日々是マーケティング

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安倍さんの「集団的自衛権」と出生率

2014-05-16 15:24:00 | 徒然

今朝の新聞は、安倍さんの「集団的自衛権」に関する会見に多くの頁をさいているようだ。
それだけ、「関心事の高い内容」と言うことになると思うのだが、安倍さんが力めば力む程、国民は醒めていっているのでは?と言う気がする。

なんでも安倍さんが「集団的自衛権」にこだわる大きな理由の一つが、祖父である岸信介氏の思いを成し遂げるため、だとか?
本当のトコロはわからないのだが、もしそうだとしたら安倍さんには「時代観」というモノが無いのでは?と言う気がする。
安倍さんの祖父である岸信介氏が、総理大臣だった頃というのは「安保闘争」があった時代。
世間では、やっとテレビが一般家庭に普及し始めた頃だ。
「衛星生中継」もやっと始まったか?と言う頃で、「日本と世界」と言うコトがわかり難かった時代だと言える。

市民の多くが、海外の情報などに接することが無かった時代と今のようにインターネットなどで、簡単に世界の情報を知ることができる時代とでは、国民の意識そのものが全く違っているはずだ。
にも関わらず、安倍さんはおじいさんの思いに引きずられるように様々な「強い日本」を言い続けることは、ある種の「時代錯誤」的なモノを感じる。

確かに今の隣国状況を考えると、「力(武力)による国防」ということを考える必要があるかも知れない。
逆の発想をするなら、隣国の「力技」による他国への圧力というのは、今の時代には不釣り合いで古い発想だと思うし、「国の品位」を落とす行為だと思うのだ。
その様な、「古く、国の品位を落とす」やり方に、引きずれられると言うの決して賢い方法ではないと思う。

もう一つ感じるのは、安倍さんが「集団的自衛権」を強く言えば言うほど、女性は「(自分の)子どもを戦争に巻き込ませたくない」という思いが強くなるのでは?と言う点だ。
安倍さんにはお子さんもお孫さんもいらっしゃらないので、お子さんを持っている親御さんの気持ちはわからないかも知れないが、「将来自分の子どもが戦争に巻き込まれる可能性がある」と考えると、二の足を踏む女性がいてもおかしくは無い。
それでなくても、日本の出生率は低下し続けており、将来「国防のために体を張る若者」が、激減する可能性が高い。
「力技」をカバーする程の若者がいない可能性もある。(そう考えれば、先日話題になった「出生目標」という発想も、合点がいく)。
「湾岸戦争」の時のように、遠隔操作に近い方法の「力技」で対抗すれば良い、と考えられる方もいらっしゃるかも知れないが、「湾岸戦争」も最終的には、人を戦争に巻き込んでいる。
人が何らかのカタチで関わらない戦争というものは無いのだと思う。

もし安倍さんが「集団的自衛権」を通そうとするなら、「若年層が激減している日本にあった、人を巻き込まない戦争」を説明する必要があるのでは?
その様な説明が無い限り、「祖父・岸信介の思い」だけで「集団的自衛権」を進めようとするのには、無理があると思うのだ。