見ると、かつてのような人気がウソのように感じられる程だ。
それだけ、今現在の浜崎あゆみさんを受け入れられない、と言うファンが多いと言うコトなのかもしれない。

そして、Yahooのトピックスに、チョット変わったタイトルの記事が取り上げられていた。
梨花 大人可愛いからシンプルに変更しR40“梨花信者”困惑
梨花というのは、モデルの梨花さんのコト。
「ゴシップばかりが目立つ、タレントさん」と言う時期もあったが、今ではすっかり同世代の女性のファッションアイコンのような活躍をされている。
その梨花さんが、それまでの「大人かわいい」路線から、「シンプル路線」に変わったため、梨花さんをファッションのお手本としていた同世代の女性たちが、困惑しているらしい。

全く違う内容の記事なのだが、共通している点がある。
それが「共感性」という点だ。
浜崎あゆみさんが、大ヒット曲を立て続けに出していた頃、まさに浜崎さんの存在は「時代のアイコン」のようだった。
少なくとも、浜崎さんの歌に共感性をもち、浜崎さんのようなメイクをしていた・・・と言う女性は多いと思う。
そんな共感世代が、自身の生活変化によって共感するトコロが変わり、今ではそれほど共感出来なくなってきているのではないだろうか?
そして、数々のゴシップが決定打となってしまった、と言う気がするのだ。
一方梨花さんの場合は、その逆の状況だ。
これまで共感していた相手が、変わってしまったために、不安になっているR40と言うコトになる。

これまで、ビジネスの場面で「共感性」ということは、さほど重視されることは無かった。
その理由は、企業>個人という構図の中で商品が提供され、生活者はその中で取捨選択をする、と言う立場だったからだ。
しかし、今の様に生活者には判らない程の異差しかない商品が溢れている状況の中では、商品に対する共感性は難しくても、情報を発信する企業に対して何らかの共感性を生活者が感じなければ、コミュニケーションを取るコトができない。

ショービジネスという世界のことだと思わずに、「共感性」というキーワードで考えると、今の企業に必要な価値の一つだと考えるのだ。

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