朝日新聞のWEBサイトに、興味深いニュースがピックアップされていた。
朝日新聞:ボーカロイドと文楽人形、魂の共演 源氏の世界を映画に
文楽と言えば、2年ほど前に大阪の橋下さんが助成金(だったと思う)の打ち切りを言い出し、話題になった。
歌舞伎とは違い、同じ伝統芸能でも接する機会が極端に少ないのが、文楽だと思う。
実際に演じられる劇場も少なく、地方での公演もほとんど聞くことがない。
一方、日本文化の研究者であるドナルド・キーン氏は「文楽は、日本が誇るべき素晴らしい伝統芸能であり、世界でも類を見ない文化である。もっと評価をすべき」と話している。
これまでのように、限られた劇場での公演だけでは、「文楽」を知る人は限られてくるだろう。
何より、若い世代の人達が興味を持たなくては、「伝統芸能」といえども廃れてしまう。
「伝統芸能」ということだけでは、今後「芸能」として生き延びていく(と言う表現は変だが)ことは難しいだろう。
そう考えると、今回の競演企画(?)というのは、とても挑戦的な試みだと思うし、エールを送りたい。
ボーカロイドと言えば「初音ミク」を思い浮かべるのだが、その「初音ミク」の活躍の場(?)もどんどん変わってきている。
今年の春には、BUMP OF CHICKENの「RAY」で共演をしている。
楽曲を聴いてみると、違和感が無い訳ではないが「これもアリ」という気がしてくる。
それほど、ボーカロイドの世界はこれまでの音楽とは違う拡がり方をしつつ、実際の音楽と融合(と言う程ではないが)し始めたのかも知れない。
その次のステップとして、文楽との共演があったとすれば、文楽側にとっても新しい試みとなるだろうし、外から受ける刺激によって「文楽」に大きな変化が起きるかも知れない。
と言うのも、「伝統」ほど変化が求められ続けることがないからだ。
意外に思われるかも知れないが、「伝統」があるからこそ基礎となる部分は徹底的に「型」にこだわり、+αの部分でその時々の様々なモノ・コトを取り入れることで「生き残ってきた」からだ。
「伝統」というのは、制約ばかりではなく「制約」の上に自由さが必要なのだと思う。
まして、今回の演目は「源氏物語」。
文楽にとっても、決して演じにくい話ではないと思う。
この様な「CoolJapan」があっても良いと思うのだ。